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AQ(Autism-Spectrum Quotient)自閉症スペクトラム指数とは
国際的に利用されている自閉症スペクトラム障害のスクリーニング検査。成人用は自己評価、児童用は保護者などによる他者評価で、回答は「あてはまる」から「あてはまらない」までの4段階。
「社会的スキル」 「注意の切り替え」 「細部への関心」 「コミュニケーション」 「想像力」の5つの下位尺度を備えている。カットオフは、26点。
所要時間
10分~15分
適用範囲
成人用 16歳以上
児童用 6歳~15歳
質問項目
50項目。以下は児童用。
- 何かをするときには、一人でするよりも他の人といっしょに することを好む。
- 同じことや同じやりかたを、何度もくりかえすことが好きだ。
- 何かを想像しようとすれば、その映像(イメージ)を簡単に 思い浮かべることができる。(目を閉じて自分の学校の教室などをイメージさせ、見えるものを答えさせる。なお、この場合、記憶の確認ではないことに注意する)
- 一つのことに夢中になって、ほかのことがぜんぜん目に入らなくなる(気がつかなくなる)ことがよくある。
- 他の人が気がつかないような、小さい物音に気がつくことがしばしばある。
- 車のナンバーや時刻表の数字などといった一連の数字のような特に意味のない情報に注目する(こだわる)ことがよくある。
- 本人がていねいに話したつもりでも、話し方などが失礼だと、周囲の人から言われることがよくある。
- お話(物語)などを読んでいるとき、登場人物がどのような人か(外見など)について簡単に想像することができる.。(すでに登場人物の外見などについて知っている話以外の簡単なストーリーを聴かせて、登場人物の様子について説明を求めて確認する)
- 日付・曜日などについてのこだわりがある。
- 親しい人が何人もいる場面などで、いろいろな(複数の)人との会話を簡単に続けることができる。
- 自分がおかれている社会的な状況(その場での自分の立場や状態がすぐにわかる。(状況に応じた行動ができる)
- ほかの人は気がつかないような細部に注意を向けることが多い。
- パーティーなどよりも、図書館に行く方を好む。
- 作り話には、すぐに気がつく。(すぐわかる・だまされない)
- モノよりも人間の方に関心(興味)を持っている。
- それをすることができないとひどく混乱(あるいは興奮)してしまうくらい強い興味や関心を持っていること(もの)がある。
- 他の人と、雑談などのような、ちょっとした会話(おしゃべり)を楽しむことができる。
- 自分が話をしているときには、なかなか他の人に横から口をはさませない。
- 数字(番号)に対するこだわりがある。
- 物語りを読んだり、テレビドラマなどを観ているとき、登場人物の意図や考えなどをよく理解できないことがある。 (簡単なストーリーを聴かせて、登場人物の意図や考えなどについて理解できるかどうかを確認する)
- 小説などのようなフィクションの本を読むことは、あまり好きではない。
- 新しい友人を作ることは、苦手である。
- いつでも、ものごとの中に何らかのパターン(型や決まりなど) のようなものがあることに気づく。(通常は特にパターンのようなものがないような身の回りのものごとについて、何か決まり (規則)のようなものがあると思うか尋ねてみる)
- 博物館に行くよりも、劇場や映画館に行く方が好きだ。
- 自分のいつもの日課(行動の順序など)が妨害されても、あわてたり混乱するようなことはない。
- 会話をどのように続けたらいいのか、わからなくなってしまうことがよくある。
- 誰かと話をしているときに、相手の話の言外の意味を容易に理解することができる。(ほのめかしや皮肉、冗談などを使 って、理解できるかどうか確認する)
- ものごとの細かいところよりも、全体像に注意が向くことが多い。
- 電話番号をおぼえるのは苦手である。(電話番号を3種類程度教え、数時間後にそれを覚えているかどうか確認する)
- 状況(部屋の様子やものの置き場所など)や人間の外見(服装や髪型)などが、いつもとちょっと違っているくらいでは、すぐには気がつかないことが多い。
- 自分の話を聞いている相手が退屈しているときには、どのように話をすればいいかわかっている。(相手がうんざりしていても、同じ話を続けているようなことがあるかどうかで判断する)
- 同時に2つ以上のことをするのは、容易である。 (遊びや勉強などをするときに「何かをしながら」ということがあるかどうかなどで判断する)
- 電話で話をしているとき、自分が話をするタイミングがわからないことがある。(電話での会話が自然に出来るかどうか)
- 自分から進んで(自発的に)何かをすることを楽しんでいる。(指示や模倣などによらない行動がみられるかどうか)
- 冗談がわからないことがよくある。
- 相手の顔を見るだけで、その人が考えていることや感じていることがわかる。(相手の表情などを読むことができるかどうか)
- 何かをしているときに、じゃまが入っても、すぐにそれまでやっていたことに戻ることができる。(遊んでいるときにじゃまが入って中断されても、じゃまがなくなれば、前の遊びの続きを始めることができる)
- 雑談や、ちょっとしたおしゃべりを人とすることが得意だ。 (一方的な話ではなく、会話のやりとりができるかどうか)
- 同じことを何度も繰り返していると、周囲の人によく言われる。 (人に言われなくても、実際に同年代の子どもに通常みられる程度以上の繰り返しがあるかどうか)
- 今よりも小さいころ、友達といっしょに「○○ごっこ」(ごっこ 遊び)をよくして遊んでいた。(現在でもしている)
- 特定の種類(カテゴリー)のもの(たとえば、車、鳥、植物など)についての情報(カタログや資料など)を集めることが好きだ。
- 他の人がするのと同じように想像をすることは苦手だ。 (他の人と同じような想像や感じ方ができているかどうか)
- 自分がすることは、何でも注意深く計画する傾向がある。
- 社交的な(人と親しく交わる)場面を楽しんでいる。(人と一緒にいるだけではなく、関わることを楽しんでいるか)
- 他の人の考え(意図など)を理解することは苦手だ。
- 新しい場面(状況)では不安を感じやすい.。(初めての場所や人に対して、常識レベルを超えた不安を示すかどうか)
- 初対面の人と会うことを楽しんでいる。 (初対面の人と会うことが好きである)
- 社交的である
- 家族や友人などの誕生日をおぼえるのが得意である。
- 子どもと「ごっこ遊び」をして遊ぶのがとても得意だ。
第3回公認心理師試験に出題
問73 25歳の男性A、会社員。Aは上司Bと共に社内の相談室に来室した。入社2年目であるが、なかなか仕事を覚えられず、計画的に進めることも苦手で、Bから繰り返し助言されているという。Bによれば、同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まりごとに気づかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられているという。会社以外での対人関係で困ることはない。この1か月は早朝覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休んだ。BDI-Ⅱの得点は42点、AQ-Jの得点は35点であり、Y-BOCSの症状評価リストは1項目が該当した。Aに関する見立てとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 軽度抑うつ状態
- 強迫症/強迫性障害
- 社交不安症/社交不安障害
- 自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害(ASD)
問137 30歳の男性A、会社員。独身で一人暮らしである。Aは、職場での不適応感を訴えて精神科を受診した。幼少期から心配性と言われてきたが、ここ半年ほどでその傾向が一層強まってきた。仕事で失敗したり、失業したりするのではないか、重大な病気にかかっているのではないかなど気になって仕方がない。自分でも心配しすぎだと分かってはいるが、いらいらし、仕事にも熱中できず、疲労がつのる。寝つきも悪く、しばしば覚醒してしまうこともある。医師からAの状態をアセスメントするよう依頼された公認心理師が、Aに実施するテストバッテリーに含めるものとして、最も適切なものを1つ選べ。
- AQ-J
- CAPS
- GAD-7
- LSAS-J
- Y-BOCS
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