関与しながらの観察とは
カウンセリングや研究等の臨床実践において、カウンセラーや研究者はクライエントや実験対象者に少なくとも影響を与えているということを意識しなければならないとした臨床的態度のこと。
第5回公認心理師試験に出題
H. S. Sullivan の関与しながらの観察の説明として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- 支援者と要支援者双方の相互作用の中で共有される治療構造のことである。
- 要支援者との関わりにおいて生じる、共感不全に注目した観察を基本とする。
- 支援者は、要支援者との関係で生じる事態に巻き込まれざるを得ないという認識を前提とする。
- 支援者が要支援者に対し、問題行動を修正する介入を行い、その効果 を観察し分析することである。
- 投影同一化によって要支援者から投げ込まれたものとして、支援者が 自己の逆転移を観察することである。
解答
③
第4回公認心理師試験に出題
H.S.Sullivanの「関与しながらの観察」を深めていくために必要なことについて、最も適切なものを1つ選べ。
- 自分の中立的な立ち位置が揺れ動かないよう努めること
- 自分のその場での言動と関係付けてクライエントの反応を捉えること
- 自分の主観に現われてくるくるイメージをもとにしてクライエント理解を進めること
- 観察の精度を高める道具として、標準化された検査の導入を積極的に進めること
- これまでのやりとりの流れから切り離して、今ここのクライエントの感情を理解すること
解答
②
第2回公認心理師試験に出題
治療者自身が相互作用に影響を与えることを含め、治療者とクライエントの間で起きていることに十分注意を払うことを何というか、最も適切なものを1つ選べ。
- 自己開示の活用
- 治療同盟の確立
- 応用行動分析の適用
- 関与しながらの観察
- 自動思考への気づき
解答
④
- カウンセラーにおける容姿、声といったような、クライエントへ影響を与える可能性がある情報を自己開示として把握するとともに、治療過程への影響について検討すること。
- 情緒的な絆、カウンセリングの目的への同意といった、クライエントとカウンセラーとの間における協働関係。
- 問題行動の生起に関する先行刺激、反応、結果と関係性について検討するとともに、問題行動を修正するように関係性の変容を促すこと
- ○
- 不合理であっても自動的に浮かび上がる思考の存在について検討すること。
第1回公認心理師試験(追加試験)に出題
「関与しながらの観察」について、最も適切なものを1つ選べ。
- 関与も観察もともに観察者だけが行うことである。
- H. S. Sullivan が提唱した実験的観察法に関する概念である。
- 関与と観察は不可分のものであるため、観察者は中立的に参加しながら観察を行う。
- 観察者は現象に人為的な操作を加え、条件を統制したり関与したりしながら観察を行う。
- 観察者は自身が1つの道具としての性質を持っており、自らの存在の影響を排除できない。
解答
⑤
- 参与観察では、観察者による関与だけでなく、フィールドの成員同士の関わりについても対象とする。
- 実験的観察法ではなく、参与観察法に関する概念である。
- 参与観察では、観察者もフィールドを構成する一であると捉える。
- 参与観察法ではなく、実験観察法の手法である。
- ○
第1回公認心理師試験に出題
H.S.Sullivanによる「関与しながらの観察」という概念について、最も適切なものを1つ選べ。
- 治療面接では、感情に流されず客観性及び中立性を維持することが重要である。
- 他者の行動を理解するには、面接に参加している自己を道具として利用する必要がある。
- 面接外のクライエントの行動に関する情報も、面接中に得られる情報と同様に重要である。
- クライエントとのコミュニケーションを正しく理解するためには、現象のみに目を向けるべきである。
解答
②
関与しながらの観察は、所謂参与観察のことである。参与観察では、客観的に観察するだけでなく、自らがフィールドワークの現地に入り、その生活をともに過ごしながら観察していく方法。
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