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- 就学前期、特に0~3歳の子ども達の精神発達を測定する方法である。発達項目の通過率や発達プロフィールによって、発達遅滞や発達障害の早期発見を目指す。
- 特徴として、①標準化された施行法、検査用具、判定法をもち、構造化された事態での観察が中心となること、②質問紙を用いた養育者への問診法があることである。
- 検査結果は、①発達年齢(DA)や発達指数(DQ)、②発達各領域の通過点によって描かれるプロフィールで示される。これをもとに発達遅速の判断や領域ごとの発達のズレの判断が可能となり、早期療育の指針などを導き出すことができる。
*発達指数(DQ)=発達年齢(DA)/生活年齢(CA)×100
- 養育者への質問紙に関しては、①養育者の観察眼に依存していること、②養育者の検査項目理解が主観的になりやすく、結果に影響を及ぼしやすいことを注意する。
- スクリーニング検査は潜在的な発達障害の可能性の発見を目的として使用されるもので、方法が簡便であり、限られた時間に多くの対象児に施行しうる利点を持つ。
検査名 | 作成者 | 対象年齢 | 内 容 | 特 徴 |
発達検査 | Buhler | ●乳幼児の活動を「感覚受容」「身体運動」「言語も含めた社会性」「模倣を含む学習」「材料処理」「精神的推理」の6つの領域から多面的に観察する。 | ●発達年齢(DA)と発達指数(DQ)を求める。 | |
MCCベビーテスト | 古賀行義
*キャッテルの乳幼児精神発達検査を翻訳。 |
●精神遅滞児の判定に有効。 | ●結果は発達指数(DQ)によって表示。 | |
新版K式
発達検査2001 |
京都児童院 | ●発達検査の長所を取り入れて「姿勢‐運動」「認知‐適応」「言語‐社会」の3領域の観点を重視。 | ●発達年齢(DA)、発達指数(DQ)、発達プロフィールを求める。
●全般的な進みや遅れ、バランスの崩れなどの全体像を捉えやすい。 |
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新発達診断学 | ゲゼル | ●検査項目は「適応行動」「粗大運動行動」「微細運動行動」「言語行動」「個人‐社会行動」の5領域で構成されている。 | ●行動の直接観察に基づき、乳幼児の心身両面にわたる発達状態の診断。
●心身の障害やハンディキャップの早期発見・早期治療を目指す。 |
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行動発達検査法 | 新井清三郎 | ●ゲゼルの発達診断法の日本版。
●検査領域は「運動行動」「適応行動」「言語行動」「個人‐社会的行動」の4つからなる。 |
●発達障害、中枢神経系統の患者や障害の早期発見。 | |
ミュンヘン
機能的発達診断法 |
ベルブリュッケ | ●「這行」「座位」「歩行」「把握」「知覚」「言語」「言語理解」「社会」の8つの発達領域からなる。 | ●発達障害、中枢神経系統の患者や障害の早期発見。 | |
新生児行動評価 | Brazelton | ●生後3日目~ | ●新生児の平均的行動ではなく、最高の行動に基づいて採点する。 | |
遠城寺式乳幼児
分析的発達検査法 |
遠城寺宗徳 | ●0ヶ月~ | ●「移動運動」「手の運動」「基本的習慣」「対人関係」「発話」の5領域にそれぞれ26項目、言語理解領域に21項目の計151項目からなる。 | ●脳性マヒや精神遅滞などの鑑別診断。 |
乳幼児
発達評価尺度 (精神発達順序度) |
Uzgiris
Hunt |
●検査問題は「追視と対象永続性の系列」「望ましい事態を獲得する手段の系列」「身振り模倣の系列」「音声模倣の系列」「操作の因果性の系列」「空間内の対象関係構成系列」「対象へ働きかけるシェマの系列」の7つの系列から構成されている。 | ●ピアジェの認知発達論に基づく。 | |
乳幼児
精神発達診断法 |
津守真
稲毛敦子 |
●質問紙
①0~12ヶ月 ②1歳~3歳 ③3歳~7歳 |
●質問紙を用いて乳幼児に主に接している養育者に約20分の面接をする。
●「運動」「探索」「操作」「社会」「食事・生活習慣」「言語」の6領域からなる。 |
●乳幼児の発達の状態を尋ねることで精神発達を診断する。
●問診による実施の簡便さ。 ●親の発達理解の促進。 *発達指数は換算しない。 |
デンバー発達
スクリーニング検査 |
●2ヶ月~6歳 | ●「個人‐社会」「微細運動‐適応」「言語」「粗大運動」の4領域105の検査問題からなる。 | ||
乳幼児発達スケール | 三宅
大村 |
●「運動」「操作」「言語理解」「言語表出」「概念」「社会性(対成人)」「社会性(対子ども)」「躾」「食事」の9領域392の観察項目からなる。 | ●母親や保護者らが観察記入した内容から評価する。 |
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