場面緘黙症
言語や知能の遅れは見られないが、特定の場所や状況で、話せなくなることをいう。家庭では、問題なく話せるが、学校などで話せない場合が多い。幼児期に発症するケースが多い。人見知りや恥ずかしがり屋との違いは、症状が強く、何年たっても自然には症状が改善せずに長く続く場合がある。効果的な教育的介入によって、1,2年で改善する場合がある。場面緘黙症の子どもの多くは、先天的に不安になりがちな傾向がある。
DSM-Ⅳ
- 他の状況では話すことができるにも関わらず、ある特定の状況(例えば学校のように、話すことが求められる状況)では、一貫して話すことができない。
- この疾患によって、学業上、職業上の成績、または社会的な交流の機会を持つことを、著しく阻害されている。
- このような状態が、少なくとも1カ月以上続いている。(これは、学校での最初の1ヶ月間に限定されない)
- 話すことができないのは、その社会的状況において必要とされている話し言葉を知らなかったり、また、うまく話せない、という理由からではない。
- コミュニケーション障害(例えば、吃音症)では説明がつかず、また、広汎性発達障害、統合失調症またはその他の精神病性障害の経過中以外に起こるものである。
治療
必ずしも、自然に改善されていくわけではないため、低年齢のうちに治療を受ける必要がある。そのままにしておくと、周囲が、その子を話さないと決めつけ、場面緘黙が強化される。誰も、その子のことを知らないところに移すと効果的な場合もある。
行動療法
行動分析では、場面緘黙は学習された行動と考える。不安を回避し、特定の場面で話さないという行動を取り続けると、その行動パターンが強化される。エクスポージャー、系統的脱感作法、シェイピング法、トークンエコノミー法など。
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