第1回公認心理師試験過去問題51〜60

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問51 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)について、正しいものを2つ選べ。

  1. 20点以下は認知症を疑う。
  2. 認知症の重症度評価を主な目的とする。
  3. 図形模写などの動作性検査を含むテストである。
  4. 野菜の名前を問う問題は知識量を問うものである。
  5. 言葉の遅延再生問題で自発的な解答がなければヒントを与える。
解答
①と⑤

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の主な目的は、認知症のスクリーニングである。図形描写などのテストはない。野菜の名前を問う問題は、前頭葉が正常に機能しているか、言葉が流暢に出て来るかをみる。

問52 教育現場における開発的カウンセリングで用いられる技法として、適切なものを2つ選べ。

  1. ピアサポート
  2. ソシオメトリー
  3. チームティーチング
  4. アサーショントレーニング
  5. ソーシャルスキルトレーニング〈SST〉
解答
④と⑤

あれ、①も含まれる?答えが3つある・・・。
開発的カウンセリングで用いられる技法という表現からして、スクールカウンセラーが子どもにするといった意味合いが込められている?

そう解釈すると、ピアサポートではなく、④と⑤になると思います。

問53 裁判員裁判について、正しいものを2つ選べ。

  1. 原則として、裁判官3人と国民から選ばれた裁判員6人の計9人で行われる。
  2. 被告人が犯罪事実を認めている事件に限り審理し、量刑のみを判決で決める。
  3. 裁判員は判決前には評議の状況を外部に漏らしてはいけないが、判決以降は禁止されていない。
  4. 職業裁判官と裁判員が評価をつくしても全員の意見が一致しない場合、多数決の方式を採用して評決する。
  5. 地方裁判所の裁判員裁判の決定に不服があって高等裁判所で審理をされる場合も裁判員裁判をしなければならない。
解答
①と④

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律

原則として、裁判官3人と国民から選ばれた裁判員6人の計9人で行われる。◯(第2条2項)

被告人が犯罪事実を認めている事件に限り審理し、量刑のみを判決で決める。×
→認めていても、認めていなくても審理を行う。

裁判員は判決前には評議の状況を外部に漏らしてはいけないが、判決以降は禁止されていない。×(第70条)

職業裁判官と裁判員が評価をつくしても全員の意見が一致しない場合、多数決の方式を採用して評決する。◯(第67条)

地方裁判所の裁判員裁判の決定に不服があって高等裁判所で審理をされる場合も裁判員裁判をしなければならない。
→高等裁判所では、裁判員裁判での判決を尊重しながら、裁判官3名で審理を行う。

問54 緩和ケアについて、正しいものを2つ選べ。

  1. 終末期医療への人的資源の重点整備が進められている。
  2. 精神症状、社会経済的問題、心理的問題及びスピリチュアルな問題の4つを対象にしている。
  3. 我が国の緩和ケアは、がん対策基本法とがん対策推進基本計画とによって推進される。
  4. がん診療連携拠点病院における緩和ケアチームは、入院患者のみならず外来患者も対象とする。
  5. 診療報酬が加算される緩和ケアチームは、精神症状の緩和を担当する常勤医師、専任常勤看護師及び専任薬剤師から構成される。
解答
③と④

①については、下記を参照。
厚生労働省「在宅医療・介護の推進について」

②については、緩和ケアと関連が深いトータルペインに関しての記述であるが、精神症状は含まれず、身体的苦痛が含まれる。

がん対策基本法には、第15条に
がん対策推進基本計画(平成24年6月閣議決定)においては、がんと診断された時からの緩和ケアの推進が重点的に取り組むべき課題として位置付けられている。

診療報酬が加算される緩和ケアチームは、専任の身体症状担当医師(原則として常勤、専従が望ましい)、精神症状の緩和担当医師(常勤、専任が望ましい)、先住の看護師、協力する薬剤師、協力する臨床心理に携わるもので構成される。

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問55 向精神薬とその副作用の組み合せで、正しいものを2つ選べ。

  1. 抗不安薬ー身体依存
  2. 炭酸リチウムー甲状腺機能亢進症
  3. 非定型抗精神病薬ー体重減少
  4. メチルフェニデートー食欲亢進
  5. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉ー賦活症候群
解答
①と⑤

炭酸リチウムの副作用としては、リチウム中毒、食欲低下、吐き気、下痢、消化器症状、振戦、傾眠、錯乱、中枢神経症状があげられている。

非定型抗精神病薬の副作用としては、食欲亢進→体重増加があげられている。

メチルフェニデートの副作用としては、食欲減退があげられている。

問56 保護観察制度について、正しいものを2つ選べ。

  1. 保護観察の特別遵守事項は変更されることがある。
  2. 刑事施設からの仮釈放の許可は保護観察所長の決定による。
  3. 保護観察処分に付された少年は少年院送致になることはない。
  4. 保護観察中に転居する場合、同一都道府県内であれば保護観察所長に届け出る必要はない。
  5. 少年院仮退院者の保護観察を継続する必要がなくなった場合、地方更生保護委員会が退院を検討する。
解答
①と⑤

更生保護法に基づいて解答していく。

①保護観察の特別遵守事項は変更されることがある。(第52条)

②刑事施設からの仮釈放の許可は保護観察所長の決定による。(第39条 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分は、地方委員会の決定をもってするものとする)

③保護観察処分に付された少年は少年院送致になることはない。これについては、少年法を含めて説明する。

第67条
保護観察所の長は、保護観察処分少年が、遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該保護観察処分少年に対し、これを遵守するよう警告を発することができる。
2 保護観察所の長は、前項の警告を受けた保護観察処分少年が、なお遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、少年法第二十六条の四第一項の決定の申請をすることができる。

少年法第26条の4
更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第六十七第二申請があつた場合において、家庭裁判所は、審判の結果、第二十四条第一項第一号の保護処分を受けた者がその遵守すべき事項を遵守せず、同法第六十七条第一項の警告を受けたにもかかわらず、なお遵守すべき事項を遵守しなかつたと認められる事由があり、その程度が重く、かつ、その保護処分によつては本人の改善及び更生を図ることができないと認めるときは決定をもつて、第二十四第一第二又は第三保護処分しなければならない

少年法第24条
家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分しなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、第三保護処分することができる
一 保護観察所保護観察に付すること。
二 児童自立支援施設又は児童養護施設送致すること。
三 少年院送致すること。

④保護観察中に転居する場合、同一都道府県内であれば保護観察所長に届け出る必要はない。

第50条の5
転居又は七日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けること

⑤少年院仮退院者の保護観察を継続する必要がなくなった場合、地方更生保護委員会が退院を検討する。

第16条
三 少年院からの仮退院又は退院を許すこと。
四 少年院からの仮退院中の者について、少年院に戻して収容する旨の決定の申請をすること。

問57 医療法に規定されている内容について、正しいものを2つ選べ。

  1. 50床以上の病床を有する医療機関を病院という。
  2. 都道府県は医療提供体制の確保を図るための計画を定める。
  3. 病床の種類は、一般病床、療養病床及び精神病床の3種類である。
  4. 医療事故とは、医療に起因する又は起因すると疑われる、予期しなかった死亡又は死産をいう。
  5. 医療事故が発生した場合、直ちに調査を行い、事故に関与した医療従事者は調査結果を医療事故・調査支援センターに報告しなければならない。
解答
②と④

医療法に基づいて解答していく。

①50床以上の病床を有する医療機関を病院という。

第1条の5
この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

②都道府県は医療提供体制の確保を図るための計画を定める。

第30条の4
都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画(以下「医療計画」という。)を定めるものとする。

③病床の種類は、一般病床、療養病床及び精神病床の3種類である。

第7条の2に記載
精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床が正解

④医療事故とは、医療に起因する又は起因すると疑われる、予期しなかった死亡又は死産をいう。

第6条の10に記載
病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。

⑤医療事故が発生した場合、直ちに調査を行い、事故に関与した医療従事者は調査結果を医療事故・調査支援センターに報告しなければならない。

第6条の11の4
病院等の管理者は、医療事故調査を終了したときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その結果を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。

問58 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく処遇について、正しいものを2つ選べ。

  1. 措置入院では手紙の発信が制限される。
  2. 任意入院の際は精神保健指定医の診察を要しない。
  3. 患者を隔離する際は精神保健指定医の診察を要する。
  4. 治療上の理由があれば、複数の患者を同じ病室に隔離することができる。
  5. 身体的拘束を行った場合は、身体的拘束を行った旨、身体的拘束の理由、開始と解除の日時などを精神保健指定医が診療録に記載する。
解答
②と⑤

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づいて解答していく。

①措置入院では手紙の発信が制限される。

第37条
厚生労働大臣は、前条に定めるもののほか、精神科病院に入院中の者の処遇について必要な基準を定めることができる。
この必要な基準については、精神保健福祉法第37条第1項の規定に基づく厚生大臣が定める処遇の基準を参照。
発信については、原則として自由と表記されている。

②任意入院の際は精神保健指定医の診察を要しない。

第20条
精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合においては、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない。

③患者を隔離する際は精神保健指定医の診察を要する。

精神保健福祉法第37条第1項の規定に基づく厚生大臣が定める処遇の基準を参照。

12時間を超えない隔離については精神保健指定医の判断を要するものではないが、 この場合にあってもその要否の判断は医師によって行われなければならないものとする。

④治療上の理由があれば、複数の患者を同じ病室に隔離することができる。

精神保健福祉法第37条第1項の規定に基づく厚生大臣が定める処遇の基準を参照。

隔離を行っている閉鎖的環境の部屋に更に患者を入室させることはあってはならないものとする。また、既に患者が入室している部屋に隔離のため他の患者を入室させることはあってはならないものとする。

⑤身体的拘束を行った場合は、身体的拘束を行った旨、身体的拘束の理由、開始と解除の日時などを精神保健指定医が診療録に記載する。

精神保健福祉法第37条第1項の規定に基づく厚生大臣が定める処遇の基準を参照。

身体的拘束に当たっては、当該患者に対して身体的拘束を行う理由を知らせるよう努めるとともに、身体的拘束を行った旨及びその理由並びに身体的拘束を開始した日時及び解除した日時を診療録に記載するものとする。

そのことを精神保健指定医がしなければいけないという根拠は、以下の項目に関連。

第19条の4の2
指定医は、前条第一項に規定する職務を行つたときは、遅滞なく、当該指定医の氏名その他厚生労働省令で定める事項を診療録に記載しなければならない

前条第一項は下記のこと。

第19条の4
指定医は、第二十一条第三項及び第二十九条の五の規定により入院を継続する必要があるかどうかの判定、第三十三条第一項及び第三十三条の七第一項の規定による入院を必要とするかどうか及び第二十条の規定による入院が行われる状態にないかどうかの判定、第三十六条第三項に規定する行動の制限を必要とするかどうかの判定、第三十八条の二第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する報告事項に係る入院中の者の診察並びに第四十条の規定により一時退院させて経過を見ることが適当かどうかの判定の職務を行う。

問59 事例

3歳児の男児。3日前に階段から落ち元気がないため診てほしいと母親に連れられて来院した。担当医師の診察結果では、頭部に裂傷と血腫、胸部に紫斑を認めた。胸部エックス線写真で肋骨に受傷時期の異なる複数の骨折を認めた。公認心理師は担当医師から対応を相談された。ソーシャルワーカーからは、男児の家族は1ヶ月前にこの病院のあるA市に転居して来たと伝えられた。診療録によると、最近1か月の間に、小児科で脱水、皮膚科で熱湯による熱傷、外科では外傷による爪剥離と転倒による肋骨骨折の治療歴がある。

このとき公認心理師が提案する対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 児童相談所へ通報する。
  2. 母親に夫との関係について聴く。
  3. 母親に子育て支援団体を紹介する。
  4. 引き続き小児科外来での診療を勧める。
  5. 母親に今回と過去の受傷機転の詳細について問い質す。
解答

平成16年児童虐待防止法改正法により、通告の対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われる児童」に拡大された。これにより虐待の事実が必ずしも明らかでなくても、子どもの福祉に関わる専門家の知見によって児童虐待が疑われる場合はもちろんのこと、一般の人の目から見れば主観的に児童虐待があったと思うであろうという場合であれば、通告義務が生じることとなり、児童虐待の防止に資することが期待される。

なお、こうした通告については、児童虐待防止法の趣旨に基づくものであれば、それが結果として誤りであったとしても、そのことによって刑事上、民事上の責任を問われることは基本的には想定されないものと考えられる。

厚生労働省H Pより

この事例では、最近1か月の間に、脱水、熱傷、爪剥離、肋骨骨折などがあり、十分に虐待が疑われるため、通告がまず提案される必要がある。

問60 事例

33歳の女性A。Aは、3年前にうつ病と診断されて自殺未遂歴がある。1か月前からうつ状態となり、入水しようとしている所を両親が発見し、嫌がるAを精神科外来に連れてきた。両親は入院治療を希望しており、Aも同意したため任意入院となった。入院当日に病棟で公認心理師が面接を開始したところ、「すぐに退院したい」とAから言われた。

  1. 主治医と面接が必要であることを伝える。
  2. 退院には家族の許可が必要であることを伝える。
  3. 意に反する入院は有益ではないため面接を中断する。
  4. Aが希望すれば直ちに退院が可能であることを伝える。
  5. 外来に通院することを条件に、退院が可能であると伝える。
解答

任意入院については、精神保健福祉法の第20条、第21条に規定されている。

第21条の2
精神科病院の管理者は、自ら入院した精神障害者(以下「任意入院者」という。)から退院の申出があつた場合においては、その者を退院させなければならない。
第21条の3
前項に規定する場合において、精神科病院の管理者は、指定医による診察の結果、当該任意入院者の医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは、同項の規定にかかわらず、七十二時間を限り、その者を退院させないことができる。
また、公認心理師法では、こう規定されている。

第42条の2
公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない

よって、公認心理師に退院に関する権限はなく、主治医との面接を促すことが正しい。

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