質的研究・量的研究

質的研究

主に観察法や面接法を用いて、記述的なデータを収集し、言語的・概念的な分析を行う研究法

内的妥当性を高めるため方法

  1. トライアンギュレーション(triangulation):分析結果を複数の方法で検討すること
  2. メンバーチェック:データ提供者にその分析結果が現実的に妥当なものかをたずねる
  3. 長期観察、複数観察
  4. 調査者の内省:調査者の考えや世界観、価値観(バイアス)をで明確にしておく

etc

量的研究

主に実験法や調査法を用いて数量的なデータを収集し、統計手法を用いて変数間の関係を明らかにする研究法

質的研究と量的研究の比較

質的研究 量的研究
目的 データそのものを分析・解釈していく研究法 複数のサンプルからデータを収集し、事象を数量化し、統計的に分析する研究法
特徴 ・プロセス重視
・物事が起こる文脈を重視する
・データに忠実な態度を維持する
・自然的
・結果重視
・現象や反応を数量化してデータとする。
・結果から得られるデータを分析して、統計的検証
・人工的・実験的
データ収集、分析 ・フィールドワーク
・半構造化あるいは非構造化面接
・フォーカスグループインタビュー
グラウンデッド・セオリー・アプローチ
・PAC分析
・エスノグラフィー
・複線径路・等至性アプローチ
・質問紙
・無作為対象抽出
・構造化面接
・統計的検定/統計分析
・主成分分析
PAC分析
長所 ・少数事例に対応できる
・数値化困難な対象を明らかにすることが可能
・理解度が深い
・客観的な解釈がしやすい
・信頼性が高い
・外的妥当性
・サンプル数が多い(多くとれる)
短所 ・研究者の主観が入りやすい
・客観性に乏しい
・サンプル数が少ない
・数値化できないものに対応できない
・少数事例に対応できない
・理解度が浅い

PAC(Personal Attitude Construct)分析

Personal Attitude Construct=個人別態度構造。あるテーマについて個人がもつイメージや態度のこと。被験者本人にも言語化しづらい内的世界について,質的(自由連想と対話)および量的(クラスター分析)に分析することができる。

エスノグラフィー

ある民族の生活に入り込み、長期間にわたって彼らの生活スタイルを観察、対話、文化や行動様式の詳細を記録していくアプローチ。

複線径路・等至性アプローチ(TEA:Trajectory Equifinality Approach)

人間の成長を時間的変化と文化社会的文脈との関係の中で捉え,記述するためのアプローチ。

グラウンデッド・セオリー・アプローチ

データを文章化し、その文章を細かく分断した内容に、具体的なラベル(あるいはコードの数字)を付けて、それをさらにグループ化・カテゴリー化し、客観的に現象を表現し相関関係を調べるアプローチ。

第5回公認心理師試験に出題

質的研究と関わりが深い研究方法や分析方法として、不適切なものを 1 つ選べ。

  1. PAC 分析
  2. 主成分分析
  3. エスノグラフィー
  4. 複線径路・等至性アプローチ
  5. グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答

質的研究における、分析結果の解釈の妥当性を高める方法として、 最も適切なものを 1 つ選べ。

  1. インタビュー
  2. コーディング
  3. メンバー・チェック
  4. アクション・リサーチ
  5. グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答

第4回公認心理師試験に出題

心理療法における効果検証に用いられる方法として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 主成分分析
  2. クラスター分析
  3. ランダム化比較試験
  4. コレスポンデンス分析
  5. 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答

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