第1回公認心理師試験(追加試験)過去問題141〜150

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問141  84 歳の女性 A、夫と二人暮らしである。A は2年前に大腿骨を骨折し手術を受けたが、リハビリを拒否したまま退院した。現在は歩行が困難で、食事は不規則であり、入浴もあまりしていない。A は易怒的であり夫に暴言を浴びせる。遠方に住む長女から地域包括支援センターに相談があったため、センター職員が数回訪問し、認知症を疑った。このときの認知症初期集中支援チームによる支援として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 整形外科の医師がチームに加わる。
  2. 初回訪問はチーム員の介護福祉士&名で行う。
  3. 出来るだけ早く A を精神科病院に入院させる。
  4. 初回訪問から介護保険サービスの利用を開始する。
  5. 初回訪問で、専門の医療機関への受診に向けた動機づけを A と夫に行う。
解答

問142  68 歳の女性 A、夫と二人暮らしである。A は2年前に Lewy 小体型認知症と診断され、月1回専門医療機関に通院している。特に介護保険サービスは受けておらず、日常生活にも大きな問題はない。物忘れは目立たないが、男の人が台所に立っているという幻視がある。夫に対して「あなたは夫と似ているけどにせ者だ」と言うことがある。A に認められている症状として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 記銘障害
  2. 常同行動
  3. 転導性の亢進
  4. カプグラ症候群
  5. 被影響性の亢進
解答

問143  9歳の男児 A、小学3年生。A は、入学時から学校で落ち着きが ない様子が見られた。担任教師がサポートしながら学校生活を送ってい たが、学年が進むとささいなことで感情が高ぶったり教室の中で暴れた りするようになった。A の学業成績はクラスの中で平均的であった。 スクールカウンセラーと A の母親が継続面談を行い、A には個別の指導が必要であると判断した。A が利用する機関として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 児童相談所
  2. 教育支援センター
  3. 児童自立支援施設
  4. 児童家庭支援センター
  5. 通級指導教室通級による指導
解答

問144  大学の学生相談室のカウンセラーが、教員 A から以下のような相談を電話で受けた。
「先月、ゼミを1か月欠席している学生 B を指導するため面談しました。B は意欲が減退し、自宅に引きこもり状態で、大学生にはよくある悩みだと励まし、カウンセリングを勧めましたがそちらには行っていないようですね。B は私とは話せるようで、何回か面談しています。今日 の面談では思い詰めた表情だったので、自殺の可能性を考え不安になりました。後日また面談することについて B は了承していますが、教員としてどうしたら良いでしょうか。」このときのカウンセラーの A への対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. B の自殺の危険性は低いと伝え、対応は A に任せる。
  2. カウンセラーが B と直接会ってから A と対応を検討する。
  3. B にカウンセリングを受けることを強く勧めるよう助言する。
  4. B の問題を解決するために継続的に A に面談することを提案する。
  5. 危機対応として家族に連絡し医療機関への受診を勧めるよう助言する。
解答

問145  9歳の男児 A、小学3年生。A は、担任教師 B に注意されるにもかかわらず、他の児童の持ち物をとることを繰り返している。すでに自分が持っている物でも繰り返しとる。とった物を別の児童にあげることもある。B は A がクラスに適応するように対応をしているが、繰り返し他の児童のものをとることを放置しておけず、A を呼び出して注意する。注意すると A はニコニコしながら、理解した様子で、あれこれ的を射た応答をしてくる。A が理解した様子のため、もう繰り返さないだろうと B は期待するが、すぐに同じことが繰り返される。A の行動の説明として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 収集癖を有している。
  2. 注目欲求を満たそうとしている。
  3. 自分のものをとられたという妄想による行動である。
  4. 知的に低く、教師の言うことが十分に理解できない。
  5. 問題児扱いされて転校させられることをねらっている。
解答

問146  5歳の男児 A。A の父母は性格の不一致から協議離婚をした。協議の結果、親権者となる母親が A を養育することと、月1回の A と父親との面会交流とが取り決められた。ところが、2回目の面会交流以降、 A は父親との面会交流に消極的になってきた。困った母親は市の相談室に来室し、公認心理師である相談員と面談した。この場合の助言として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 父親との面会交流の前に具体的に行き先を A に話しておく。
  2. 母親との分離不安の可能性も考え、当分は母親も面会交流に立ち会う。
  3. A が面会交流に消極的になる理由を父母で話し合い、A の真意を探る。
  4. 父親がプレゼントを用意することによって A の面会交流への意欲を高める。
  5. 父親からの A に対する虐待がなければ面会交流を継続する方向で検討する。
解答

問147  55歳の男性 A。従業員 20 名の企業の社長事業者である。職場 で精神疾患による休職者が多発し、対応に苦慮している。ストレス チェック制度を活用することで、これ以上の休職者が出ないようにしたいと、相談室の公認心理師 B に相談に来た。B は必要な研修を修了し、産業医とともに、ストレスチェックの共同実施者となっている。A の相談に対する B の対応について、不適切なものを1つ選べ。

  1.  A に職場の集団分析結果を提供し、必要な対応を協議する。
  2. A に未受検者のリストを提供し、未受検者に受検の勧奨を行うよう助言する。
  3. 面接指導の実施日時について、A と従業員とが情報を共有できるよう助言する。
  4. A に面接指導を受けていない者のリストを提供し、面接指導を受けるように勧奨するよう勧める。
  5. 面接指導を実施した医師から、A が就業上の措置の必要性及び措置の内容について意見聴取するよう助言する。
解答

問148  幼児を対象とした怒りのコントロール法として、新しい方法 X と従来の方法 Y の効果を、置換ブロック法による無作為化比較試験によって検証することとなった。(1)ブロックサイズを&とし、84 名の実験参加者を乱数によって A 群:新しい方法 X、B 群:従来の方法 Y の2群に割り付ける。(2)各群にそれぞれ X と Y を実施する。(3)遊び場面で怒りについての観察によるアセスメントを行う。この計画において注意すべきことについて、正しいものを1つ選べ。

  1. (2)と(3)は同一人物が行う。
  2. (1)の結果を(3)の実施者に伝えない。
  3. ブロックサイズを4とし、実験参加者を 90 名にする。
  4. 割り付けで A 群が5回続いた場合、乱数による割り付け結果にかかわらず B 群にする。
解答

問149  15 歳の女子 A、中学3年生。最近、成績が下がっているため中学校の相談室の公認心理師に初めて相談に来た。A は成績低下の理由と して、「集中力が落ちて勉強が手につかず、塾に行ってもほとんど頭に入ってこない」と話した。次第に口数が少なくなり、「両親が離婚を話し合っているため、自分の将来が不安で仕方ない」と絞り出すように言って涙をこぼした。公認心理師の A への言葉として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 勉強が手につかないことは、辛く苦しいですね。
  2. 両親のことをここで話すことは勇気がいることでしたね。
  3. 成績は落ちても努力すれば、またすぐに上がってきますよ。
  4. 自分もまったく同じことを経験して苦しみましたが克服できました。
解答

問150  14 歳の男子 A、中学2年生。A は日頃学業への取組が不十分であり、定期試験の答案が返却される度に、点数が低いのは自分に能力がな いからだと考えていた。しかし、今回の定期試験では努力した結果、A は高得点をとることができた。A はたまたま問題が簡単だったからだと考えている。原因帰属理論に基づいて、A の担任教師が A の学業への取組を促すための対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 次回のテストも簡単かもしれないから大丈夫だと伝える。
  2. 今回は運が良かっただけなので慢心しないように注意をする。
  3. A には高得点をとる能力があるのだということを繰り返し強調する。
  4. 問題が簡単だったからではなく努力したから高得点だったと強調する。
解答

原因帰属を参照。

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