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スクールカウンセリングの極意③「管理職支援」

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管理職とは、校長、教頭、教務主任(地域によって呼び名は違う)などを総称した呼び方です。

管理職支援とは、担任や学年のレベルを超えて、学校として対応を苦慮している案件について

どのように対応をしていくかということを一緒に検討することです。

ここでは「学校ともめている保護者への対応」について書きたいと思います。

架空ケース

例えば、以下のようなケース。細かい設定は省いています。

小学校6年生女子A。クラスメイト数人から、「キモイ」と言われて、それ以来学校に行けなくなった。

修学旅行直前であったが、修学旅行にも行けず、今は勉強も外出もせずに、ひたすらゲームをしている。

Aの父親は、

「元々、小学校5年生の時にも同じようなことがあり、その子どもとはクラスを別にしてと頼んでいたのに、そのメンバーが6年生でも一緒だった。私立中学校を受験予定であったのに、塾にも行くことができなくなり、受験どころではなくなった。しっかり、5年の時に、対応してくれればこうはならなかった。大事な修学旅行にも行けなくて、Aはかわいそうだ!どうしてくれるんだ!」

父親と学校は何度も話し合いを持っていますが、その際の担任の対応にもかなり不満があり、現在は主に教頭が窓口となっています。しかし、話は平行線で、Aは登校できずに、保護者の要求も徐々にエスカレートしてきています。

このような状態で、中学校で常勤として勤めているSCに、相談依頼がありました。

あなただったら、どのような手順でこのケースに対応していきますか?

依頼に、そもそも対応するか否か

そもそも、このようなケースは、SCが対応すべきかどうか。

これについては、賛否両論あるかと思います。

特に、非常勤SCの場合は、勤務日が限定されているために

このようなケースに、全面的に関わっていくことは難しいでしょう。

しかし、常勤となると、やはり避けては通ることができないタイプのケースではないでしょうか。

直接的に、子どもに関わるわけではないですが、その先に子どもがいる、子どもが巻き込まれているケース

であることに違いはありません。

関わるべきか否かということについて、いつも議論が起こることではありますが

SCとしても、この分野に経験値がなく、避けたいという心理が働くのではないかとも思います。

まずは、情報の整理

このようなケースの相談依頼があった際

もはや、管理職でさえもまともな判断能力が失われている場合が少なくないです。

などについて、関係者を集めて話し合い、整理していきます。

そこで、現在の対応が適切で、子ども本人のためになっているのかをもう一度見直します。

後手ではなく、先手にまわる

保護者の訴えがある→対応を検討する→保護者に伝える→保護者の新たな訴えがある

というように、こういったケースの大きな問題点の一つとして

後手後手にまわってしまうということがあります。

保護者の心理としては、

「自分らが主張していかないと学校は何もしてくれない」

「Aのことは、学校はどうでもいいと思っている」

「自分たちのことを、ただのクレーマーだと思っている」

というようなものになっていきます。この悪循環を断ち切るためには

後手から先手にまわらなければなりません。

先手にまわるには、保護者の訴えをもとに検討するのではなく、

学校から、子どもの支援に立った視点で、様々な提案をしていくことが必要です。

保護者に伝えるべき、重要なメッセージとは

このような状況下に置かれた保護者は、何を望んでいるのか。

訴えを全て学校が受け入れてくれることでしょうか。

それも、そうかもしれませんが、こういった場合は、

学校を困らせることが目的にすり替わっている場合も多いため

無理難題を言ってくることもあります。

そうなると、保護者の訴えを受け入れることは、到底不可能です。

ではどうすれば良いか。

それは、保護者の訴えについても、十分に検討しつつ

子どもが元気になるアイデアを、必死に何個も出していくことです。

不登校であれば、どのような形であれば登校ができるようになるか

引きこもりであれば、どうすれば自分たちに会ってもいいよと思ってもらえるか

教師が、学校が本気でAのことを考えていると思ってもらうには、

通常の子ども対応を超えた枠組みで、アイデアをひねり出す必要があります。

例えば、Aが料理好きだったとすれば

などです。

これを提案した時に、保護者や子どもが受け入れてくれるかは、二の次です。

この提案をした時に、保護者の受け止めとして

(こんなことまで考えてくれたんだ)

と思ってくれることが大事なのです。

「Aのことを真剣に心配しています」というメッセージを伝えるには

検討過程をどのような表現で、保護者に伝えることができるかが大事なのです。

長くなったので、続きはまた・・・

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