少年法

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少年法とは

20歳未満の「少年」に適用される日本の法律。

少年法では、「少年の健全な育成を期し」(第1条)、刑事事件とは違って刑罰ではなく、あくまでも保護が目的であると規定している。ここでいう「少年」とは満20歳未満の者をいい(第2条)、非行少年を

  1. 犯罪少年:14歳以上20歳未満で罪を犯した少年
  2. 触法少年:14歳未満で罪を犯した少年
  3. ぐ犯少年:20歳未満 で将来罪を犯すおそれのある少年

に区別している(第3条)
ちなみに,児童福祉法上の「児童」とは満18歳未満の者を指す(第4条)

現任者講習会テキスト

少年事件は、嫌疑がある限り、全ての事件が捜査機関(警察・検察)から家庭裁判所に送られる。 そして、家庭裁判所では、犯罪に関する事実のほか、少年の生い立ち、性格、家庭環境などについても調査をした上で、少年に対する処分を決定。 家庭裁判所の決定には、検察官送致(逆送)、少年院送致、保護観察などがある。

少年非行処遇年齢区分一覧

年齢 少年法適用 少年院送致 刑事責任 刑事裁判 コメント
0~11歳 × × 刑事責任年齢に達していないため、刑罰を受けない。原則として少年院送致処分を受けないが、11歳は「おおむね12歳以上」に含まれ送致される可能性がある。
12、13歳 × × 刑事責任年齢に達していないため、刑罰は受けない。
14、15歳 家庭裁判所は禁錮以上の罪につき「刑事処分が相当」と判断した少年を検察官に送致(逆送)することができる。
死刑→無期刑、無期刑→20年以下の有期刑に減刑
16、17歳 家庭裁判所は禁錮以上の罪につき「刑事処分が相当」と判断した少年を検察官に送致(逆送)することができる。被害者が死亡した故意犯については原則として送致する。
死刑→無期刑、無期刑→20年以下の有期刑に減刑
18、19歳 家庭裁判所は禁錮以上の罪につき「刑事処分が相当」と判断した少年を検察官に送致(逆送)することができる。被害者が死亡した故意犯については原則として送致する。成人と同じ刑罰

Wikipediaより

少年院とは 

家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、その健全な育成を図ることを目的として、矯正教育や社会復帰支援等を行う法務省所管の施設。

少年院の種類と処遇の区分

  1. 第一種少年院

    保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない、おおむね12歳以上23歳未満の少年が収容される施設。旧法の初等少年院と中等少年院に相当。
    男女が別の施設に収容される。

  2. 第二種少年院

    保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害のない、おおむね16歳以上23歳未満の、犯罪傾向が進んだ少年が収容される施設。旧法の特別少年院に相当。
    第一種少年院と同じく、男女が別の施設に収容。

  3. 第三種少年院

    保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がある、おおむね12歳以上26歳未満の少年が収容される施設。
    旧法の医療少年院にあたる施設で医療措置や治療的処遇を特徴とする。

  4. 第四種少年院

    少年院において形の執行を受ける者を対象とした施設。

 また、令和4年4月1日、少年法等の一部を改正する法律が施行され、特定少年(18歳及び19歳)のうち2年間の保護観察に付された者に、保護観察中の重大な遵守事項違反があった場合には、少年院に収容することができる制度の運用が新たに開始された。これを受けて、遵守事項違反のあった特定少年を一定期間収容し、その特性に応じた処遇を行う少年院として、第5種少年院が新たに設けられた。

教育活動

  • 生活指導 : 善良な社会人として自立した生活を営むための知識・生活態度の習得
  • 職業指導 : 勤労意欲の喚起、職業上有用な知識・技能の習得
  • 教科指導 : 基礎学力の向上、義務教育、高校卒業程度認定試験受験指導
  • 体育指導 : 基礎体力の向上
  • 特別活動指導 : 社会貢献活動、野外活動、音楽の実施

第5回公認心理師試験に出題

少年院における処遇について、適切なものを 1 つ選べ。

  1. 公共職業安定所と連携し、出院後の就労先の確保のため就労支援を行う。
  2. 矯正教育課程のうち医療措置課程の実施が指定されているのは、第2種少年院である。
  3. 在院中の少年に対して、高等学校卒業程度認定試験を受験する機会を与えることはできない。
  4. 仮退院中の少年の相談に応じることはできるが、退院した少年の相談に応じることはできない。
  5. 障害を有する在院者には、適当な帰住先の有無にかかわらず、出院後速やかに福祉サービスを受けられるよう特別調整を行う。
解答

触法少年について、正しいものを2 つ選べ。

  1. 触法少年は、少年院に送致されることはない。
  2. 触法少年に対する審判結果は、被害者には通知されない。
  3. 触法少年とは、14 歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年をいう。
  4. 触法少年は、警察官による事件の調査に関し、いつでも弁護士である付添人を選任することができる。
  5. 児童相談所は、警察から送致を受けた触法少年の事件については、家庭裁判所に送致しなければならない。
解答
③、④

第4回公認心理師試験に出題

少年法について、正しいものを1つ選べ。

  1. 少年とは18歳に満たない者をいう。
  2. 少年の刑事処分については、規定されていない。
  3. 14歳に満たない者は、審判の対象とはならない。
  4. 審判に付すべき少年とは、刑罰法令に触れる行為を行った者に限定されている。
  5. 少年事件は、犯罪の嫌疑があるものと思料されるときは、全て家庭裁判所に送致される。
解答

平成28年度臨床心理士資格試験に出題

13歳の中学生に夜教師への暴力事件に関する次の記述の正しいものの組み合わせを選ぶ問題。

  • A.13歳で刑罰法令に触れる行為をした子どもに対しては、刑事責任能力(有責性)を問うことができない。◯
  • B.学校内で起こった教師への暴力事件は、教師や学校臨床心理士(スクールカウンセラー )が中心となって、学校内で解決することが望ましく、警察の関与は避けるべきである。×
  • C.13歳の少年による事案であっても、その非行性や要保護性いかんによっては、少年院への装置があり得る。◯
  • D.今後、家庭裁判所が関与した場合、中学校には、この少年の生活行動状況や成績などに関する情報提供が求められる。◯

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