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学校緊急支援時のリーダーシップについて

学校内での緊急支援については、

スクールカウンセラーの中では、少しずつ浸透してきていますが

学校の教職員の中には、その重要性があまり認知されていないのが現状です。

 

今回は、学校緊急支援時に起こる問題点について、書きたいと思います。

 

SCの中でも、その経験の差は大きく、ベテランのSCは年に何度も、SCやSVの立場として

緊急支援に行きますが、どうしてもその時に、若手のSCには声がかかりづらく

ますます、経験値に差が出るという悪循環になっています。

 

学校緊急支援に関する専門書は、福岡県臨床心理士会から良著が出ています。

しかしながら、緊急支援のあり方についても、各地方自治体によって様々です。

教育委員会が主体のケース

県臨床心理会が主体のケース

大きくは、この2つのケースに分けられると思いますが、その中身も多様です。

元々緊急支援チームが組織化されていて、事案が発生した時にそのチームが行くこともあれば

事案が発生した時に、そのケースの内容や立地などを考慮し、緊急支援チームを組織化することもあります。

 

どちらも一長一短ではありますが、

何れにせよ、緊急時には、こういう動きをとるという一定のマニュアルを作っておくことは必要不可欠だと思います。

 

もう一つ重要なこととして、

誰が緊急支援チームのリーダーシップを取るのかということです。

元々緊急支援チームが組織化されていたとしても、そのチームのメンバーも

緊急支援のためだけに雇用されているわけではなく、日頃は別の仕事を持っています。

そのため、事案が発生した時に、スケジュールを空けることができるかを問い合わせ

行けるものでチームを組むことになります。毎回同じメンバーとはいかず、リーダーを予め決めることもできません。

 

また、緊急支援には、様々な関係者が入ることがあります。

SC一つとっても、その学校に配属されている非常勤SCと、緊急支援のSC、加えてSV

どれもカウンセラーであることには変わりはありません。

非常勤SCは、その学校・子どもたち・保護者・地域のことを一番よく知る立場ですが

緊急支援の際には、「支援者」であると同時に「当事者」にもなります。

 

また、SC以外にも、県教育委員会の指導主事や市町村教育委員会の課長なども関わることが多いです。

そして、学校には当然のことながら学校長が存在します。

平時であれば、学校長が陣頭指揮を取るのが普通ですが

学校内で起こったことであるので、学校長に判断力がなくなっている場合や

自死などの大きな事件の場合には、学校長よりも、教育委員会の方針(教育長や市長などの場合も)が

大きく影響することもあります。(マスコミなどに大きく取り上げられるため)

 

その時に、この緊急支援事案における、リーダーシップは誰の手にあるのか

という大きな問題が、多くの場合起こり、しばしば現場を混乱させることになります。

 

リーダーシップを取る可能性があるのは、まとめると以下の通りです

事件が大きければ大きいほど、何かを決定し、実行することには大きな責任が伴います。

学校長も混乱していることが多いので、アドバイスがいつもより入りやすくなっています。

外部から、アドバイスをすることには、いつも以上に慎重さが必要ですが

緊急支援では時間に追われることも多く、考える時間がないことが普通です。

 

そのため、「外部性」と「チーム」に頼ることが重要となってきます。

ケースバイケースではありますが、経験を積んだ支援チームが外部に存在することは、大きな安心感があります。

 

個人的には、学校緊急支援は、外科手術に似ているところがあると思っています。

緊急支援も外科手術も、ともに痛みを伴う施術です。

新たにメスを入れることで、新たに傷つく人が出てきます。

しかし、その傷を恐れ、何も触らないでいると、患部(事案)がやがて身体全体(学校や子どもたち)を蝕んでいきます。

 

執刀医は、病院やチームに守られているという安心感の元、全力を注ぎ、執刀し、指示を出します。

そこに、孤独な責任はありません。

同じように、緊急支援チームにも適切なリーダーシップを発揮できるための準備が必要だと思います。

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