いじめのある世界に生きる君たちへ

みなさんは、どういったものを「いじめ」としますか?

 

僕が小学生の時、下校中によくしていたゲームがあります。

じゃんけんで負けた人が、全員分(大体3〜5人)の

ランドセルを決めたところまで持つというもの。

流行ったなぁ。今でもやっている子どもはいると思います。

 

ある日、同じようにそのゲームをしていて

一人の友達が、5つのランドセルを運んでいる時のこと。

通りすがりのおばちゃんに

「自分で持ちなさい!!」と大声で、怒鳴られたことがあります

そのことが衝撃的すぎて、ランドセルゲーム(?笑)のことをよく覚えていました

当時は、こう思っていました

「なぜ、怒られたのだろうか…」

自分たちは、平等にじゃんけんで勝負し、負けた人がもつというルールのもと

このゲームを楽しんでいました

 

しかし、そのルールや関係性、流れを知らずに

周りから、その光景だけを切り取ってみた場合

それは、「いじめ」だと思われても仕方ないものでした

 

「いじめのある世界に生きる君たちへーいじめられっ子だった精神科医の贈る言葉ー」

で、その時の光景を再び思い出しました。

 

 

この本は、いじめの定義や性質を

小学校高学年から読めるように、つくられたものです。

ただ、小学生向けだからといって、中身が薄いというわけではなく、

大人も十分に、いじめについて学ぶことができるものです

 

本当に、少ない言葉で簡潔に、かつ説得力がある内容になっています。

目次

1、いじめは犯罪でないという幻想
2、いじめかどうかの見分け方
3、権力欲
4、孤立化
5、無力化
6、透明化
7、無理難題
8、安全の確保

 

いじめのかなりの部分は、学校の外で行われれば立派な犯罪

たとえば、街を歩いていて、

「金を出せ」と脅された場合

それは、いじめではなく、恐喝罪

 

たとえば、知らない人に

いきなり殴られた場合

それは、いじめではなく、傷害罪

 

そういった場合は、警察に連絡し、

場合によっては、訴えることもある

 

学校内や学校の人間関係の中で、これがおこなわれた場合

「いじめ」として扱われる場合が多い

 

その大きな違いは、「関係性の有無」にある

かつては、友人関係だったりすると尚更

「いじめのかなりの部分は、学校の外で行われれば立派な犯罪」

ということを大人側が、もっと意識していく必要がある

 

 

どこからがいじめ?

 

この本では、何がいじめとなるのかを明確に教えてくれている

それは、「立場の入れ替え」があるか。

鬼ごっこを例に、わかりやすく、対等とはどういうことかを説明してくれています。

ランドセルゲームでいうと(このゲームの良し悪しはともかく)

一人の子どもに、ずっとランドセルを持たせるように仕組んでいたりすると

立場の入れ替えがなく、「いじめ」となります。

子どもに、いじめとは何かを伝えるときに、立場の入れ替えがあるかどうか考えて、

もし、「ない」と思うなら、それがいじめとふざけ合いの基準だと教えてあげることができます。

子どもたちも、特に集団になると、「いじめ」なのか「冗談」「からかい」なのか

基準がわからなくなり、エスカレートしていくこともあります

基準はどこかを、常に意識させることは、大事ですね。

 

いじめはどのようにすすむか

 

いじめの段階を

孤立化、無力化、透明化

 

に分けて、書かれています。

言葉だけを見ても、その段階で何が起こるかは、大体わかります。

そもそも、いじめる対象の子が、どんな子なのかにもよりますが、

人気者だったら、孤立化からはじめるし、そうでなかった場合は、

もっと簡単にいじめのターゲットになりやすいのだと思います。

 

まずは、人(友達)を奪い、力を奪い、存在を奪う

学校だけでなく、どの人間関係にも言えることであるし、人の尊厳にも関わること

大体20分程度で読めるので、おすすめです

 

 

 

シェアお願いします

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください