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問131 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援について、 適切なものを2つ選べ。
- 本人の意思決定をプロセスとして支援するものである。
- 本人の意思を支援者の視点で評価し、支援すべきと判断した場合に行う。
- 本人が最初に示した意思を尊重し、その実現を支援することが求められる。
- 意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。
- 社会資源の利用で本人と家族の意思が対立した場合には、家族の意思決定を優先する。
厚生労働省から出ている、認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドラインからの出題。
- 本人の意思決定をプロセスとして支援するものである
Ⅱ基本的考え方の中に明記されている。
○本ガイドラインでいう意思決定支援とは、認知症の人の意思決定をプロセスとして支援 するもので、通常、そのプロセスは、本人が意思を形成することの支援と、本人が意思 を表明することの支援を中心とし、本人が意
思を実現するための支援を含む。このため正しい。 - 本人の意思を支援者の視点で評価し、支援すべきと判断した場合に行う。
III 認知症の人の特性を踏まえた意思決定支援の基本原則の中に明記されている。
○ 意思決定支援は、本人の意思(意向・選好あるいは好み)(脚注vi)の内容を支援者の視点で評価し、支援すべきだと判断した場合にだけ支援するのではなく、まずは、本人の表明した意思・選好、あるいは、
その確認が難しい場合には推定意思・選好(脚注vii) を確認し、それを尊重することから始まる。このため間違い。 - 本人が最初に示した意思を尊重し、その実現を支援することが求められる。
IV 意思決定支援のプロセス→2適切な意思決定プロセスの確保→(2) 本人が意思を表明することの支援(意思表明支援)に明記されている。
○ 本人の示した意思は、時間の経過や本人が置かれた状況等によって変わり得るので、最初に示された意思に縛られることなく、適宜その意思を確認することが必要である。このため間違い。 - 意思決定支援を行う上で、本人をよく知る家族も意思決定支援者の立場で参加する。IV 意思決定支援のプロセス→3 意思決定支援プロセスにおける家族→(1) 家族も本人の意思決定支援者であることに明記されている。
○ 同居しているかどうかを問わず、本人の意思決定支援をする上で、本人を良く知る家族 は本人を理解するために欠かすことはできない。したがって、本人をよく知る家族が意 思決定支援チームの一員となっていただくことが望ましい。このため正しい。 - 社会資源の利用で本人と家族の意思が対立した場合には、家族の意思決定を優先する。IV 意思決定支援のプロセス→3 意思決定支援プロセスにおける家族→(1) 家族も本人の意思決定支援者であることに明記されている。
○ 一方で、家族は、本人の意思に向き合いながら、どうしたらよいか悩んだり、場合によっては、その本人の意思と家族の意思が対立する場合もある。こうした場合、意思決定支援者(この場合は、主として専門職種や行政職員等)は、その家族としての悩みや対立の理由・原因を確認した上で、提供可能な社会資源等について調査検討し、そのような資源を提供しても、本人の意思を尊重することができないかを検討する。k
132 軽度認知障害[mild cognitive impairmen〈MCI〉]に関する説明として、適切なものを2つ選べ。
- 不可逆的な状態である。
- 日常生活動作は低下している。
- 記憶障害は診断の必須要件である。
- 認知機能評価には MoCA-J が有用である。
- DSM- 5 では、神経認知障害群に含まれる。
認知症を参照。
問133 2006年(平成18年)に改正された教育基本法で、新たに規定された事項として、正しいものを2つ選べ。
- 社会教育
- 政治教育
- 教育の機会均等
- 生涯学習の理念
- 学校、家庭及び地域住民等の相互の連携教育
改正前後の教育基本法の比較(PDF:172KB)を見るとわかりやすい。
(生涯学習の理念)
第三条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習するこ とができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が 図られなければならない。
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自 覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
問134 刑事施設において、受刑者に対して行われる特別改善指導に該当するものを2つ選べ。
- 家族関係指導
- 行動適正化指導
- 薬物依存離脱指導
- 自己改善目標達成指導
- 被害者の視点を取り入れた教育
刑事施設を参照。
問135 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉に基づいて事業主が行うべき雇用環境の整備として、適切なものを2つ選べ。
- 事業主が、女性労働者の婚姻、妊娠又は出産を退職理由として予め定めておくこと
- 労働者の採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
- 男女労働者間に生じている格差解消を目的として、女性労働者のみを対象とした取扱いや特別な措置をすること
- 事業主が女性労働者を深夜業に従事させる場合、通勤及び業務の遂行の際に男性労働者と同じ条件で措置を講ずること
- 事業主が労働者から性別を理由とした差別的な取扱いに関する苦情の申出を受けた際に、苦情処理機関に対し当該苦情の処理を委ねること
男女雇用機会均等法を参照。
問136 15歳の男子 A、中学3年生。A は、不登校状態のため友人と疎遠になり、話し相手は母親Bのみである。長年単身赴任をしている父親Cは、赴任先からたまに帰宅すると、Aの不登校について AとBを厳しく叱り、母子は口をそろえてCの無理解をなじる。高校進学を控えるAに対して、Cは全日制高校への進学を勧めるが、AとBは、Cと言い争った末に、通信制高校への出願を決めた。 家族システム論の観点から、Aとその家族関係を説明する心理学概念として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- 連合
- 自己分化
- 遊離家族
- 親役割代行
- 情緒的遮断
家族療法を参照。
問137 20歳の女性A、大学2年生。 1か月前から男性Bと交際している。AはBが誰か別の人物と一緒に食事をしたり、自分が知らないうちに出かけた話を聞いたりすると不安が高まり、Bの行動に疑念を抱くという。AはBの行動を常に確認しないと安心できず、Bがソーシャ ル・ネットワーキング・サービス〈SNS〉に投稿する内容を常に確認し、 Bの携帯端末の画面に表示される通知を頻繁にのぞき込んでしまう。そのことでAとBは言い争いをし、関係が悪化する状態が繰り返されている。A の状態として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- 感情の誤帰属
- 恋愛の色彩理論におけるアガペ型
- 愛の三角理論におけるコミットメント
- とらわれ型のアタッチメント・スタイル
- 同一性地位〈アイデンティティ・ステータス〉理論における早期
- 感情の誤帰属
物事の原因を誤って本来のものとはちがう原因に帰属させてしまうこと - 恋愛の色彩理論におけるアガペ型
エロス(美への愛)
ストルゲ(友愛的な愛)
ルダス(遊びの愛)
マニア(熱狂的な愛)あてハマるとすれば、これ。
アガペー(献身的な愛)
プラグマ(実利的な愛) - 愛の三角理論におけるコミットメント
相手と関係を持とうとする意識的な決断のこと - とらわれ型のアタッチメント・スタイル
アタッチメント・スタイルを参照。 - 同一性地位〈アイデンティティ・ステータス〉理論における早期
自己と十分に向き合えていない。
問138 7歳の女児 A、小学1年生。両親による身体的虐待やネグレクトにより4歳から児童養護施設で生活している。A は、学業成績に問題はなく、質問への返答も的確である。その一方で、施設入所以来、笑うことがなく、苦痛や不平を一切訴えることがない。また、他人と交流せず孤立しており、A はそれを苦痛に感じていないようであった。ある日、A が学校で継続的ないじめを受けていることが発覚した。加害児童は、「A は話しかけても無視するし、全然笑ってくれない」と話した。 施設の担当職員に対しては入所時よりも若干柔らかい表情を示すようになってきている。DSM- 5の診断基準から考えられるA の病態として、最も適切なものを1つ選べ。
- 脱抑制型対人交流障害
- 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉
- 反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害
- 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害〈ASD〉
- 小児期発症流暢症(吃音)/小児期発症流暢障害(吃音)
問139 23 歳の女性 A、会社員。高校時代にわいせつ行為の被害に遭っ た。大学卒業後、会社員となったが、今年の社員旅行の際に、仕事の関係者から性行為を強要されそうになり、何とかその場から逃げ出したものの、帰宅後に強い心身の不調を自覚した。その後3か月経っても症状が改善しないため、精神科受診に至った。同じような悪夢を繰り返し見ることが続き、よく眠れない。「このような被害に遭うのは、私が悪い」、「自分は駄目な人間だ」と話す。A の状態像を把握することを目的に、公認心理師が行う可能性のある心理的アセスメントとして、最も適切なものを 1 つ選べ。
- CAPS
- DN-CAS 認知評価システム
- JDDST-R
- KABC-II
- TEG
問140 公認心理師 A。台風の被害が出たため、災害派遣チームの一員として避難所を訪れ、心理教育を目的に講習会を開くことになった。A は、被災によるストレスについて講義をした後、一部の参加者が残って自発的な話し合いをもった。ある人が、「洪水で流された家があるが、 自分の家は浸水もしなかった。申し訳ない」と涙ながらに語った。別の人は、「自分の家は浸水したが、家族は無事だった。家族に不明者がいるという話を聞くたびに、自分も罪の意識を感じる」と語った。二人の発言を、皆はうなずきながら聞いていた。 ここで生じているコミュニケーションについて、I. D. Yalomの集団療法の概念として、適切なものを 1 つ選べ。
- 普遍性
- 愛他主義
- カタルシス
- 情報の伝達
- 希望をもたらすこと
I. D. Yalomの集団療法を参照。
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