学級崩壊を起こしたクラスの担任の心理 「春を待つ教師」

スクールカウンセラーをしていると

学級崩壊のクラスに関わることは珍しくありません

ある程度の経験と力量を、SCとして持ち始めると

学級崩壊を起こしているクラスのアセスメントやコンサルテーションを頼まれたりすることもあります

SCの仕事の中でも、最も難易度が高い仕事の一つだと思います。

 

小学校4〜6年が崩壊していることが多く、理由は様々

  • 担任の力量が足りない
  • 特別支援対応が必要な子どもが多く在籍
  • 強烈な影響力をもつ負のリーダーシップを持っている子がいる
  • いじめが存在

などなど

小学校は特に、学級担任制なので

子どもが担任から受ける影響は、良くも悪くも多く

中学校との一番の差はそこにある

 

中学生は、成長し、外に世界が広がるために

学級内を荒らすというよりは、学校全体や非行といった行動に出る

中学生でも、学級崩壊が起こっている場合は、ある意味幼いと言えるかもしれないですね。

 

学級崩壊が起こると、どのような現象が起こってくるかというと

  • 暴言・暴力
  • 離席・エスケープ
  • 不登校
  • いじめ
  • 授業や係活動の放棄・妨害
  • 破壊的行動

などなど

暴言の中には、担任に向かって

「飛び降りて死ね」など、子どもから出る言葉とは思えないものもあります

こんな状態と毎日毎日向き合わなければいけない先生は

精神的に追い詰められるのは当然

 

担任に与えられる選択肢は、大きく2つ

  1. 病休をとる
  2. 春を待つ教師になる

 

はたから見てたら、「そこまで辛いなら、休んだらいい」と言ってあげたくなりますが

そう簡単に、割り切れない理由がいくつかあります

  • 残された子どもたちが心配(責任感)
  • 自分が休んだら、誰かがこのクラスを持たなければいけない(罪悪感)
  • 一度精神的な理由で休むと、復帰プログラムの対象になる(劣等感)
  • 今、ここで休んだら、教師としての自信がなくなる(挫折感、無力感)
  • 家庭や子どもなど、お金の心配(家計面)
  • 病休をとるなという周りからの無言の圧力(プレッシャー)

これらが、病休をとる際に頭をよぎり、決断を妨げる主なもの

病休をとるのは、かなりハードルが高いんですよね

 

そして、春を待つ教師になる…

春休みになると、この学級から解放されるため、それをひらすら耐えながら待つわけです

 

その状態に入った教師には、共通の特徴があります

それは、ずばり学習性無力感

学習性無力感とは

長期に渡り、人が監禁されたり、暴力を振るわれたり、自分の尊厳や価値がふみにじられる(主として、いじめやモラルハラスメントに代表される人格否定)場面に置かれた場合、次のような徴候が現れるという。

  1. 被験者は、その圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況から、自ら積極的に抜け出そうとする努力をしなくなる。
  2. 実際のところ、すこしばかりの努力をすれば、その状況から抜け出すのに成功する可能性があったとしても、努力すれば成功するかもしれないという事すら考えられなくなる(言い換えると、長年受けた仕打ちによる反動で、どんな可能性さえも「無駄な努力」と断じ、自発的行動を全くしなくなる)。
  3. ストレスが加えられる状況、又ストレッサーに対して何も出来ない、何も功を奏しない、苦痛、ストレス、ストレッサーから逃れられないという状況の中で、情緒的に混乱をきたす。

人の行動は、良かれ悪しかれ何らかの学習の成果として現れてくるものである、という学習理論を土台とした理論である。拉致監禁の被害者や長期の家庭内虐待の被害者、学校での人格否定やいじめ、会社などでのモラルハラスメントや、いわゆるブラック企業に雇用され低賃金で過酷な労働を強いられ続けながらも自ら進んで退職しない者が一定数居ることなど、行動の心理的根拠を説明する理論として、注目されている。

Wikipedia

かつては、表情豊かだった先生も、無表情、無感情になり、

子どもの反応や行動に対しても、無関心になります。

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