社会的絆理論
1969年にHirschi(ハーシ)が提唱した理論。人が犯罪をしないのは社会との絆があるからで、その絆が弱まったときや、壊れたときに逸脱した行動が起きると考える。犯罪をしない理由という観点が特徴的な理論。
社会的絆について、愛着(attachment)、投資(commitment)、巻き込み(involvement)、信念(belief)という4つの絆を提案している。
愛着(attachment)
家族、恋人、友人など愛着をもっている相手への思いが逸脱行動を抑制する。
投資(commitment)
これまで自分が将来のために投資(勉強、キャリア、信頼)してきたものを無駄にしたくない。
巻き込み(involvement)
仕事や家事、勉強、部活、習い事などの活動で忙しく、犯罪のことなんて考える暇もない。
信念(belief)
法律や社会規範に従うべきだという信念。
第5回公認心理師試験に出題
15歳の男子A、中学3年生。Aは、推薦で高校に進学が決まってから、友人Bとよく遊んでいた。ある日、Bがゲームセンター内の窃盗で逮捕された。Aは直前までBと一緒にいたが、警察で共犯ではないと認められた。動揺していたAは教師の勧めで、スクールカウンセラーCに話を聴いてもらった。AはCに、「その日は、B が置きっぱなしの財布を見つけ、盗んで遊ぼうと誘ってきた。迷ったが、そうすれば進学できなくなり、親にも迷惑をかけると思い、Bにやめた方がいいと言って帰宅した」と述べた。Bの非行にAが加担しなかった理由を理解する上で、適合する非行理論として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- A. K. Cohen の非行下位文化理論
- E. H. Sutherland の分化的接触理論
- H. S. Beckerのラベリング理論
- R. K. Merton の緊張理論
- T. Hirschi の社会的絆理論
解答
⑤
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