第2回公認心理師試験過去問題71〜80

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※詳しい説明は、随時更新していきます。

問71 79歳の男性A。3人の子どもが独立した後、Aは妻と二人暮らしだったが、1年前にその妻に先立たれた。妻の死後しばらくは、なぜ丈夫だった妻が自分よりも早く死んだのかという思いが強く、怒りのような感情を覚えることが多かったが、最近はむしろ抑うつ感情が目立つようになってきている。近くに住む娘に、20歳から30歳代だった頃の話を突然し始めたり、その一方で「自分のこれまでの人生は無駄だった、もう生きていてもしょうがない」というような発言が増えてきたりしている。また、本人は自覚していないが、既にやり終えたことを忘れてしまうことも少しずつ生じてきている。Aの心理状態の説明として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 絶望
  2. 認知機能の低下
  3. レミニセンスバンプ
  4. 補償を伴う選択的最適化
  5. 妻の死の受容過程の初期段階
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問72 14歳の女子A、中学2年生。Aは母子家庭で育ったが、小学校6年生のときに実母が再婚し、現在は継父を含めた3人家族である。ある日、Aの顔色が悪いため、友人がAを保健室に連れて行った。養護教諭がAから話を聞いたところ、Aは「あの人(継父)が夜中に部屋に入ってきて身体を触り、抱きついてくるから、家に帰りたくない」と語った。同時に「他の先生や親には絶対に言わないでほしい」と訴えた。養護教諭は重大な問題であるとAを諭し、教頭と校長に伝え、学校から児童相談所に通告をした。すぐに児童福祉司が学校でAと面談し、虐待の可能性が強いと判断し、Aを一時保護した。現時点での児童相談所の対応として、適切でないものを1つ選べ。

  1. Aの了解を得て、産婦人科医の診察を受けてもらう。
  2. 児童福祉司が、継父の性的虐待を処罰するために告訴することを勧める。
  3. 児童心理司による面接や一時保護所での行動観察を通して、被害の影響について調査、評価を行う。
  4. 司法面接で用いられる面接技法のトレーニングを受けた職員が被害状況を確認するための面接を行う。
  5. 児童福祉司が両親に対して、一時保護の理由、これからの見通し、保護者に不服審査請求の権利があることなどについて説明する。
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問73 8歳の男児A、小学2年生。入学当初から落ち着きがなく、授業中に立ち歩く、ちょっとしたことで怒りだすなどの行動があった。2年生にナルトこのようなことが多くなり、教室から飛び出し、それを止めようとした担任教師に向かって物を投げるなどの行動が出てきた。Aの行動を理解するためのスクールカウンセラーの初期対応として、不適切なものを1つ選べ。

  1. Aの作文や絵を見る。
  2. Aの知能検査を実施する。
  3. 1年次の担任教師からAのことを聞く。
  4. 担任教師や友人のAへの関わりを観察する。
  5. Aの家庭での様子を聞くために、保護者との面接を担任教師に提案する。
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問74 35歳の男性A、営業職。時間外・休日労働が社内規定の月60時間を超え、疲労感があるとのことで、上司は公認心理師にAとの面接を依頼した。最近3か月の時間外・休日労働の平均は64時間であった。疲労蓄積度自己診断チェックリストでは、中等度の蓄積が認められた。この1か月、全身倦怠感が強く、布団から出るのもおっくうになった。朝起きたときに十分に休めた感じがなく、営業先に向かう運転中にたまに眠気を感じることがあるという。公認心理師の対応として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 生活習慣の把握を行う。
  2. うつ病などの可能性の評価を行う。
  3. Aに運転業務を止めるように指示する。
  4. Aの医学的評価を求めるように事業主に助言する。
  5. 仕事の負担度、仕事のコントロール度及び職場の支援度を把握する。
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問75 23歳の男性A、大学4年生。Aが学生相談室に来室した。昨年度末で卒業の予定であったが、必修科目の単位が取得できず留年した。その必修科目については1年次から何度も履修を繰り返し、単位取得に向けて最大限の努力を続けてきたが、結果は全て不合格であった。今年度からは、留年した学生のための特別な学習指導を新たに受けられるようになった。それにもかかわらず、努力をしても無駄だと感じて意欲を喪失し、欠席が続いている。現在のAについての説明として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 自尊感情が過度に低い。
  2. テスト不安が過度に高い。
  3. 学習性無力感に陥っている。
  4. ソーシャルスキルが不十分である。
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問76 58歳の女性A。1年前に会社の健康診断で軽度の肥満と高血糖を指摘されたが、そのままにしていた。最近、家族に促されて総合病院の糖尿病内科を受診したが、自ら治療に取り組んでいくことに前向きになれない様子であった。そのため、多職種からなる治療チームで対応を検討することになり、そのメンバーである公認心理師にAに対する心理的支援が依頼された。Aに対する心理的支援を様々な職種と連携しながら進める上で、適切なものを2つ選べ

  1. 心理面接でAから得た情報は、他職種から得た情報よりも常に重要である。
  2. 治療初期の心理的支援の主な目的は、服薬アドヒアランスを高めることである。
  3. 生物社会モデルに基づき、Aの心理面だけでなく身体面や社会面も理解する。
  4. Aのセルフモニタリングから得られた情報を他職種と共有しながら、食事や運動の行動変容を進める。
  5. 医師、看護師、管理栄養士など多くの職種の専門性を活かすために他職種の行なっていることに意見をしないようにする。
[toggle title=”解答”] ③、④

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問77 12歳の女児A。祖父Bと散歩中に自動車にはねられた。Bは全身を打撲し、救命救急センターの集中治療室で治療を受けているが、意識障害が持続している。Aは下肢骨折により整形外科病棟に入院した。入院後、Aは夜間あまり眠れず、夜驚がある。日中は、ぼんやりとした状態がみられたり、急に苛立ち、理由もなくかんしゃくを起こしたりする。両親が自宅から持ってきたAの好きなぬいぐるみを叩いたり、壁に打ち付けたりする。Aの行動の説明として、適切なものを2つ選べ。

  1. 素行障害
  2. 解離性障害
  3. 反応生アタッチメント障害
  4. トラウマティック・ボンティング
  5. ポストトラウマティック・プレイ
[toggle title=”解答”] ②、⑤

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問78 生物心理社会モデルについて、適切なものを1つ選べ。

  1. スプリチュアルを最も重視するモデルである。
  2. クライエントを包括的に理解する上で有用なモデルである。
  3. 医療技術の高度化を促進するために考案されたモデルである。
  4. 生物生態学的モデルへの批判を背景に生まれたモデルである。
  5. クライエントの健康や疾病に責任を持つのは医療従事者とみなすモデルである。
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問79 基本感情のうちの怒りについて、適切なものを1つ選べ。

  1. 敵意帰属バイアスは、怒りの喚起を抑制する。
  2. パラノイド認知の性格傾向のある人は怒りを生じにくい。
  3. 進化論の観点からは、怒りは自然淘汰上の有利さをもたらす。
  4. 怒りの表現に対する認知については、異文化間での共通性はない。
  5. タイプCパーソナリティの人は怒りを含むネガティブ感情を表出しやすい。
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問80 1要因分散分析の帰無仮説として、正しいものを1つ選べ。

  1. 全ての水準の母平均は等しい。
  2. 全ての水準間の母分散は等しい。
  3. 全ての水準の母平均は等しくない。
  4. 少なくとも1組の水準間の母平均は等しい。
  5. 少なくとも1組の水準間の母平均は等しくない。
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