インフォームド・コンセントとは
informedの意味は、知識のある・見聞の広いという意味で、consentは承諾する・同意するという意味。インフォームド・コンセント(informed consent)は知識のある上での合意を指す。特に医療行為において、患者がその家族が治療についての知識や方針について十分理解し、かつ医療者側も、患者や家族の意向を十分に把握した上で、皆で合意を得るプロセスのことをいう。
第5回公認心理師試験に出題
心理的な支援を行う際のインフォームド・コンセントの説明として、不適切なものを 1 つ選べ。
- リスクの説明を含む。
- 支援の経過に応じて常に行われる。
- 他の可能な支援方法の提示は控える。
- 文書だけではなく、口頭のみによる説明もある。
- クライエントだけではなく、代諾者に対しても行われる。
第4回公認心理師試験に出題
人を対象とした心理学研究の倫理に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
- 効率的に研究を進めるために、協力が得られやすい知人を研究対象にする。
- 自発性が保証された状況下で、対象者からインフォームド・コンセントを取得することが求められる。
- 研究計画の立案や研究費の獲得、研究の実行など、個人で複数の役割を担う多重関係は回避すべきである。
- 研究過程で収集した対象者の情報は、データのねつ造ではないことの証明して、研究終了後にすべてを公表する。
心理的アセスメントにおけるインフォームド・コンセントの説明として、不適切なものを1つ選べ。
- 被検査者が幼い場合には、保護者に情報提供する。
- 検査をいつでも途中でやめることができることを伝える。
- 検査がどのように心理的支援に活用されるかについて説明する。
- 心理的支援に否定的な影響が想定される場合、検査の性質の一部を伏せて実施する。
- 被検査者に説明する際には、被検査者が理解できるような言葉にかみ砕いて情報を伝える。
公認心理師が、クライエントに心理療法を行う場合、インフォームド・コンセントを取得する上で、最も適切なものを1つ選べ。
- 公認心理師が考える最善の方針に同意するように導く。
- 深刻なリスクについては頻度が低くても情報を開示する。
- 心理療法についての説明はクライエントにとって難解なため、最小限に留める。
- クライエントに対して不利益にならないように、心理療法を拒否したときの負の結果については強調して伝える。
第1回公認心理師試験に出題
13歳の男子A、中学生。中学校のスクールカウンセラーから紹介されてB大学の心理相談室を訪れた。スクールカウンセラーからの依頼状では、クラスでの対人関係の困難と学習面での問題について対処するために心理検査を実施してほしいという内容であった。ところが、Aは検査のために来たつもりはなく、「勉強が難しすぎる」、「クラスメイトが仲間に入れてくれない」、「秘密にしてくれるなら話したいことがある」と語った。
援助を開始するに当たって、インフォームド・コンセントの観点から最も適切な方針を1つ選べ。
- 保護者からの合意を得た上で適切な心理検査を実施する。
- いじめが疑われるため、Aには伝えず保護者や教員と連携をとる。
- 「ここでのお話は絶対に他の人には話さない」と伝えて話を聴いていく。
- スクールカウンセラーから依頼された検査が問題解決に役立つだろうと伝えた上で、まずはAが話したいことを聴いていく。
- スクールカウンセラーから依頼された検査をするか、自分が話したいことを相談するか、どちらがいいかAに選んでもらう。
インフォームド・コンセント(informed consent)は知識のある上での合意を指す。特に医療行為において、患者がその家族が治療についての知識や方針について十分理解し、かつ医療者側も、患者や家族の意向を十分に把握した上で、皆で合意を得るプロセスのことをいう。
この場面は大学の心理相談室であるため、医療行為ではないが、基本的な考え方は同じ。Aの合意は基本的に必要であり、その合意を得るためには、検査がどのようなもので、何に役立つのかを説明する必要がある。
・スクールカウンセラーからの依頼状では、クラスでの対人関係の困難と学習面での問題
・本人は、「勉強が難しすぎる」、「クラスメイトが仲間に入れてくれない」、「秘密にしてくれるなら話したいことがある」と語る。
どちらの意見も本人の支援を行う上で重要であるため、両方の意見が反映され、かつインフォームド・コンセントがなされている回答は、④のみである。
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