ゲートキーパーとは
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤立・孤独」を防ぎ、支援することが重要です。1人でも多くの方に、ゲートキーパーとしての意識を持っていただき、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながります。
「自殺総合対策大綱(平成19年6月8 日閣議決定)」においては、9つの当面の重点施策の一つとしてゲートキーパーの養成を掲げ、かかりつけの医師を始め、教職員、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員、各種相談窓口担当者など、関連するあらゆる分野の人材にゲートキーパーとなっていただけるよう研修等を行うことが規定されています。
また、ゲートキーパーは、我が国のみならず海外でも、自殺対策の分野でも広く使用されている用語、概念であって、WHO(世界保健機関)を始め、多くの国々で使用され、その養成プログラムが実施されています。
都道府県等、自殺対策の第一線で対策を実施している地方公共団体においても、地域自殺対策緊急強化基金を積極的に活用して、それぞれの地域の実情にあった形でゲートキーパーの養成に積極的に取り組んでいただいており、ゲートキーパーの養成目標(人数)を掲げているものもあります。そして、各地域でも、「ゲートキーパー養成研修会」が実施され、自殺対策に係るボランティアのみならず、かかりつけの医師などの保健医療福祉従事者、町内会担当者、民生委員、児童委員、理美容師などに対して多数の研修会が実施されるなど、支援の輪は広がっています。
厚生労働省HPより
平成30年度公認心理師国家試験に出題
自殺対策におけるゲートキーパーの役割について、不適切なものを1つ選べ。
- 専門家に紹介した後も地域で見守る。
- 悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して孤立や孤独を防ぐようにする。
- 専門的な解釈を加えながら診断を行い、必要に応じて医療機関を受診させる。◯
- 悩んでいる人のプライバシーに配慮しつつ、支援者同士はできるだけ協力する。
- 悩んでいる人から「死にたい」という発言がなくても、自殺のリスクについて評価する。
平成27年度臨床心理士資格試験に出題
日本の自死に関する記述から、正しいものの組み合わせを選ぶ問題。
A.マスメディアによる自死手段の詳細な報道は、他の自死を誘発する可能性がある◯
B.内閣府の『自殺総合対策大綱』における「ゲートキーパー」とは、精神疾患に関する高度んい専門的な知識をもつ職種の総称である。×
C.自死を試みた人でも、未遂に終わった場合は自死の危険性が低くなる。×
D.近年の自死全体を男女別で見ると、男性の割合が多く性差がはっきりしている。◯
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