第1回公認心理師試験過去問題11〜20

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問11 大脳皮質の機能局在について、正しいものを1つ選べ。

  1. Broca野は頭頂葉にある。
  2. 一次視覚野は側頭葉にある。
  3. 一次運動野は後頭葉の中心前回にある。
  4. Wernicke野は側頭葉と前頭葉にまたがる。
  5. 一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある。
解答

Broca野は前頭葉にある。
一次視覚野は後頭葉にある。
一次運動野は中心溝の前方、中心前回にある。
Wernicke野は側頭葉にある。
一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある。

問12 児童虐待について、正しいものを1つ選べ。

  1. 主な虐待者は実父が多く、次に実父以外の父親が多い。
  2. 身体的虐待、心理的虐待及び性的虐待の3種類に大別される。
  3. 児童虐待防止法における児童とは、0歳から12歳までの者である。
  4. 児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待にあたる。
  5. 児童虐待防止法が制定されて以降、児童虐待の相談対応件数は減少傾向にある。
解答

主な虐待者は実母が多く、次に実父が多い。
身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトの4種類に大別される。
児童虐待防止法における児童とは、18歳に満たないものとしている。
児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待(心理的虐待)にあたる。
児童虐待の相談対応件数は増加傾向にある。

問13 社会的認知のバイアスについて、正しいものを1つ選べ。

  1. 他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。
  2. 集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうことを擬似相関という。
  3. 観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向を行為者ー観察者バイアスという。
  4. 自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向を確証バイアスという。
  5. 人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果<ハロー効果>という。
解答

自分の内面を他者が実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚<透明性錯誤>という。
2つの間に、因果関係がないのあると捉えてしまうことを擬似相関という。
観察者が期待している成果に注視しすぎることにより、他が見えなくなる傾向を観察者バイアスという。
自分の仮説をを重視し、それを支持する情報だけを集めてしまう傾向を確証バイアスという。
人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果<ハロー効果>という

問14 集団思考<groupthink>に関する説明として、正しいものを1つ選べ。

  1. 集団内で同調圧が高いと感じるときに生じやすい。
  2. 集団意思決定の質は個人による意思決定に比べて優れている。
  3. 集団構成員間の親密性が低いとき、思考や発言が抑制されやすい。
  4. 集団で課題を遂行すると、一人当たりの成績は単独で遂行するときよりも低下する。
  5. 緊急時に援助できる人が自分以外にもいる場合、自分しかいない場合より援助行動が抑制されやすい。
解答

集団思考とは、集団で合議を行う場合に、不合理、危険な意思決定がされることをいう。
集団内の同調圧が高いような団結力がある集団で起きやすい。
その意思決定には問題があるということを前提とした考えである。
集団構成員間の親密性が高い時、思考や発言が抑制されやすい。
④は、社会的手抜きの説明。
⑤は、傍観者効果の説明。

問15 E.H.Eriksonのライフサイクルについて、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 人の生涯を6つの発達段階からなると考えた。
  2. 成人期前期を様々な選択の迷いが生じるモラトリアムの時期であると仮定した。
  3. 青年期を通じて忠誠<fidelity>という人としての強さ又は徳が獲得されると考えた。
  4. 各発達段階に固有のストレスフルなライフイベントがあると仮定し、それを危機と表現した。
  5. 成人期後期に自身の子どもを養育する中で、その子どもに生成継承性<generativity>が備わると考えた。
解答

人の生涯を8つの発達段階からなると考えた。
青年期を様々な選択の迷いが生じるモラトリアムの時期であると仮定した。
青年期を通じて忠誠<fidelity>という人としての強さ又は徳が獲得されると考えた。
各発達段階に発達課題があり、それに対する危機があると仮定した。
成人期後期に自身の子どもを養育する中で、生成継承性<generativity>が課題となると考えた。

問16 バウムテストについて、正しいものを1つ選べ。

  1. K.Kochが精神疾患の診断を目的に開発した。
  2. 形状の年齢的変化では、二線幹のバウムは6歳までには減少する。
  3. 樹冠の輪郭の有無によって、心理的発達の成熟又は未成熟が把握できる。
  4. M.Grünwaldの空間象徴理論に基づいて解釈を行うことを基本とする。
  5. 対人関係や感情表出の特徴を示す指標として、枝の先端の処理に注目する。
解答

K.Kochが開発した心理検査。
形状の年齢的変化では、一線幹のバウムは6歳までには減少する。
樹冠の輪郭の有無によって、心理的発達の成熟又は未成熟を見るわけではない。
K.Kochの示した方法が基本。M.Grünwaldの空間象徴理論は、その中の一部。
対人関係や感情表出の特徴を示す指標として、枝の先端の処理に注目する。

問17 P-Fスタディの実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。

  1. 葛藤場面は、自我の退行場面と超自我が阻害される場面とで構成される。
  2. 攻撃性の方向が内外ともに向けられずに回避される反応を無責傾向と解釈される。
  3. 依存性と攻撃性の方向とパターンを分類及び記号化して、社会的関係の特徴を把握する検査である。
  4. 他者との葛藤状況における言語反応を、愛着関係の方向とパターンとに分類及び記号化して解釈する。
  5. 欲求不満を来す状況について、もしも自分であったらという想定における被験者の言語反応を分類及び記号化して解釈する。
解答
②・・・
葛藤場面は、各場面は自我阻害場面と超自我阻害場面。
攻撃性の方向が内外ともに向けられずに回避される反応を無責傾向と解釈される。
攻撃性の方向とパターンを分類及び記号化して、社会的関係の特徴を把握する検査である。

※⑤については、どこが間違っているのかがわからないです。誰か意見をください。

※2019年7月25日追記

⑤については、「もしも自分であったら」ではなく、「絵の中の人物」の台詞を回答させるものなので誤りという意見をいただきました。ありがとうございます。

問18 ケース・フォーミュレーションについて、正しいものを1つ選べ。

  1. 一度定式化したものは修正しない。
  2. できるだけ複雑な形に定式化する。
  3. 全体的かつ安定的な心理的要因を検討する。
  4. クライエントと心理職との共同作業を重視する。
  5. 症状を維持するメカニズムや診断名を考慮しない。
解答

ケース・フォーミュレーション
クライエントに起こっている問題(症状を維持するメカニズムや診断名を考慮)に対して、セラピストとクライエントが協働して、解決に向けたプランニング(個々のケースを定式化)すること。ケースをアセスメントし、治療計画を立てておくことによって、そのケースが今、どのような段階にあるのか、この治療方針で間違っていないのかを見直し調整することができる。

問19 引きこもりの支援について、正しいものを1つ選べ。

  1. ハローワークでは、生活面での助言や障害福祉サービスの利用支援を行う。
  2. ひきこもり地域支援センターは、市町村が行う相談支援業務を援助する機関である。
  3. 地域若者サポートステーションは、早急に医療機関へのつながりを確保する機関である。
  4. 地域障害者職業センターでは、障害者手帳の所有者でなくても専門的な職業評価と職業指導が受けられる。
  5. ひきこもりサポーターは、長期にわたるひきこもりの当事者及び家族を支援することを主な目的としている。
解答

障害福祉サービスの利用支援は、各都道府県市町村が窓口。
ひきこもり地域支援センターは、ひきこもり支援の第一次相談窓口。
地域若者サポートステーションは、若者の就労支援を行う機関。
地域障害者職業センターでは、障害者手帳の所有者でなくても専門的な職業評価と職業指導が受けられる。
ひきこもりサポーターは、潜在するひきこもりを早期に発見し、適切な支援機関に早期につなぐことが目的。長期にわたるなどは関係がない。

問20 対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援について、正しいものを1つ選べ。

  1. 悲嘆を悪化させないためには、喪失した対象を断念することを勧める。
  2. 理不尽な喪失体験に遭遇したときは、現実検討ではなく気分の転換を優先する。
  3. 喪失した対象に対する悲嘆過程を共に体験し、その意味を共に探ることが目標である。
  4. 悲嘆が病的な反応へと陥らないように、健康な自我の働きを支えることが目標である。
  5. 悲嘆反応の中で出てくる喪失した対象への罪悪感は、病的悪化の要因になりやすいため、心理的支援の中で扱うことは避ける。
解答

  1. 無理に断念させるようなことは避け、少しずつ日常生活を取り戻していくことが必要。
  2. 現実的な問題(葬儀等)について話し合う。無理な気分転換は避ける。
  3. 喪失した対象に対する悲嘆過程を共に体験し、その意味を共に探ることが目標である。
  4. 健康な自我の働きを支えることが目標ではない。
  5. 喪失した対象への罪悪感は、サバイバーズギルトと呼ばれ、悲嘆反応として出てくるのは自然で、支援でも扱っていく。

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1 個のコメント

  • 問16「バウムテストについて、正しいものを1つ選べ」について書きたいと思う。
    本問での問題点は、選択肢4「M. Grünwald の空間象徴理論に基づいて解釈を行うことを基本とする。」の取り扱いだと思われる。
    コッホ自身、この「空間象徴理論」を基本に解釈しろと書いているからである。

    「M. Grünwald」という人物は、久留米大学の心理学科の教授らによる「空間象徴図式の検討 : Grunwaldの空間図式からの展開」という論文によれば、美術史家であり、講義において「空間図式」を提唱していた人らしい。
    そうコッホが「バウムテスト」の中で書いている。
    また、その久留米大学の論文によれば、「Grünwaldの空間図式」は、コッホの「バウムテスト」以降知られるようになった、ということである。
    つまり、「空間図式」(「空間象徴理論」)は、研究者がそれについての研究論文を書くにあたっても、その原著にあたれないものであり、そのオリジナルの提唱者である美術史家がどういう人物であったのかすら書けないものなのである。
    そこで、私は、一つの仮定の話をしたいと思う。
    それはつまり、この「M. Grünwald」という美術史家は存在しない、という仮定の話である。

    インターネットで「M. Grünwald」を検索すると、日本語表記では「グリューネヴァルト」として紹介される祭壇画で有名な15世紀のドイツの画家、マティアス・グリューネヴァルトがヒットする。(美術史家はヒットしない。)
    私は正統的な西洋オカルティズム(隠秘学)が好きで、この画家を「聖アントニウスの誘惑」(隠秘学的にとても魅力ある題材)を通して知っていたのである。
    (数ある「聖アントニウスの誘惑」の絵画の中でも、グリューネヴァルトのものが一番好きだ。)
    そして、すぐにピンときた。
    これは、コッホの一種の遊び心であると。

    そもそも、「空間象徴」とはどういうことであろうか。
    それは、ブリューゲルなどに代表される中世の西洋絵画に見られるものだ。
    そこでは計算された緻密な構図のなかに、隠秘学的、象徴的なモチーフが、誰もが知っている宗教的な物語などを通して、人間の心と世界とがつながる一つの「絵」として提示されるのである。
    「空間象徴」という言葉あるとすれば、中世絵画そのものであると言っていいだろう。
    もちろん、グリューネヴァルトの絵画もそうである。
    コッホの「バウムテスト」では、4大元素や上下(マクロコスモスとミクロコスモスの照応)など、オカルティズム的象徴の世界が「空間図式」に展開されているらしい。
    とても興味深い。
    しかし、中世の絵画工房の職人たちが描き上げる緻密な「空間象徴」が、素人が描く一本の「木」の絵に現れるわけがないのである。
    これは、コッホが自分も我々の仲間だと示した暗号だと思われる。
    つまり、自身も時間を超えて地下水脈でつながる隠秘学(オカルト)の仲間だと、分かる人に向けて書いた暗号なのである。
    だから、心理学しか勉強していない人、特にアカデミックな人にはこの冗談が通じない。
    もちろん、人間の心と隠秘学的モチーフとは切っても切れないものであるから、ユング心理学的にも適応してしまうのが面白いところである。

    さて、ここまで、「M. Grünwald」という美術史家は存在しない、という仮定の話をしてきた。
    どうだろう、この美術史家が実際に存在した、と証明することは難しいのではないか。
    これはすべてコッホの創作だと考える方が、俄然しっくりくるように私には思われる

    さて、ここで、本問解答の解釈に移りたいと思う。
    そもそも、「空間象徴」の理論がとても難しいものだと言わざるを得ない。
    それを基本に考えることは難しく、また、上に挙げた論文においても、SD法などのエッセンスを用いて換骨奪胎する試みが行われている。
    また、講談社の「赤本」の解説においても、「空間象徴以外に形態分析や動態分析も行われるもので、空間象徴理論を基本とするというのはいいすぎと判断する」と書かれている。
    しかし、実際は、空間象徴理論を基本としようにも、不可能である(つまり「できない」)と思う。

    他の点も考慮して全体的に観るから基本ではない、という解釈で間違いではない。
    間違いではないのだが、そもそも、「空間象徴理論」そのものがコッホのでっち上げだった可能性が高い。
    もちろん、嘘から出たまこと、ということもあるだろう。
    しかし、この嘘に日本の心理学界はいつまでクソまじめにつきあうのだろうか。
    コッホとともに楽しみたいところである。

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