質的研究
主に観察法や面接法を用いて、記述的なデータを収集し、言語的・概念的な分析を行う研究法
内的妥当性を高めるため方法
- トライアンギュレーション(triangulation):分析結果を複数の方法で検討すること
- メンバーチェック:データ提供者にその分析結果が現実的に妥当なものかをたずねる
- 長期観察、複数観察
- 調査者の内省:調査者の考えや世界観、価値観(バイアス)をで明確にしておく
etc
量的研究
主に実験法や調査法を用いて数量的なデータを収集し、統計手法を用いて変数間の関係を明らかにする研究法
質的研究と量的研究の比較
質的研究 | 量的研究 | |
目的 | データそのものを分析・解釈していく研究法 | 複数のサンプルからデータを収集し、事象を数量化し、統計的に分析する研究法 |
特徴 | ・プロセス重視 ・物事が起こる文脈を重視する ・データに忠実な態度を維持する ・自然的 |
・結果重視 ・現象や反応を数量化してデータとする。 ・結果から得られるデータを分析して、統計的検証 ・人工的・実験的 |
データ収集、分析 | ・フィールドワーク ・半構造化あるいは非構造化面接 ・フォーカスグループインタビュー ・グラウンデッド・セオリー・アプローチ ・PAC分析 ・エスノグラフィー ・複線径路・等至性アプローチ |
・質問紙 ・無作為対象抽出 ・構造化面接 ・統計的検定/統計分析 ・主成分分析 ・PAC分析 |
長所 | ・少数事例に対応できる ・数値化困難な対象を明らかにすることが可能 ・理解度が深い |
・客観的な解釈がしやすい ・信頼性が高い ・外的妥当性 ・サンプル数が多い(多くとれる) |
短所 | ・研究者の主観が入りやすい ・客観性に乏しい ・サンプル数が少ない |
・数値化できないものに対応できない ・少数事例に対応できない ・理解度が浅い |
PAC(Personal Attitude Construct)分析
Personal Attitude Construct=個人別態度構造。あるテーマについて個人がもつイメージや態度のこと。被験者本人にも言語化しづらい内的世界について,質的(自由連想と対話)および量的(クラスター分析)に分析することができる。
エスノグラフィー
ある民族の生活に入り込み、長期間にわたって彼らの生活スタイルを観察、対話、文化や行動様式の詳細を記録していくアプローチ。
複線径路・等至性アプローチ(TEA:Trajectory Equifinality Approach)
人間の成長を時間的変化と文化社会的文脈との関係の中で捉え,記述するためのアプローチ。
グラウンデッド・セオリー・アプローチ
データを文章化し、その文章を細かく分断した内容に、具体的なラベル(あるいはコードの数字)を付けて、それをさらにグループ化・カテゴリー化し、客観的に現象を表現し相関関係を調べるアプローチ。
第5回公認心理師試験に出題
質的研究と関わりが深い研究方法や分析方法として、不適切なものを 1 つ選べ。
- PAC 分析
- 主成分分析
- エスノグラフィー
- 複線径路・等至性アプローチ
- グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答
②
質的研究における、分析結果の解釈の妥当性を高める方法として、 最も適切なものを 1 つ選べ。
- インタビュー
- コーディング
- メンバー・チェック
- アクション・リサーチ
- グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答
③
第4回公認心理師試験に出題
心理療法における効果検証に用いられる方法として、最も適切なものを1つ選べ。
- 主成分分析
- クラスター分析
- ランダム化比較試験
- コレスポンデンス分析
- 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
解答
③
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