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保護観察制度とは
更生保護法により運用されている犯罪者処遇制度の一つ。保護観察所に配属される保護観察官と地域の保護司が協働して行う。
犯罪をした人または非行のある少年が,社会の中で更生するように、保護観察官及び保護司による指導と支援を行うもの。社会の中で処遇を行うものであることから、「社会内処遇」と言われている。
保護観察対象者
少年 | 成人 |
保護観察処分少年 非行により家庭裁判所から 保護観察の処分を受けた少年 (約41,000人) |
仮釈放者懲役又は禁錮の刑に処せられ, 仮釈放を許された者 (約21,000人) |
少年院仮退院者非行により家庭裁判所から少年院送致 の処分を受け,その少年院から仮退院 となった少年 (約8,000人) |
保護観察付執行猶予者
刑の執行猶予とあわせて保護観察付 |
法務省HPより
指導監督とは 更生保護法第57条
第1項 保護観察における指導監督は、次に掲げる方法によって行うものとする。
一 面接その他の適当な方法により保護観察対象者と接触を保ち、その行状を把握すること。
二 保護観察対象者が一般遵守事項及び特別遵守事項(以下「遵守事項」という。)を遵守し、並びに生活行動指針に即して生活し、及び行動するよう、必要な指示その他の措置をとること。
三 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。
第2項 保護観察所の長は、前項の指導監督を適切に行うため特に必要があると認めるときは、保護観察対象者に対し、当該指導監督に適した宿泊場所を供与することができる。
補導援護とは 更生保護法第58条
保護観察における補導援護は、保護観察対象者が自立した生活を営むことができるようにするため、その自助の責任を踏まえつつ、次に掲げる方法によって行うものとする。
一 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること。
二 医療及び療養を受けることを助けること。
三 職業を補導し、及び就職を助けること。
四 教養訓練の手段を得ることを助けること。
五 生活環境を改善し、及び調整すること。
六 社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、保護観察対象者が健全な社会生活を営むために必要な助言その他の措置をとること。
一般遵守事項と特別遵守事項
保護観察対象者が守らなければいけないルール。
一般遵守事項(対象者全員へのルール) | 特別遵守事項 (事件の内容や経緯等を踏まえた個別のルール) |
・ 再犯につながらない健全な生活態度の保持 ・ 保護観察官や保護司の面接を受ける ・ 生活状況を報告 ・ 転居や旅行は、事前に保護観察所長の許可が必要 |
・ 通学、就職活動や仕事等をすること ・ 共犯者との接触をしないこと ・ 被害者に接触しないこと ・ 深夜に無断外出をしないこと ・ 性犯罪者処遇プログラムを受けること |
※特別遵守事項は、適宜変更ができる。
第3回公認心理師試験に出題
問67 21歳の男性A。Aは実母Bと二人暮らしであった。ひきこもりがちの無職生活を送っていたが、インターネットで知り合った人物から覚醒剤を購入し、使用したことが発覚して有罪判決となった。初犯であり、BがAを支える旨を陳述したことから保護観察付執行猶予となった。保護観察官がAに対して行う処遇の在り方として、最も適切なものを1つ選べ。
- 自助の責任を踏まえつつ、Aへの補導援護を行う。
- Bに面接を行うことにより、Aの行状の把握に努める。
- Aが一般遵守事項や特別遵守事項を遵守するよう、Bに指導監督を依頼する。
- 改善更生の在り方に問題があっても、Aに対する特別遵守事項を変更することはできない。
- 就労・覚醒剤に関する特別遵守事項が遵守されない場合、Aへの補導援護を行うことはできない。
平成30年度公認心理師国家試験に出題
保護観察制度について、正しいものを2つ選べ。
- 保護観察の特別遵守事項は変更されることがある。◯
- 刑事施設からの仮釈放の許可は保護観察所長の決定による。
- 保護観察処分に付された少年は少年院送致になることはない。
- 保護観察中に転居する場合、同一都道府県内であれば保護観察所長に届け出る必要はない。
- 少年院仮退院者の保護観察を継続する必要がなくなった場合、地方更生保護委員会が隊員を検討する。◯
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