月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)

月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)とは

月経が始まる1〜2週間前ごろから心身が不安定で、つらい状態を月経前症候群(PMS)という。さらに、心の不安定さが際立って強く出てしまう場合は月経前不快気分障害(PMDD)と診断される。PMSより、不調の重症度や症状の多さが違う。

PMDDは以下の4つが主症状

  • 抑うつ気分
  • 不安・緊張
  • 情緒不安定
  • 怒り・イライラ

DSM-5の診断基準

DSM-5では、PMDDは、抑うつ障害群に含まれる。

抑うつ障害群

  • Disruptive Mood Dysregulation Disorder 重篤気分調節症
  • Temper outbursts かんしゃく発作
  • Major Depressive Disorder うつ病(DSM‒5)/大うつ病性障害
  • Persistent Depressive Disorder(Dysthymia) 持続性抑うつ障害(気分変調症)
  • Premenstrual Dysphoric Disorder 月経前不快気分障害 
  • Substance/Medication‒Induced Depressive Disorder 物質・医薬品誘発性抑うつ障害
  • Depressive Disorder Due to Another Medical Condition 他の医学的疾患による抑うつ障害
  • Other Specified Depressive Disorder 他の特定される抑うつ障害
  • Unspecified Depressive Disorder 特定不能の抑うつ障害
A ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に少なくとも5つの症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経修了後の週には最小限になるか消失する。
B 以下の症状のうち、1つまたはそれ以上が存在する。
(1)著しい感情の不安定性(例:気分変動;突然悲しくなる、または涙もろくなる、または拒絶に対する敏感さの亢進)
(2)著しいいらだたしさ、怒り、または対人関係の摩擦の増加
(3)著しい抑うつ気分、絶望感、または自己批判的思考
(4)著しい不安、緊張、および/または“高ぶっている”とか“いらだっている”という感覚
C さらに、以下の症状のうち1つ(またはそれ以上)が存在し、上記基準Bの症状と合わせると、症状は5つ以上になる。
(1)通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退
(2)集中困難の自覚
(3)倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
(4)食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望
(5)過眠または不眠
(6)圧倒される、または制御不能という感じ
(7)他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または膨脹、関節痛または筋肉痛、“膨らんでいる”感覚、体重増加
D 症状は、臨床的に意味のある苦痛をもたらしたり、仕事、学校、通常の社会活動または他者との関係を妨げたりする(例:社会活動の回避;仕事、学校、または家庭における生産性や能率の低下)。
E この障害は、他の障害、例えばうつ病、パニック症、持続性抑うつ障害(気分変調症)、またはパーソナリティ障害の単なる症状の増悪ではない(これらの障害はいずれも併存する可能性はあるが)。
F 基準Aは、2回以上の症状周期にわたり、前方視的に行われる毎日の評価により確認される(注:診断は、この確認に先立ち、暫定的に下されてもよい)。

注:基準A~Cの症状は、先行する1年間のほとんどの月経周期で満たされていなければならない。

出典:DSMー5

 

第5回公認心理師試験に出題

DSM- 5 の月経前不快気分障害が含まれる症群又は障害群を 1 つ選べ。

  1. 抑うつ障害群
  2. 不安症群/不安障害群
  3. 身体症状症および関連症群
  4. 双極性障害および関連障害群
  5. 心的外傷およびストレス因関連障害群
解答

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