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BDI-IIベック抑うつ質問票
DSM-IVの診断基準に基づく、抑うつ症状の有無とその程度の指標として開発された、自記式質問調査票。
適用範囲
13歳〜80歳
所要時間
5分〜10分
質問項目と評価
過去2週間の状態についての21項目の質問によって、抑うつ症状の重症度を短時間で評価する。
1 | 0憂うつではない |
1憂うつである | |
2いつも憂うつから逃れることができない | |
3耐えがたいほど、憂うつで不幸である | |
2 | 0将来について悲観してはいない |
1将来について悲観している | |
2将来に希望がない | |
3将来に何の希望もなく、良くなる可能性もない | |
3 | 0それほど失敗するようには感じない |
1普通より、よく失敗するように思う | |
2過去のことをふりかえれば、失敗のことばかり思い出す | |
3人間として全く失敗だと思う | |
4 | 0以前と同じように満足している |
1以前のようにものごとが楽しめなくなった | |
2もう本当の意味で満足することなどできない | |
3何もかもうんざりする | |
5 | 0罪の意識など感じない |
1ときどき罪の意識を感じる | |
2ほとんどいつも罪の意識を感じる | |
3いつも罪の意識を感じる | |
6 | 0罰を受けるとは思わない |
1罰を受けるかもしれない | |
2罰を受けると思う | |
3今、罰を受けていると思う | |
7 | 0自分自身に失望してはいない |
1自分自身に失望している | |
2自分自身にうんざりする | |
3自分自身を憎む | |
8 | 0他の人より自分が劣っているとは思わない |
1自分の欠点やあやまちに対し批判的である | |
2自分の失敗に対していつも自らを責める | |
3何か悪いことが起こると、自分のせいだと自らを責める | |
9 | 0自殺しようと全く思わない |
1死にたいと思うことはあるが、自殺を実行しようとは思わない | |
2自殺したいと思う | |
3チャンスがあれば自殺するつもりである | |
10 | 0いつも以上に泣くことはない |
1以前よりも泣く | |
2いつも泣いてばかりいる | |
3以前は泣くことができたが、今はそうしたくても泣くこともできない | |
11 | 0イライラしていない |
1いつもより少しイライラしている | |
2しょっちゅうイライラしている | |
3現在はたえずイライラしている | |
12 | 0他の人に対する関心を失っていない |
1以前より他の人に対する関心がなくなった | |
2他の人に対する関心をほとんど失った | |
3他の人に対する関心を全く失った | |
13 | 0いつもと同じように決断することができる |
1以前より決断をのばす | |
2以前より決断がはるかに難しい | |
3もはや全く決断することができない | |
14 | 0以前より醜いとは思わない |
1老けて見えるのでないか、魅力がないのではないかと心配である | |
2もう自分には魅力がなくなったように感じる | |
3自分は醜いにちがいないと思う | |
15 | 0いつもどおりに働ける |
1何かやり始めるのにいつもより努力が必要である | |
2何をやるのにも大変な努力がいる | |
3何をすることもできない | |
16 | 0いつもどおりよく眠れる |
1いつもよりも眠れない | |
2いつもより 1 ~ 2 時間早く目が覚め、再び寝つくことが難しい | |
3いつもより数時間も早く目が覚め、再び寝つくことができない | |
17 | 0いつもより疲れた感じはしない |
1以前より疲れやすい | |
2ほとんど何をやるのにも疲れる | |
3疲れて何もできない | |
18 | 0いつもどおり食欲はある |
1いつもより食欲がない | |
2ほとんど食欲がない | |
3全く食欲がない | |
19 | 0最近それほどやせたということはない |
1最近 2 kg 以上やせた | |
2最近 4 kg 以上やせた | |
3最近 6 kg 以上やせた | |
20 | 0自分の健康のことをいつも以上に心配することはない |
1どこかが痛いとか、胃が悪いとか、便秘など自分の身体の調子を気遣う | |
2自分の身体の具合のことばかり心配し、他のことがあまり考えられない | |
3自分の身体の具合のことばかり心配し、他のことを全く考えられない | |
21 | 0性欲はいつもとかわりない |
1以前と比べて性欲がない | |
2性欲がほとんどない | |
3性欲が全くない |
点数 | |
0 ~ 10 | 正常範囲 |
11 ~ 16 | 軽いうつ状態 |
17 ~ 20 | 臨床的な意味でのうつ状態との境界。専門家の治療が必要 |
21 ~ 30 | 中程度のうつ状態。専門家の治療が必要 |
31 ~ 40 | 重いうつ状態。専門家の治療が必要 |
40 以上 | 極度のうつ状態。専門家の治療が必要 |
第5回公認心理師試験に出題
BDI-IIの説明として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- うつ病の診断に単独で用いる。
- 最近 1 か月の状態を評価する。
- 体重減少を問う評価項目がある。
- 睡眠時間の増加を問う評価項目がある。
解答
④
第3回公認心理師試験に出題
問73 25歳の男性A、会社員。Aは上司Bと共に社内の相談室に来室した。入社2年目であるが、なかなか仕事を覚えられず、計画的に進めることも苦手で、Bから繰り返し助言されているという。Bによれば、同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まりごとに気づかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられているという。会社以外での対人関係で困ることはない。この1か月は早朝覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休んだ。BDI-Ⅱの得点は42点、AQ-Jの得点は35点であり、Y-BOCSの症状評価リストは1項目が該当した。Aに関する見立てとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 軽度抑うつ状態
- 強迫症/強迫性障害
- 社交不安症/社交不安障害
- 自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害(ASD)
解答
④