MMPI

MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)とは

Hathaway,S.R.とMcKinley,J.C.(1930年代)が作成。代表的な質問紙法の心理検査。

MMPIの特徴

①テストの信頼性を測る尺度を有している→テストを受ける構えや防衛的な態度を測ることができる

②新しい尺度を作成することが可能

MMPIの長所と短所

長所

カード式と冊子式があり、個別でも集団でも実施が可能

短所

①項目数が非常に多く、実施に時間がかかる。

②MMPIの臨床尺度は、尺度名があらわす症状や疾患に対応した純粋な測度とはいえない。

実施と解釈

実施には、カード形式と冊子形式が主として用いられる。

「あてはまる」「あてはまらない」の2件法で、?を10以下にすることが強調される。

各尺度得点をT得点に換算し、プロフィールを描く。解釈は、主にプロフィールのパターンから行われる。

(例)

転換V:第1、第2、第3尺度によって作られる心身症的な傾向を示唆するパターン

スカーレットオハラV:第4、第5、第6尺度によって作られる家庭内での葛藤を示唆するパターン

 

尺度 高得点解釈

無回答、防衛的、優柔不断
L 意図的に良い方向へ歪曲
F でたらめか心理的混乱、症状が重度
K 防衛的態度、問題を隠蔽する傾向

1:Hs 漠然的身体的症状を訴え、他者操作、身体表現性障害など
2:D 意欲低下、抑うつ的、罪悪感、低自尊心、気分障害など
3:Hy 未熟性格、自己洞察不足、身体症状、転換性障害など
4:Pd 経験から学ばない、反社会的非社会的行動、パーソナリティ障害など
5:Mf 伝統的性役割に葛藤、逸脱、適応障害、パーソナリティ障害など
6:Pa 猜疑心、他責的、妄想性障害、統合失調症、パーソナリティ障害など
7:Pt 不安や緊張、心身衰弱、強迫的思考、不安障害など
8:Sc 疎外感、集中困難、統合失調症、極度のストレス下での混乱など
9:Ma 情動性興奮、過活動、気分障害(双極性)など
0:Si 社会的内向、対人技能欠如、適応障害など
[L+Pa+Sc]-[Hy+Pt]はゴールドバーグ指標と呼ばれ、この指標が40以上で精神病的傾向、30以下では神経症的傾向があるとされる。

第3回公認心理師試験に出題

問90 MMPIの実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。

  1. 各質問項目には、5件法で回答する。
  2. 追加尺度は、20尺度開発されている。
  3. F尺度、心理的防衛の高さを示している。
  4. 第5尺度(Mf)は、性別により解釈基準が異なる。
  5. 第0尺度(Si)と第7尺度(Pt)が90の場合は、精神的混乱状態と解釈できる。
解答

平成26年度臨床心理士資格試験に出題

穴埋め形式の問題。

MMPIの妥当性尺度は、疑問(?)尺度、L尺度、F尺度、K尺度の4つである。これらはそれぞれの尺度のT得点だけでなく、疑問(?)尺度を除くL、F、Kの3つの尺度のパターン(布置)によっても被験者の受験態度の偏りを調べることができる。たとえば、よく見せかけようとした受験態度は、F尺度が最も低くなるV型となる。

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