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動機づけ面接(motivational interviewing: MI)とは
臨床心理士であるMiller, W. R.(ミラー)とRollnick, S.(ロルニック)が開発したカウンセリングアプローチ。人間が本来持っている行動変容への動機を引き出すことを目的とする。
- 共感を表現する:カウンセラーはクライエントを正確に理解しようとし、その内容をクライエントと共有する。
- 矛盾を拡大する:クライエントがこうありたいと望む生き方と、現実の生き方の間にある矛盾を探ることで、行動を変えることの価値をクライエント自ら気づくようにカウンセラーが援助する。
- 抵抗を手玉に取る:変わりたくないという気持ち,逡巡は病的ではなく、誰にでもある自然なこととカウンセラーが受け入れるようにする。
- 自己効力感をサポートする: クライエントの自己決定(ときにはクライエントが現状維持を選ぶときでさえ)を尊重することによって、クライエントが自信を持って、うまく変わっていけるように援助する。
第5回公認心理師試験に出題
47歳の男性A、会社員。Aは不眠を主訴に妻Bに伴われて総合病院の精神科を受診した。 2年前にAは昇進し、大きな責任を担うことになった。しかし、この頃から寝付きが悪くなり、飲酒量が増加した。最近は、Bの再三の注意を無視して深夜まで飲酒することが多い。遅刻が増え、仕事にも支障が生じている。担当医は、アルコール依存症の治療が必要であることを説明した。しかし、A は、「その必要はありませ ん。眠れなくて薬が欲しいだけです」と述べ、不機嫌な表情を見せた。 一方、Bは入院治療を強く希望した。AとBの話を聞いた担当医は、 公認心理師CにAの支援を依頼した。現時点におけるCのAへの対応として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- 入院治療の勧奨
- 自助グループの紹介
- 動機づけ面接の実施
- リラクセーション法の導入
- 認知リハビリテーションの導入
解答
③
動機づけ面接の説明として、最も適切なものを 1 つ選べ。
- クライエントに自身の抵抗への気づきを促す。
- クライエントのポジティブな面の承認は控える。
- クライエントの問題についての例外探しをする。
- ラディカル・アクセプタンスを基本的姿勢とする。
- クライエントの変化に対する両価性に関わる問題を扱う。
解答
⑤
第3回公認心理師試験に出題
動機づけ面接の基本的スキルとして、不適切なものを1つ選べ。
- クライエントが今までに話したことを整理し、まとめて聞き返す。
- クライエントの答え方に幅広い自由度を持たせるような質問をする。
- クライエントの思いを理解しつつ、公認心理師自身の心の動きにも敏感になる。
- クライエントの気づきをより促すことができるように、言葉を選んで聞き返す。
- クライエントの話の中からポジティヴな部分を強調し、クライエントの価値を認める。
解答
③
第1回公認心理師試験問64 事例
55歳の男性A、自営業。Aは糖尿病の治療を受けていたが、その状態は増悪していた。生活習慣の改善を見直すことを目的に、主治医から公認心理師に紹介された。Aは小売店を経営しており、取引先の仲間と集まってお酒を飲むのが長年の日課となっていた。糖尿病が増悪してから、主治医には暴飲暴食を辞めるように言われていたが、「付き合いは仕事の一部、これだけが生きる楽しみ」と冗談交じりに話した。Aは「やめようと思えばいつでもやめられる」と言っている。しかし、翌週に面接した際、生活習慣の改善は見られなかった。
まず行うべき対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 家族や仲間の協力を得る。
- 飲酒に関する心理教育を行う。
- 断酒を目的としたグループを紹介する。
- Aが自分の問題を認識するための面接を行う。
- Aと一緒に生活を改善するための計画を立てる。
解答
④
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