系統的脱感作法(けいとうてきだつかんさほう)とは
Wolpe,J.(ウォルピ)が開発。不安に対する拮抗反応(不安拮抗反応)を教えた(筋弛緩法、呼吸法などのリラックス法)
上で、クライエントの不安階層表(主観的に不安を順位付け、数値化したもの)にしたがって、徐々に不安を除去する方法。
拮抗:優劣がなく釣り合っている状態
脱感作:アレルギーとなる物質を少量ずつ注射し、過敏性を除去する療法のこと。
平成26年度臨床心理士資格試験に出題
認知行動療法で用いられる技法に関する次の記述から、正しいものの組み合わせを下のa〜eの中から一つ選びなさい。
A.コラム法(思考記録法)とは、特定の場面で生じた思考や行動、感情などを記録し、整理、検討し、認知を修正していく方法である。
B.エクスポージャーと反応妨害とは、不安や不快感を引き起こす刺激に十分な時間暴露し、それによって生じた不安を低減するために行う儀式的行為を利用する方法である。
C.行動実験とは、非機能的な認知に気づいてもらうために、恐れていることを試みに体験してもらい、その認知の妥当性を検討する方法である。
D.系統的脱感作法とは、ポジティヴなイメージを段階的に想起させることによって、心身のリラクセーションと症状の軽快を生み出す方法である。
(組み合わせ)
a. A B
b. A C
c. B C
d. B D
e. C D
平成28年度精神保健福祉士国家試験に出題
系統的脱感作法の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自分や周囲に対して過度に否定的で、挫折感に浸っている不安やうつなどの気分 障害のクライエントに対して、考え方や感じ方を肯定的な方向に変化させていく。
2 受動的注意集中状態下で、四肢の重感、四肢の温感、心臓調整、呼吸調整、腹部 温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態は緊張から弛緩へ切り替えられる。
3 「すべての人に愛されねばならない」という非合理的な信念を、「すべての人に愛されるにこしたことはない」という合理的な信念に修正していく。
4 観察者はお手本(モデル)となる他者の行動を観察することで、新しい行動を獲得したり、既存の行動パターンを修正する。
5 クライエントは、個別に作成された不安階層表を基に、リラックスした状態下で、不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激が増やされ、段階的に不安を克服していく。◯
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