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ストレンジ・シチュエーション法

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ストレンジ・シチュエーション法とは

愛着理論に基づいてMary Dinsmore Salter Ainsworth(メアリー・エインズワース)らによって開発された実験観察法の一種。

例えば、以下のような流れで行われる。

  1. 観察室(プレイルーム等)に子どもを母親が連れてくる。
  2. 見知らぬ人が現れる。
  3. 母親が退出する。
  4. 母親が戻る。

この間、子どもの遊びや様子を観察・記録して、その反応をもとにタイプ分けする。

安定型

この型が理想的とされ、観察室という知らない場所であっても、母親がいると安心して遊び、見知らぬ人が現れたり、母親がいなくなると不安を感じるが、母親が戻ると安心して過ごすことができる。母親との基本的信頼感が確立している。

回避型

この型は、母親や見知らぬ人に注目せずに、一人遊びを続ける。何らかの理由で母親との愛着行動が形成されておらず、このような反応を示す。

葛藤型

この型は、見知らぬ人が現れたり、母親が退室したりすると強く不安や恐怖を感じ、母親が戻ると攻撃性を示したり、泣き続けたりする。母親の不適切な関わりが、考えられる。

無秩序型

この型は、母親に対しての反応が一定しない。突然泣き出す、怒る、抑うつ症状を示すなど行動。虐待の可能性や母親が精神疾患であることが考えられる。

平成30年度公認心理師国家試験に出題

ストレンジ・シチュエーション法によるアタッチメントのタイプ分類(A:回避型、B:安定型、C:抵抗/アンビバレント型、D:無秩序・無方向型)について、最も適切なものを1つ選べ。

  1. Aタイプの養育者は、子どもに対して虐待など不適切な関わりをしていることが多い。
  2. AタイプとCタイプの子どもは、再会場面で感情が元どおりに回復せずに、怒りの感情を表すことがある。
  3. BタイプとCタイプの子どもは、分離場面で強く泣くなどの苦痛を表出する。
  4. Cタイプの養育者は、子どもに対して拒絶的にふるまうことが多い。
  5. Dタイプの養育者は、子どものシグナルに養育者自身の都合で応答するなど一貫性を欠く傾向がある。◯

平成28年度保育士国家試験に出題

次の文は、ストレンジシチュエーション法を用いた、アタッチメント(愛着)のアセスメントに関する記述である。【実験場面】を読んで、【設問】に答えなさい。

【実験場面】
月齢15か月の子どもが母親と一緒にいる。その後、母親が部屋を出て、子どもが一人残った(分離場面)。その3分後に母親が部屋に戻り、子どもに再会した(再会場面)。

【設問】
次の文のうち、この再会場面におけるアセスメントについて適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  再会場面では母親に駆け寄ったが、接触する前に踵を返して、もと居た位置に駆け戻った。この子どもの母親に対するアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。
B  分離場面で泣いていたが、再会場面で母親に駆け寄りぴったりと抱き付いた。まもなく泣き止み、母親から離れて遊びだした。この子どもは、安定したアタッチメント(愛着)を持っていると考える。
C  分離場面でまったく泣かずにおもちゃで遊んでいたが、母親と再会すると3分間大声で泣き続けた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。
D  分離場面では立ったまま泣き続けていた。再会場面では、泣き止みその場に座り、おもちゃで少しの間遊んだが、再び泣き出し、泣きながら仰向けに倒れた。この子どものアタッチメント(愛着)には、不安定な部分があると考える。

全て◯
Aは回避型
Bは安定型
Cは葛藤型
Dは無秩序型

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