コンピテンシー

コンピテンシーとは

職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性で、心理職のコンピテンシーは、基盤コンピテンシーが7つ、機能コンピテンシーが7つ、職業的発達という3軸から構成されている。

基盤コンピテンシー

E. Rodolfaらが提唱した心理職の基盤コンピテンシーは、以下の7項目。

  1. 専門家としての姿勢:心理職の価値観と倫理に基づく言動
  2. 反省的実践:自己の言動を振り返り、他者に対する自己の影響の認識や、自らを評価する
  3. 科学的知識と方法:科学的な研究から得られた知識を尊重し、効果的に応用する
  4. 関係形成:個人やグループ、共同体と効果的に意味のあるやり方で関係を作る
  5. 文化的ダイバーシティ:様々な価値、文化的背景などをもつ個人、集団に対する敏感さと配慮
  6. 他職種協働:他の専門家と効果的に協働作業ができる
  7. 倫理・法的基準と政策:倫理的概念や法に関する知識を個人や集団に対して適用できる

機能コンピテンシー

機能コンピテンシーとは専門的な技能のこと。

  1. 心理的アセスメント:客観的な心理アセスメントと解釈、手法の理解と活用
  2. 介入:クライエントの特徴にあった介入計画、知識とスキル、成果の評価
  3. スーパービジョン・教育:専門的知識やスキルの教授を受ける
  4. 研究と評価:研究とその方法への理解、知見の効果的な活用
  5. 管理・運営:メンタルヘルスサービス、事業の管理と組織運営への関わり
  6. コンサルテーション:リファー元に対する専門家としての助言や支援
  7. アドボカシー:権利・利益を擁護し代弁することで社会、政治、経済、文化的に影響を与え、個人、集団、システムの変化を促進

職業的発達

職業的発達とは、訓練や実践の水準を示すもの。

・博士課程教育
・博士課程の研修
・博士課程後のスーパービジョン
・就職後の研修
・継続的なコンピテンシー

第5回公認心理師試験に出題

E. Rodolfaらの提唱する心理職の基盤的コンピテンシーに該当するものを2 つ選べ。

  1. 介入
  2. 関係形成
  3. 反省的実践
  4. コンサルテーション
  5. 心理的アセスメント
解答
②、③

第4回公認心理師試験に出題

公認心理師の基本的なコンピテンシーについて、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 科学的な知見を参考にしつつも、直感を優先して判断する。
  2. 要支援者への関わり方や対応の在り方を自ら振り返って検討する。
  3. 普遍的な視点に立ち、文化的背景を考慮せず、要支援者を同様に扱う。
  4. 専門職としての知識と技術をもとに、最低限の実践ができるようになってから職業倫理を学ぶ。
解答

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