性格特性論

性格特性論とは

人間の性格を複数の特性の集合体とみなして、各特性を数量化(点数化)してあらわす。それまでの性格類型論に比べて、結局その人がどんな人なのかは直感的にはわかりずらいが、個人の細かな性格特徴まで把握できるというメリットがある。

ビッグファイブ

性格特性論で最も代表的な理論でL. R. Goldberg(ゴールドバーグ)が提唱。
人間の性格は、5つの因子(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)で統合されるとした。「主要5因子」、「BigFive性格特性」、「五因子モデル」「OCEANモデル」とも呼ばれる

オールポートの語彙仮説は、性格特性に関する言語を集めはしたが、分析は完成しておらず、これを因子分析し、5因子として抽出されたのがビッグファイブである。

第二特性
第一特性 特性 協調性 誠実性 外向性 神経症傾向 開放性
協調性 頼りになる、責任感がある、信頼できる、礼儀正しい、思いやりがある 謙遜、でしゃばらない 社交的、精力的、熱狂的、話し好き、生き生きとした 非攻撃的、つつましい、従順、臆病、迎合的 情にもろい、だまされやすい、優しい、敏感、柔和 忍耐強い、寛大な、多くを求めない、現実的 理想主義、外向的、深みがある、気が利く、愛想の良い 単純、依存
人を寄せ付けない、厳格、融通がきかない 無謀、非協力的、信頼できない、疑い深い、思慮がない 意固地、強引、傲慢、高慢、威張り屋 懐疑的、用心深い、引きこもりがち、無口、非社交的 神経質、短気、けんか好き、せっかち、怒りっぽい 冷淡、無神経、愛情がない、情熱がない 抜けめがない、風変わり、個人主義 粗野、機転が利かない、ぶっきらぼう、心が狭い、冷淡
誠実性 人を助ける、協力的、思いやりがある、丁重、礼儀正しい 厳格、融通がきかない、人を寄せ付けない アクティブ、競争好き、粘り強い、野心的、目的を持つ 控えめ、真面目、慎重、用心深い、信念を持つ 几帳面、神経質 理性がある、客観的、堅実、論理的、決断力がある 分析的、知覚が鋭い、情報通、歯切れが良い、威厳がある 慣習的、伝統的
謙遜、でしゃばらない 思いやりがない、無礼、疑い深い、非協力的、思慮がない 乱暴、わんぱく、自己顕示、社交的、示威的 ひねくれ、非精力的、怠惰、粘り強くない、どっちつかず 無理強いする、せんさく好き、身勝手、忘れっぽい、直情的 形式張らない、控えめ 型破り、風変わり 近視眼的、無鉄砲、非論理的、未熟、行き当たりばったり
外向性 生き生きとした、幸せ、友好的、陽気、楽しい 頑固、険しい、未熟、けんか好き、粗雑 野心的、油断のない、硬い、目的を持つ、競争好き 気まま、乱暴、無謀、向こう見ず、示威的 興奮しやすい、言葉数が多い、浮気な、激しやすい、とっぴな 自意識が強くない、うんざりしない、根気のよい 世俗的、演劇的、雄弁、詮索好き、熱烈 くどい、無節操、気取った
情け深い、同調的、親切、つつましい、寛大 冷笑的、人を警戒、引きこもりがち、孤立、人間味がない 用心深い、自信に満ちた、時間を守る、几帳面、倹約 優柔不断、目的がない、どっちつかず、曖昧、向上心がない 用心深い、気難しい、不安、悲観的、秘密主義 控えめ、容易に興奮しない、穏やか、落ち着いた 内省的、瞑想的、熟慮、自省的、内面志向型 予測可能、平凡、陰気、無感動、冒険心のない
神経症傾向 感傷的、優しい、感性が豊か、柔和、情熱的 批判的、わがまま、気難しい、敵対的、怒りっぽい 几帳面、神経質 散漫、矛盾、気まぐれ、忘れっぽい、直情的 激しやすい、言葉数が多い、とっぴな、移り気、浮気な 用心深い、悲観的、秘密主義、臆病 情熱的、興奮しやすい、官能的 取り乱しやすい、腹を立てやすい、懸念深い
寛大、陽気、寛容、温和、柔軟 無神経、愛情がない、情熱がない、冷淡 手落ちがない、堅実、首尾一貫、自制力、論理的 形式張らない、控えめ 自信に満ちた、大胆、自信がある、遠慮がない、勇敢 落ち着いた、物静か、穏やか、公平な、控えめ 創造的、知的、洞察力がある、多才、独創的 冷静、鈍感
開放性 愛想が良い、機転が利く、外交的、洞察力がある、理想主義 抜けめがない、風変わり、個人主義 如才がない、完全主義、勤勉、威厳、洗練された 型破り、風変わり 表情豊か、ありのまま、ドラマチック、自発的、機知に富む 内部志向、内省的、瞑想、熟考、自省 興奮しやすい、情熱的、官能的 誠実、多才、創造的、知的、洞察力に富む
依存、純真 粗野、機転が利かない、ぶっきらぼう、心が狭い、冷淡 伝統的、慣習的 無鉄砲、非論理的、未熟、無計画、散漫 くどい、無節操、気取った 陰気、おとなしい、冒険心のない、受け身、無感動 取り乱しやすい、腹を立てやすい、懸念深い 冷静、鈍感

出典:Wikipedia

G. W. Allport(オールポート)の特性論

アメリカの心理学者であるG. W. Allport(オールポート)が初めて「特性」という言葉を使用した。
オールポートは語彙仮説を提唱。重要な特性は必ず言語として表現されると仮説を立て、性格を表現する言葉を辞書から、約18,000個ピックアップした。その中から取捨選択し、最終的には約4,500個を抽出。

また、特性を以下の2つに分類

  • 個人特性:その個人だけに特徴的な特性
  • 共通特性:他者と共通に存在し、比較できる特性

R. B. Cattel(キャッテル)の特性論

アメリカの心理学者R. B. Cattel(キャッテル)もオールポートと同様に、特性を分類

  • 独自特性:オールポートの個人特性にあたる

さらに、独自特性を客観的に外部から観察できる表面的特性(行動・発言・動作・表情など)と 根源的特性(価値観・遺伝因子・環境要因などの内面的な特性)に分類した。

  • 共通特性

 

第5回公認心理師試験に出題

G. W. Allport や R. B. Cattell らの特性論の考えを引き継ぎ、L. R. Goldbergが指摘した性格特性理論の基盤となっている統計手法として、適切なものを1つ選べ。

  1. 因子分析
  2. 分散分析
  3. 共分散分析
  4. 重回帰分析
  5. クラスター分析
解答

パーソナリティの 5 因子モデルのうち、開放性に関連する語群として、最も適切なものを 1 つ選べ。

  1. 寛大な、協力的な、素直な
  2. 怠惰な、無節操な、飽きっぽい
  3. 陽気な、社交的な、話し好きな
  4. 悩みがち、動揺しやすい、悲観的な
  5. 臨機応変な、独創的な、美的感覚の鋭い
解答

シェアお願いします

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください