サイトアイコン スクールカウンセラー養成所

神経性無食欲症

スポンサードリンク

神経性無食欲症とは

中枢性摂食異常症(摂食障害)として厚生労働省の特定疾患に指定され研究がすすめられている。食欲がないとは限らないため、神経性やせ症と呼ばれることもある。低体重、低栄養から様々な身体・心理症状が出てくる。食欲の問題だけではなく、ボディ・イメージの障害だと言われており、背景には自尊心の低さが見受けられることが多い。

症状や特徴

  • 抑うつ症状がよくみられる
  • 遺伝的な要因と環境的(社会的)な要因が関与
  • 約30~50%の患者は、過食をしたり、嘔吐や下剤で食べたものを排出
  • 神経性やせ症の女性の多くで月経が止まる
  • 男女ともに性欲が低下することがある
  • 心拍数、血圧、体温が低下、体毛が細く柔らかくなる

入院治療

厚生労働省では、入院治療が必要な条件を掲げている。

※精神科専門施設での入院治療が必要

DSM-5診断基準 神経性やせ症/神経性無食欲症

A. 必要量と比べてカロリー摂取を制限し、年齢、性別、成長曲線、身体的健康状態に対する有意に低い体重に至る。有意に低い体重とは、正常の下限を下回る体重で、子どもまたは青年の場合は、期待されている最低体重を下回ると定義される。

B.有意に低い体重であるにもかかわらず、体重増加または肥満になることに対する強い恐怖、または体重増加を妨げる持続した行動がある。

C.自分の体重または体型の体験の仕方における障害、自己評価に対する体重や体型の不相応な影響、または現在の低体重の深刻さに対する認識の持続的欠如。

軽度:BMI≧17kg/㎡
中等度:BMI16~16.99 kg/㎡
重度:BMI15~15.99 kg/㎡
最重度:BMI<15 kg/㎡

第3回公認心理師試験に出題

問104 神経性やせ症/神経性無食欲症の病態や治療について、正しいものを1つ選べ。 

  1. うつ病が合併することはない。
  2. 未治療時は、しばしば頻脈を呈する。
  3. 無月経にならないことが特徴である。
  4. 心理社会的要因に加え、遺伝的要因も発症に関与する。
  5. 未治療時に、しばしばリフィーディング症候群を発症する。
解答

平成30年度公認心理師国家試験に出題

神経性無食欲症について、正しいものを1つ選べ。

  1. 経過中の死亡はまれである。
  2. 通常、心理療法によって十分な治療効果が得られる。
  3. 入院治療では、心理療法は可能な限り早期に開始する。
  4. 経管栄養で体重を増やせば、その後も維持されることが多い。
  5. 患者自身は体重低下に困っていないため、治療関係を築くことが難しい。◯

スポンサードリンク

モバイルバージョンを終了