高齢者の人格類型 スザンヌ・ライチャード(Suzanne Reichard)

 

適応タイプ

円熟型

日常生活において、衝動的でなく、むしろ思慮的、建設的に対処するタイプ。若いころから、仕事や役割に対して積極的に参加し、社会的にも家庭的にも満足した人間関係を体験している。また、このタイプの人はいろいろの趣味に強い興味と関心を持っており、高齢になっても何かの形でどこかの社会集団に所属している。自立した生活ができる人。

依存型(安楽椅子型)

依存型の人は老後は他人に依存した生活に甘んじ、安楽に暮そうとする。精神的にも物質的にも他からの援助を好む。このタイプの人は役割を果たしたり、責任を持つことをいやがる。また野心をあまり持たない人々で、他人に対して迷惑をかけることも少なく、比較的適応のよいタイプ。

自己防衛型(装甲型

このタイプの人には、年齢差別でもって、退職させられたと考える人が多い。このため、不安と苦悩に対する防衛機制が強く、本来、真面目で、過去の業績に対して強い自信を持っている。また、自己の目的追求と達成に必死になっている。このため、仕事をしない怠惰な生活は、身体的にも精神的にも道徳的にも、人間を衰退させはしないかと恐れている。また、このタイプの人は他からの援助や世話を受けることを極端に嫌う。

不適応タイプ

憤慨型(外罰型)

自己の不満や失敗を自己以外の者に向けて敵意をいだき、他を非難攻撃するタイプ。常に不安や苦悩におののきながら、失意のうちに悲観的な老後を送りやすい。社会的にも家庭的にも情緒不安定で、孤独にみちた晩年を過ごしやすい。

自責型(内罰型)

このタイプの人は内向的傾向が強くて、老後は自責的態度をとる人々。劣等感が強く、常に意気消沈して、淋しい生活をしがち。

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