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問141 7歳の男児A、小学1年生。入院治療中。Aは、気管支喘息と診断され通院治療を受けていた。喘息発作で救急外来を受診したとき、強引に押さえられて吸入処置を受けた。それを機に、吸入器を見ると大泣きするようになり、自宅での治療が一切できなくなった。そのため、発作により、救急外来を頻回に受診するようになり、最終的に入院となった。医師や看護師が吸入させようとしても大泣きして手がつけられず、治療スタッフが近づくだけで泣くようになったため、主治医から公認心理師に心理的支援の依頼があった。
Aに対して行う行動療法的な支援の技法として、適切なものを1つ選べ。
- 嫌悪療法
- 自律訓練法
- エクスポージャー
- バイオフィードバック
- アサーション・トレーニング
解答
③
問142 54歳の男性A、会社員。仕事への興味の減退を主訴に心理相談室に来室した。Aは、大学卒業後、技術系の仕事に就き、40歳代で管理職になった。4か月前にゴルフ友達が亡くなったのを機に不眠傾向となり、かかりつけ医から睡眠薬を処方された。しかし、症状は改善せず、体調不良を自覚して検査を受けたが異常な指摘はされなかった。清潔な身なりで礼容は保たれているが、張りのない声で、「楽しい感情が湧かない」、「ゴルフが大好きだったのに行く気がしない」、「ふさぎ込んでいるので家庭の空気を悪くして申し訳ない」と述べた。飲酒習慣は晩酌程度という。
最も優先して確認するべきAの症状を1つ選べ。
- 易疲労感
- 希死念慮
- 自信喪失
- 早朝覚醒
- 体重減少
解答
②
問143 25歳の男性A、消防士。妻と二人暮らし。台風による大雨で川が大規模に氾濫したため、Aは救出活動に従事した。当初は被災住民を救出できたが、3日目以降は遺体の収容作業が多くなった。5日目を過ぎた頃から、同僚に、「自分は何の役にも立たない。何のために仕事をしているのか分からない。家ではいらいらして、妻に対してちょっとしたことで怒り、夜は何度も目を覚ましている」と話した。心配した同僚の勧めで、Aは医療支援チームの一員である公認心理師Bに相談した。
この段階でのBのAへの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- もう少し働き続ければ慣れると伝える。
- 職業の適性に関する評価が必要であることを伝える。
- 家庭では仕事のつらさについて話をしないよう勧める。
- 他の消防士も参加できるデブリーフィングの場を設ける。
- 急なストレス状況でしばしばみられる症状であることを伝える。
解答
⑤
問144 12歳の女児A、小学6年生。Aに既往歴はなく、対人関係、学業成績、生活態度などに問題はみられなかった。しかし、ある日授業中に救急車のサイレンが聞こえてきたときに、突然頭を抱え震えだした。その後、Aはかかりつけの病院を受診したが、身体的異常はみられなかった。Aはそれ以降、登校しぶりが目立っている。保護者によると、1年前に、家族旅行先で交通死亡事故を目撃したとのことであった。AやAの家族は事故に巻き込まれてはいない。スクールカウンセラーであるBは、教師の校内研修会でAへの対応に役立つような話をすることになった。
Bが提示する内容として、最も適切なものを1つ選べ。
- 発達障害への対応
- 曖昧な喪失へのケア
- 心理的リアクタンスの理解
- トラウムインフォームド・ケア
- 反応性アタッチメント障害の理解
解答
④
問145 14歳の男児A、中学2年生。Aは、生後間もない頃から乳児院で育ち、3歳で児童養護施設に入所した。保護者は所在不明でAとの交流はない。Aはおとなしい性格で、これまで施設や学校でおも特に問題はみられなかったが、中学2年生の冬休み明けからふさぎ込むことが増えた。ある日、児童指導員Bに対して、「どうせ仕事なんだとう」、「「なぜこんなところにいなくてはいけない」とメモを書き残して外出し、Aが育った乳児院の近くで発見された。Aの態度の変わりように困ったBは、施設内の公認心理師CにAへの対応を相談した。CのBへの助言・提案として、最も適切なものを1つ選べ。
- Aの自立支援計画の策定を始めるよう助言する。
- 児童相談所に里親委託の検討を依頼するよう提案する。
- Aが自分を理解してもらえないと感じるような、Bの対応を改善するよう助言する。
- Aには注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉の疑いがあるため、医療機関の受診を提案する。
- 信頼できる大人との日常生活の中で、Aが自分の人生を自然に振り返ることができるような機会が大切になると助言する。
解答
⑤
問146 30歳の女性A、小学4年生の担任教師。Aは、2学期開始から10日後、同じ小学校のスクールカウンセラーである公認心理師Bに次のように相談した。Aが担任をしている学級では、1学期の終わり頃から児童Cが悪口を言われており、休むこともあったという。2学期になっても、Cへの悪口が続いており、登校しづらくなっている。いじめ対応の基本を踏まえて、Bが最初に確認することとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 学級経営の方針
- Cの合計欠席日数
- 小学校周辺の地域の状況
- Aの児童全般への関わり方
- 学級における児童全体の様子
解答
②
問147 40歳の男性A、小学校4年生の担任教師。Aは、スクールカウンセラーである公認心理師Bに学級の状況について相談した。Aの学級では、児童同士が罵り合ったり、授業中の児童の間違いを笑ったりすることがたびたび起きている。学級の児童の多くが、自分の感情を直接、他の児童にぶつけてしまうため、トラブルに発展している。Aは、児童の保護者数名からこの件について対応するよう要望されており、A自身も悩んでいるという。
BのAへの提案として、最も適切なものを1つ選べ。
- WISC-Ⅳ
- 道徳教育
- スタートカリキュラム
- メゾシステムレベルの介入
- ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉
解答
⑤
問148 35歳の男性A、会社員。Aは、不眠を主訴として勤務する会社の相談室を訪れ、相談室の公認心理師Bが対応した。Aによると、最近、Aはある殺人事件の裁判員となった。裁判は8日間のうちに4回実施される。裁判開始前からAは守秘義務の順守が負担となっていたが、1回目、2回目の裁判の後はほとんど眠れなかったという。BはAの気持ちを受け止め、不眠に対する助言をしたが、Aは、「裁判は残り2回あるが、どうすればよいか」と、Bはさらに助言を求めた。
BのAへの助言として、適切なものを1つ選べ。
- 裁判所に連絡するよう伝える。
- 理由や詳細を述べることなく辞任ができることを伝える。
- 具合の悪い日は、補充裁判員に代理を務めてもらえるように伝える。
- 評議を含め裁判内容については、親しい友人か家族に話を聞いてもらえるよう伝える。
- 評議を含め裁判内容についてのカウンセリングは、裁判終了後に可能になると伝える。
解答
①
問149 73歳の男性A、大学の非常勤講師。指導していた学生に新型コロナウィルスの感染者が出たため、PCR検査を受けたところ、陽性と判定され、感染症病棟に入院した。入院時は、38℃台の発熱以外の症状は認められなかった。入院翌日に不眠を訴え、睡眠薬が処方された。入院3日目の夜になり突然、ぶつぶつ言いながら廊下をうろうろ歩き回る、病棟からいきなり飛び出そうとする、などの異常行動が出現した。翌日、明らかな身体所見がないことを確認した主治医から依頼を受けた公認心理師Bが病室を訪問し、Aに昨夜のことを尋ねると、「覚えていません」と活気のない表情で返事をした。
BのAへのアセスメントとして、最も適切なものを1つ選べ。
- うつ病
- せん妄
- 認知症
- 脳出血
- 統合失調症
解答
②
問150 20歳の男性A、大学1年生。Aは、大学入学時に大学の雰囲気になじめずひきこもりとなった。大学の学生相談室への来室を拒否したため、Aの両親が地域の精神保健福祉センターにAのひきこもりについて相談し、両親が公認心理師Bと定期的な面接を行うことになった。面接開始後、1年が経過したが、Aはひきこもりのままであった。Aは、暴力や自傷行為はないが、不安や抑うつ、退行現象がみられている。留年や学業継続の問題については、両親が大学の事務窓口などに相談している。最近になり、両親が精神的な辛さを訴える場面が多くなってきている。
BのAやAの両親への支援として、不適切なものを1つ選べ。
- 自宅訪問を行う場合、緊急時以外は、家族を介して本人の了解を得る。
- ひきこもりの原因である子育ての問題を指摘し、親子関係の改善を図る。
- 家族自身による解決力を引き出せるよう、家族のエンパワメントを目指す。
- 家族の話から、精神障害が背景にないかを評価する視点を忘れないようにする。
- 精神保健福祉センターや大学等、多機関間でのケース・マネジメント会議を行う。
解答
②
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