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意識と意識障害
外から入ってくる刺激や内部から上がってくる刺激に気づく能力
- 24時間を通して変動し、睡眠、覚醒を繰り返している。
- 覚醒時でも小さな揺れが常に生じている。
これが障害されると意識障害となり物事を正しく理解することや、周囲の刺激に対する適切な反応ができなくなる
注意と注意障害
気づきの対象(意識している内容)を鮮明にする働き。
1つの対象に集中する働き
- 自分で注意を集めたり、高めたりすることができる。
- 意思と関係なく、対象が注意を自動的にひきつけ、意思がそれを抑制できないこともある。
これが障害されると注意障害となり、ぼんやりしていて、ミスが多くなり、注意散漫になる。
記憶と記憶障害
行動・認知能力の背景にある。経験が蓄積されるからこそ、新しいことを新しく受け止め、経験と比べながらそのことに対応することができる
- 意識がなければ記憶は形成されない。
- さまざまな種類と分類の方法がある。
これが障害されると記憶障害となり、同じことを何度も聞いたり、新しいことを覚えられなくなる。
知覚性認知能力と失認
自分の周りにあるものをとらえる力
これが障害されると、失認となり情報処理段階によって、さまざまな水準の障害がみられる。
例<視力の場合>
○形だけがわかりにくい。
○見えていて、形はわかるが、それが何という名前かがわからない。
○見えているのに、何に使うかわからない
○色がわからなくなる。
○知っている人の顔がみわけられない
視空間認知能力と半側空間無視・道順障害
空間の位置関係を理解する。
これが障害されると、半側空間無視、道順障害のなどの問題が生じ
○離れたところにあるものをとろうと手を伸ばしても失敗する。
○左側(または右側)にある人や物に気づかず、ぶつかったりする。
○食事のときに、左側(または右側)の品物だけ食べ残す。
○まわりの風景がわかり、今いる場所もわかるが、そこから目的地までの道順や方角がわからない。
行為能力と失行
人間の行動のなかで、単なる運動や動作ではなく、具体的な意図をもった行動
これが障害されると、失行となる
○道具をもてない
○今まで使っていた道具をつかえない。
○手袋をはめる、紙を裏返す、ボタンをかける行為がぎこちなくなる。
○服を脱いだり、着たりできない
○麻痺した側の手足がないかのようにふるまう
言語能力と失語
ことばを使う能力。話される言葉を聞いて理解する(理解)、相手に向って自分の思いを話す(発話)、相手の言葉をくりかえす(復唱)、ものの名前を思い出す(呼称、喚語)
これが障害されると失語となり
○ことばがスムーズに出てこない。
○相手の話がうまく理解できない。
○自分の気持ちをうまくことばで伝えられない。
○言い間違いをする
○書くことや読むことがむずかしい
○本人はなめらかに話しているつもりだが、周りは何を言っているか理解できない
遂行機能と遂行機能障害
目的をもった行動をするためや、日常の問題を計画的に解決するために必要な機能。
- ①目標の設定、②計画、③計画の実行、④効果的な行動
- より必要な情報の取捨選択に判断力が必要となる。
- 複数の目標や結末を想定した柔軟、計画的な思考。
これが障害されると、遂行機能障害となり、
○自分で計画が立てられない
○人の指示がないと何もできない
○行き当たりばったりの行動
社会的行動と社会的行動障害
社会的に適応した行動をとる。
これが障害されると、
○すぐ人を頼る。子どもっぽくなる。
○欲求のコントロールができず、金遣いが荒くなる、過食。
○感情のコントロールができず、すぐ怒る、感情を爆発させやすい。
○相手の立場や気持ちを思いやれないために、よい人間関係が作れない。
○ひとつのことにこだわり続け、他のことができない
第5回公認心理師試験に出題
高次脳機能障害における遂行機能障害の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
- 話題が定まらない。
- 自発的な行動に乏しい。
- 行動の計画を立てることができない。
- ささいなことに興奮し、怒鳴り声をあげる。
- 複数の作業に目配りをすることができない。
平成24年度介護福祉士国家試験に出題
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