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開発的カウンセリング

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スクールカウンセリングとは

文部科学省のHPで、スクールカウンセリングを以下の3つにカテゴリ分けして説明している。

開発的カウンセリング
将来、児童生徒が自立して豊かな社会生活が送られるように、児童生徒の心身の発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育てるなどの人間教育活動を行う。全ての児童生徒を対象とし、教科学習や特別活動、総合的な学習など、学級、学校全体の教育活動を通して、児童生徒の成長を促進する。

予防的カウンセリング
児童生徒一人ひとりについて、性格、現在の状況、ストレス、悩み、問題などを把握し、問題が発生しそうな児童生徒に予防的に働きかけ、本人が主体的に自らの力で解決できるよう支援する活動を行う。

問題解決的カウンセリング
問題の発生は、開発的、予防的カウンセリングを行うことで低減されることになるが、人生を生きていく上では、様々な問題に直面する。このような問題については、カウンセリング的アプローチにより問題の解決や不適応状態からの回復を援助する。

文部科学省HPより

問題解決的カウンセリングは、いわゆる問題が生じている人に対して行われる一般的なカウンセリングと捉えることができ、わかりやすいが、開発的カウンセリングと予防的カウンセリングの線引きは難しいかもしれない。

石隈利紀「学校心理学」の、3段階の心理教育的援助サービスに当てはめるとわかりやすいかもしれない。

一次的援助(開発的カウンセリング)

対象はすべての子ども。問題の未然防止と早期発見ができる体制づくりのための取り組み。

子どもへの心理教育、保護者向けの講演、教職員研修などがこれにあてはまる。

二次的援助(予防的カウンセリング)

登校しぶり、学習意欲の低下、友人関係の不調等、危機に陥る危険性の大きい子どもの援助。問題が大きくなる前に、対応することが重要。早期発見、早期対応。

学校生活アンケート、QU、全員面接、教育相談、進路相談、健康調査、出欠調査などがこれにあてはまる。

三次的援助(問題解決的カウンセリング)

いじめや不登校、非行等で特別援助を必要とする子ども。個別にアセスメントをし、支援方針を立てていく。

児童生徒に対してのカウンセリング、プレイセラピー、家庭訪問、生徒指導、教員へのコンサルテーションなどがこれにあてはまる。

開発的カウンセリングとは

さらに、文部科学省HPでは、細かく開発的カウンセリングについて記載されている。

開発的カウンセリングは、児童生徒の心理的な発達を促進し、社会生活で必要なライフスキルを育て、困難な問題に対処する力やストレス耐性を高める活動である。活動の視点として、「人権教育」「ライフスキル教育」「キャリア教育」などがある。これらは、生涯にわたる発達課題達成の支援であり、全ての児童生徒が対象となる。教科学習や特別活動、総合的な学習などの学級、学校全体の教育活動を通して実施する。

以下に重要な部分だけ引用する。

人権教育

人権教育では、全ての国々のひとり一人が、人として生きる権利を平等に持っていること、個人は自らの人生を主体的に生きる自由があるが他人の権利を奪ってはならないこと、その為に話し合いが必要であり、その結果、お互いの権利を守るために約束、ルール、法律、憲法などが決められていることなどを理解させる。

ライフスキル教育

WHO(世界保健機関)は、どの時代、どの文化社会においても、人間として生きていくために必要な力があるとし、それをライフスキルと定義した。ライフスキルとは、日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力である。」(World Health Organization;Life Skills Education in Schools 1994より引用)ライフスキルには、次の10のスキルがある。

  1. 意思決定(Decision making
  2. 問題解決(Problem solving
  3. 創造的思考(Creative thinking
  4. 批判的思考(Critical thinking
  5. 効果的コミュニケーション(Effective communication
  6. 対人関係スキル(Interpersonal relationship skills
  7. 自己認識(Self-awareness
  8. 共感性(Empathy
  9. 情動への対処(Coping with emotions
  10. ストレス・コントロール(Coping with stress

キャリア教育

キャリア教育とは、児童生徒が、自己の将来の夢、目標、希望を持ち、その実現に向け、必要な知識や技能を学び、社会人として自らの人生を主体的に生きる力を育てることである。

  1. 自己理解(欲求、適性、価値観、性格など)を深める
  2. 国際社会の仕組みや職業理解を深める
  3. 人生の目標など長期的展望を持たせる
  4. 目標に向けての進路や実現の具体的な活動を考える
  5. 自分の意思で進路を決定する
  6. 必要なスキルや知識を学習する

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