第1回公認心理師試験(追加試験)過去問題1〜10

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目次

問1 公認心理師の登録取消しの事由として、正しいものを1つ選べ。

1 成年被後見人になった。
2 民事裁判の被告になった。
3 クライエントの信頼を失った。
4 スーパービジョンを受けなかった。
5 保健医療、福祉、教育等の担当者と連携しなかった。

解答

資格の登録取り消し、すなわち欠格事由については、公認心理士法 第三条 にて以下のように記されている。選択肢の中では成年被後見人である①が該当する。

第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

問2 精神科病院に通院中のクライエントが特定の人へ危害を加える可能性があると判断される場合、公認心理師が最初に行うべき行動として、最も適切なものを1つ選べ。

1 ただちに警察に連絡する。
2 クライエントの主治医に状況を報告する。
3 クライエントに入院の可能性が高いことを説明する。
4 犠牲者となり得る人に対して安全な所に身を隠すよう伝える。
5 クライエントの家族に、クライエントの行動について注意するよう助言する。

解答

医師とのチーム医療については 公認心理師法 第四十二条 第二項 にて示されており、主治医の指示に従う義務がある。したがって、選択肢の中では②主治医へ報告の後に指示を仰ぐことが適切と言える。①、③、④、⑤については、主治医の指示を無視した対応とも捉えられるため不適切。

第四十二条 公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。
2 公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。
(資質向上の責務)

問3 公認心理師に求められるスーパービジョンについて、最も適切なものを1つ選べ。

1 スーパーバイザーはスーパーバイジーを評価しない。
2 スーパービジョンを受ける際クライエントの許可は必要ない。
3 スーパービジョンはスーパーバイジーの発達段階に合わせて行われる。
4 スーパーバイザーはスーパーバイジーへの心理療法を行う責任を有する。
5 スーパーバイザーは気づいたことをすべてスーパーバイジーに伝えことが基本である。

解答

  1. 例えば、セラピストが自身の問題や特徴について自己理解するために、スーパーバイザーによる評価を受けるとともに、評価結果を踏まえたスーパービジョンを受けることで、スーパーバイジーの適切な成長を図る。
  2. 公認心理師法 第四十一条 を考慮すると、場合によってはクライエントの情報が、直接的には連携へ関与しないスーパーバイザーへ伝わる可能性もあるため、スーパービジョンを受ける可能性をクライエントへ通知する必要性があると考えられる。
  3. 例えば RonnestadとSkovholtによる臨床家の6期発達モデル との照合によりスーパーバイジーの職業的発達の状態を相対化することで、発達段階に伴う課題点や適切な支援方法を検討する。
  4. 責任そのものは有さない。
  5. 気づいたことを全て伝えるのではなく、スーパーバイジーの状態に応じた成長に適切な情報に限定して伝えることが望ましい。

    第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。(連携等)

問4 ゲシュタルト心理学において中心的に研究され、現在も継続して研究されているものとして、最も適切なものを1つ選べ。

1 学習
2 感情
3 態度
4 知覚
5 集団特性

解答

ゲシュタルト心理学は、記憶、思考、集団特性と多岐に渡る心理過程へ適用された。その中でも知覚については、古くは1910年代のヴェルトハイマーの仮現運動実験、近年ではカニッツァの主観的輪郭実験といったように、今日までの長い歴史における様々な研究にて適用されている。

問5 世界で最初の心理学実験室を創設した W. Wundt の心理学の特徴として、正しいものを1つ選べ。

1 行動レベルの反応を測定した。
2 心的過程の全体性を重視した。
3 無意識の研究の発端となった。
4 ヒト以外の動物も実験対象とした。
5 心的要素間の結合様式を解明しようとした。

解答

1 行動主義 (ex. J.B. Watson)
2 ゲシュタルト心理学 (ex. M. Wertheimer)
3 精神分析学 (ex. S. Freud)
4 動物心理学 / 比較心理学 (ex. C. Darwin)
5 要素主義 (ex. W. Wundt)

問6 因子分析の斜交回転において各観測変数と各因子との相関係数を要素とする行列を表すものとして、正しいものを1つ選べ。

1 共通性
2 独自性
3 因子構造
4 因子負荷
5 単純構造
解答

  1. 共通性 共通因子から観測変数へ説明される割合。
  2. 独自性 独自因子から観測変数へ説明される割合。
  3. 因子構造 各因子と観測変数との相関関係。
  4. 因子負荷 共通因子が観測変数へ与える影響の大きさ。
  5. 単純構造 直行回転や斜交回転により、解釈が最も容易となった因子負荷行列

 

※共通因子 因子全体を説明する構成概念の定義から説明可能な因子
※独自因子 構成概念からの説明のみならず、さらに異なる説明も必要な因子

問7 コントラストの知覚についての心理測定関数を得て、そこから弁別閾や主観的等価点を推定するための心理物理学的測定法として、最も適切なものを1つ選べ。

1 階段法
2 極限法
3 恒常法
4 上下法
5 調整法

解答

  1. 階段法 強度が小さい刺激から順番に呈示、被験者の反応が変化した際には呈示順序を反転させる手法。刺激を連続的に呈示するため、期待誤差、系統誤差が生じる可能性がある。
  2. 極限法 強度が小さい刺激から順番に刺激を呈示、反応が変化した点を探ることで閾値を求める手法。刺激を連続的に呈示するため、期待誤差、系統誤差が生じる可能性がある。
  3. 恒常法 強度が異なる複数の刺激をランダムな順序で呈示するとともに各刺激への反応の違いから閾値を求める手法。刺激をランダムに呈示することで、期待誤差、系統誤差、被験者による結果の調整を統制することが可能。
  4. 上下法 階段法を改良した手法。二重上下法。変形上下法といった手法が存在する。刺激を連続的に呈示するため、期待誤差、系統誤差が生じる可能性がある。
  5. 調整法 被験者による刺激強度の調整により反応の変化点を探ることで閾値を求める手法。被験者の判断へ依存するため、結果が調整される可能性がある。

問8 人格の個人差に関する行動遺伝学的説明について、最も適切なものを1つ選べ。

1 人格は単一の遺伝子によって規定される。
2 遺伝要因と環境要因の交互作用は統計的に検討できない。
3 遺伝要因と環境要因の影響力は、個別には具体的な数値で表せない。
4 成人期では一般的に、共有環境の影響は遺伝や非共有環境の影響よりも小さい。
5 一卵性双生児と二卵性双生児のきょうだいそれぞれにおける人格特性の相関係数は後者の方が高い。

解答

  1. 人格の規程要因については、遺伝子と環境との相互作用による規程が有力な説と言われている。
  2. 交差時差モデルを採用した双生児法をはじめ、既存の研究においても統計的な検討は行われている。
  3. 例えば双生児法における行動観察や生理指標の抽出により、数的なデータを得ることができる。
  4. 例えば一般的信頼を取り上げた敷島・平石・安藤 (2006)では、非共有環境よりも共有環境による影響の方が大きいと報告されている。
  5. 一卵性双生児と二卵性双生児それぞれの人格特性の間における相関係数に大きな差は見られない。

問9 記憶障害について、正しいものを1つ選べ。

1 WMS-R は記憶障害の性質を分析できる。
2 Korsakoff 症候群は記憶の保持ができない。
3 獲得された過去の記憶が想起できないことを前向性健忘という。
4 想起障害は手がかりによって思い出すことができる場合を指す。
5 体験が想起できないエピソード記憶障害は潜在記憶の障害である。

解答

  1. 「言語性記憶」「視覚性記憶」「一般的記憶」「注意/集中力」「遅延再生」といった観点から、記憶について総合的に検討する検査。
  2. 記憶の「保持」ではなく「記銘」ができない。
  3. 前向性健忘ではなく、逆行性健忘である。
  4. 手がかりが思い出せない「想起」の問題ではなく、記憶そのものが抜け落ちている「保持」の問題である。

問10 周囲の状況の影響を十分に考慮せずに、他者の行動が内的属性に基づいて生じていると評価する傾向について、正しいものを1つ選べ。

1 対比効果
2 割増原理
3 転向モデル
4 対応バイアス
5 セルフ・ハンディキャッピング

解答

  1. ある刺激が知覚されると、逆方向の知覚が強まる傾向(ex. スイカに塩をかけると甘く感じる)
  2. 原因帰属において、突出した帰属先が見られた場合、他の帰属先候補があったとしても、突出した帰属先のみが強調して認識される傾向(ex. 「独学で資格試験をクリアした」 ⇨ 「問題が簡易」「受験者の偏り」といった他の原因も考えられるにも関わらず、「独学」のみが強調)
  3. 極端な反証事例によってステレオタイプが劇的に変容する傾向(ex. 高齢者による大規模な交流会の映像 ⇨ 「感染症拡大の原因は若者」とするステレオタイプが変容する)
  4. 失敗の原因を外的要因へ帰属させるため、あえて自らにハンディキャップを課す行動傾向(ex. 試験前に「全然勉強してない」と触れ回る)

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