風に立つライオン

今、僕は、臨床心理士という仕事をしていて、人の心に関わることをやらせてもらっています。

 

この道を選ぶきっかけになった出来事は、いくつかあるのですが、今日は、そのうちの一つを書きたいと思います。

 

今から、10年前くらいに、大学生だった僕は、就職活動をしていました。

 

小さい時は、そこそこ貧乏だったこともあってか、早く自立したいという思いがとても強かったです。

就職する以外の選択肢は、自分の中にありませんでした。

しかし、ある一つの会社との出会いが、その後の進路を180度かえることになりました。

その会社の四次選考で、3つの映像を観て、どの映像に一番共感したかを応えるという課題がありました。

 

一つが学校へ行こうの青春の叫び

二つ目がオリンピックのマラソンのゴールシーン

最後がさだまさしの風に立つライオンの歌唱

 

その時に、はじめてさだまさしの風に立つライオンの歌詞を知って、

とても、共感したのを覚えてます。
自分もこんな人生を生きたい。

 

その頃、自分はとても若く、スーツもリクルートスーツではなく、オシャレなスーツを着て、面接に行き、髪の毛も茶色だったと思います。

そして、その会社の強すぎる理念や、事業内容にやや不安を感じていた自分は、役員に向かって、

「自分は、こんな仕事をしてると胸を張って言えますか」と聞いたりして、とても失礼な人間でした。

 

しかし、その会社と役員の方には、そのバカ者を許容する懐の広さがあり、

最終面接まで、すすめてもらえることになりました。

 

本当ならば、最終面接で終わりのはずが、社長に一対一で会いたいと言われ、後日、社長面接にいきました。

 

その社長に言われた一言が、
自分の人生をかえる一言になりました。

 

「おまえは、基本的な礼儀が全然なってない。それをなおせないのは、おまえが傷ついてるからや」

 

今だから、わかりますが、

人に対して、傷ついてるね

と言えることは、本当に凄いことだと思います。

 

その言葉と向き合った先に、この仕事がありました。

人生は、人によって開かれる

 

まずは、自分で立つ

次に、人や社会の役に立つ

そして、次は、風に立つ

 

大きな力には、必ず反発するような大きな風が吹くのだと思います。

磁石と一緒ですね。

流れに逆らうこと、役に立つのではなく、本当に大事なことを守ること

 

 

風に立つライオン

さだまさし作詞

突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう

ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ヶ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です

三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ

この偉大な自然の中で病いと向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね

去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます 去年は僕でした
闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム
南十字星 満天の星 そして天の川

診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福を
心から遠くから いつも祈っています

おめでとう さようなら

 

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