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中和理論(中和の技術)とは
犯罪者は犯罪行動を良しとする信念を持っているが同時に恥や良心を持っている。そこで犯行の前後に犯罪行動を合理化し正当化してこの両者を妥協させようとする。犯罪的サブカルチャーの合理化、正当化には次のような理論がよく用いられる。G. M. Sykes と D. Matza が提唱した。
- 責任の否定
・自分はビリヤードの球のようなもので、自分が非行に走ったのは両親がいつも喧嘩ばかりしていて面白くなかったから。悪友に誘われたからなどと弁明する。 - 実害の否定
・万引をしてもスーパーは一定の被害見こんで値段をつけているのだからかまわないという理論 - 被害者の否定
・自分が殴った教師は、実はえこひいきをして生徒を苦しめてきた人間であると訴える。
・強姦の被害者は、実はうぶな青年を誘惑した悪女だ、などという。 - 非難者の非難
・賄賂によって告訴された下級公務員が、日本では首相でさえ航空会社から金をもらうではないか、と開き直る。 - より高い価値への訴え。
・デモ行進で交通規制を、破るのは、庶民の幸福を追求するためである。
・空港を破壊して開港を遅らせるのは農民の生活と生命を守るためである。
第5回公認心理師試験に出題
問149 16 歳の女子 A、高校 1 年生。A は万引きをし、心配した両親に連れられて、市の教育相談室に来室し、公認心理師 B が面接した。A は、2 週間前に店でペンを 1 本盗んだことが発覚した。A は B に、「クラスメイトの C が私のペンを欲しがり、誕生日祝いにちょうだいとしつこくせがんできた。C と気まずくなりたくないし、自分の物をあげるのは嫌だし、買うお金もないので、盗んで渡すしかないと思った。C のせいで仕方なくやった」と述べた。A の主張について、G. M. Sykes と D. Matza が提唱した中和の技術によって説明する場合、用いられている技術として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- 加害の否定
- 責任の否定
- 被害者の否定
- 非難者に対する非難
- より高次な忠誠心への訴え
解答
②
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