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ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法 (パールズ)

基本的概念

ホメオスタシス

ホメオスタシスとは、生命維持のために有機体が外界の変化に対応して、内界のバランスを保持しようとする生理的機能のことである。

<例>体内の水分が不足すれば喉の渇きを覚える。

ゲシュタルトは、このホメオスタシスが精神的現象の中にも存在することを主張した。

<例>不快な経験をすると、不快感や怒りを覚える。

*不快感や怒りを押さえたり、無視するのではなく、むしろ取り上げたり、関わったりすることが良いとされる

=言語的・身体的に表現することを「コンタクトする」や「形にする」とも言う。

 

図と地

代表的な「ルビンの盃」を見ると、“二つの顔が向かい合っている”ことが知覚されるが、

これを「図(関心事)」という。

一方、いわゆる「盃」は背景になって見えないが、これを「地(背景)」という。

*精神的に健康であれば、知覚されるものは一つで、二つ同時に知覚されない。

人間の欲求についても同様のことが言える。

<例>ある人が“買い物に行きたいけど、本も読みたい”という欲求を持っていた。

 

しかし、二つの欲求を同時に満たすことは不可能である。

買い物に行くことを決定する。これが「図」と認識される。

買い物に行くことで欲求が解消されると、本を読みたい欲求が出てくる。

「図」にある欲求が解消されると、「地」にある欲求が意識に上る。

“本を読みたい”欲求を解消する。

これが「図地反転」

 

気づき

 「今、ここ」で「地」から「図」に上ってくる意識の過程のこと。すなわち、身体の内外で起こっていることを感じたり、意識したりすること。

<例> 父親のことを話している時に、ひとりでに手を握り締めている。

 

ゲシュタルト療法の過程と技法

 「地」から「図」への反転、もしくは「気づき-言語化-コンタクト」の過程を重視するが、この過程はセラピストとの関わりを媒介に促進される。

ホット・シート

 椅子の上にイメージの中の他者や自己を座らせて対話をする技法。(例、「仮にこの椅子に父親が座っているとしたら、あなたはどんなことを話しかけたいですか」など)。

②ファンタジー・トリップ

 ファンタジーの世界で、老賢者に会い、知恵を授かってくる技法。

夢のワーク

 夢を過去の出来事とせず、「今、ここ」において再現し、登場人物や事物になる技法。

実験

 気づきや洞察が得られるかどうかを試してみる技法。(例えば、いつも肯定的な返事をしながら、内心ではいつも欲求不満に陥っているクライエントが、セラピーの中で一度実験的に「否」と言ってみる)。

ボディ・ワーク

 身体に関心を持ち、それと関わる技法。(ゲシュタルト療法では、内面的な生き様が象徴的に身体に現れるという仮説を持っている)。

 例えば、肩が凝って仕方がないクライエントが、擬人法により、その肩になったつもりで言語的に表現してみること。

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