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第2回公認心理師試験過去問題141〜150

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問141  19歳の男性 A、大学1年生。Aは将来に希望が持てないと学生相談室に来室した。「目指していた大学は全て不合格だったので、一浪で不本意ながらこの大学に入学した。この大学を卒業しても、名の知れた企業には入れないし、就職できてもずっと平社員で結婚もできない。自分の将来に絶望している」と述べた。Aに対する社会構成主義的立場からのアプローチとして、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 不本意な入学と挫折の心理について心理教育を行う。
  2. Aの将来への絶望について無知の姿勢で教えてもらう。
  3. Aの劣等感がどのように作り出されたのかを探索させる。
  4. 学歴社会の弊害とエリート主義の社会的背景について説明する。
  5. Aの思考のパターンがどのように悲観的な感情を作り出すのかを指摘する。
解答

社会構成主義を参照。

問142   47歳の男性 A。A は、長年の飲酒、食習慣及び喫煙が原因で、生 活習慣病が悪化していた。主治医はこれらの習慣は簡単には変えられないため、院内の公認心理師と共にじっくりと取り組むようカウンセリングをAに勧めた。A は「酒もたばこも生活の一部だ」と話す一方で、「自分の身体のことは心配なので、この&週間はたばこの本数を毎日20本から15本に減らし、1日の最初の1本を遅らせている。酒はやめる気はない」と言う。Aの行動変容の段階を考慮した公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 禁酒も始めるように促す。
  2. 生活習慣病への意識を向上させる。
  3. 禁煙のための具体的な計画を立てる。
  4. 飲酒と喫煙の害について心理教育を行う。
  5. 喫煙本数が増えないように現在の自分なりの制限を継続させる。
解答

問143  13歳の男子 A、中学1年生。Aは両親と2つ上の兄Bと暮らしている。両親は、AとBが幼い頃から、多くの学習塾に通わせるなどして中学受験を目指させた。Bは志望校に合格したが、Aは不合格であった。両親は「お前は出来そこないだ。これからは死ぬ気で勉強しろ」とAを繰り返しなじった。次第に両親は「お前はBとは違って負け犬だ。負け犬の顔など見たくない」と言い、Aに別室で一人で食事をさせたり、小遣いを与えなかったりし始めた。両親の行為は虐待種別の何に当たるか、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 教育的虐待
  2. 経済的虐待
  3. 身体的虐待
  4. 心理的虐待
  5. ネグレクト
解答

問144  9歳の男児 A、小学2年生。A は実母と継父との三人暮らしで あったが、ネグレクトと継父からの身体的虐待のため、児童相談所に一時保護された。入所当初は、いつもきょろきょろと周囲をうかがっていて落ち着かず、夜は悪夢でうなされることが多かった。入所1週間後の就寝時、男性指導員がA を居室に連れて行こうとして手を取ったところ、急に大声で叫び、周辺にあるものを放り投げ、頭を壁に打ち付け始めた。男性指導員はAに落ち着くよう促したが、なかなか行動が鎮まらなかった。しばらくして行動は止んだが、無表情となって、立ちすくんだままであった。声をかけるとようやく頷いた。Aの行動の解釈として、最も適切なものを1つ選べ。

(9歳って、小学3年生ちゃうんか?)

  1. 男性指導員への試し行動
  2. フラッシュバックによる混乱
  3. 慣れない生活の場での情緒の混乱
  4. 抑圧されていた攻撃的感情の表出
  5. 反抗挑戦性障害にみられる権威者に対する反発
解答

問145  中学1年生の数学教科担任Aは、方程式の単元で困難度の異なる計算問題30問が印刷されたプリントを授業中に用いることを考えた。その際、最初から少しずつ難しくなるように問題を配置し、生徒が積極的に解答を書き込めるような工夫をした。また、模範解答も用意した。 さらに、授業中には自分のペースで取り組めるような時間を設定することにした。このプリントを用いたAの授業をプログラム学習の原理に沿ったものにするために必要なこととして、最も適切なものを1つ選べ。

  1. グループで答え合わせをする時間を設ける。
  2. 解答するための1問当たりの制限時間を生徒に設定させる。
  3. 1問ずつ解答した直後に、答え合わせをするように指示する。
  4. 計算問題が苦手な生徒に対しては、教師が一緒に答え合わせを行う。
  5. 全ての問題に正しく解答した生徒から休み時間にしてよいと告げる。
解答

 

問146 14歳の男子A、中学2年生。Aは中学1年生のときに比べ、学習に対して積極的に取り組み、成績が全体的に上がった。1学期の成績評定は国語と社会が高く、数学と体育は他の教科と比べて低かった。A は中学1年生のときは幅広い交友関係があったが、現在は特定の友人と親しくしている。何事に対しても真面目に取り組み、クラスメイトからも信頼されているが、自信がなく不安な様子もみられる。Aについてのこれらの情報は、どのような評価に基づくか、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 診断的評価と相対評価
  2. 縦断的個人内評価と相対評価
  3. 診断的評価と横断的個人内評価
  4. 診断的評価と縦断的個人内評価
  5. 縦断的個人内評価と横断的個人内評価
解答

問147  75歳の女性 A。Aは相談したいことがあると精神保健福祉センターに来所し、公認心理師が対応した。Aは、45歳の長男Bと二人暮らしで、Bは覚醒剤の自己使用により保護観察付執行猶予中だという。「最近、B が私の年金を勝手に持ち出して使ってしまうようになった。そのため生活費にも事欠いている。財布からお金が何度もなくなっているし、Bの帰りが遅くなった。B は覚醒剤を使用しているのではないか。Bに恨まれるのが怖くて保護司に言えないでいる。Bを何とかしてくれないか」との相談であった。公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 高齢者虐待のおそれがあるとして、市町村に通報する。
  2. Aの話が本当かどうかを確認するため、しばらく継続して来所するよう提案する。
  3. Bの行為について、高齢者虐待防止法違反として、警察に通報し立件してもらう。
  4. Bが覚醒剤を使用している可能性が高いので、対応してもらうよう保護観察所に情報を提供する。
  5. Bの行為は高齢者虐待に該当しないため、覚醒剤乱用の疑いがあるとして、A から担当保護司に相談するよう助言する。

注:「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対 する支援等に関する法律」である。

解答

問148  30歳の女性A、会社員。ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当するかどうかを補足的な面接で決定することになり、公認心理師がAの面接を行った。Aのストレスプロフィールは以下のとおりであった。「心理的な仕事の負担」は低い。「技能の活用度」、「仕事の適性度」及び「働きがい」が低い。「職場の対人関係のストレス」が高い。「上司からのサポート」と「同僚からのサポート」が低い。ストレス反応では、活気に乏しく疲労感と抑うつ感が高い。「仕事や生活の満足度」と「家族や友人からのサポート」が低い。ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も優先度の低いものを1つ選べ。

  1. 労働時間を尋ねる。
  2. 休日の過ごし方を尋ねる。
  3. キャリアの問題を抱えていないか尋ねる。
  4. 上司や同僚との人間関係について尋ねる。
  5. 疲労感と抑うつ感は、いつ頃から自覚し始め、どの程度持続しているのかを尋ねる。
解答

問149  14歳の女子A、中学2年生。A は、クラスメイトの B が複数の生徒から無視されたり、教科書を隠されるなどの嫌がらせを受けたりし ていることをスクールカウンセラーに相談した。Aはこのような状況を何とかしてほしいが、自分が相談したことは内緒にしてほしいと強く希望している。現時点でのスクールカウンセラーの対応として、不適切なものを1つ選べ。

  1. Bから詳しい事情を聞く。
  2. Aが相談に来た勇気を認める。
  3. Aの承諾を得て、担任教師に連絡する。
  4. Aからいじめの事実について詳しく聞く。
  5. 客観的に状況を把握するために、クラスの様子を見に行く。
解答

問150  25歳の女性 A。A は夫から暴力を受け、電話連絡や金銭使用を制 限されて、配偶者暴力相談支援センターに逃げ込むが、すぐに夫のもとに戻り同居するということを何回も繰り返していた。今回も夫の暴力で腕を骨折し、同センターに保護された。Aは日中ぼんやりとし、名前を呼ばれても気づかないことがある。外出すると、自分の居場所が分か らなくなる。夫から殴られる夢を見て眠れない、いらいらして周囲に当たり散らすなどの様子がみられる。その一方で、「夫は今頃反省してい る。これまで何度も暴力の後に優しくしてくれた」と言い、「夫のもとに戻る」と言い出すこともある。Aの状況から考えられることとして、不適切なものを1つ選べ。

  1. 夫との共依存関係がある。
  2. 夫婦は常に高い緊張関係にある。
  3. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉が疑われる。
  4. Aは、夫の暴力を愛情表現の1つと認知している。
  5. ドゥルース・モデルと言われる「パワーとコントロール」の構造が見受けられる。
解答

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