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レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies:DLB)とは
三大認知症の一つ。
- 約100年前・・・ドイツのフレデリック・レビーが、パーキンソン病患者の脳の神経細胞内に、ある特徴的な封入体(“レビー小体”)を発見。
- 1976年・・・小坂憲司が、レビー小体が認知症患者にもみられることを発見。
- 1995年・・・診断基準ができた。
症状
幻視
- 人や動物、虫などがはっきりと鮮明に見える
- 見えている話をしなくても、床にいる虫をつまもうとしたり、幻に話しかけたりする。
錯視
- ベッド柵が蛇に見える、花瓶の花が犬の顔に見える、庭石が人の顔に見える、等。
- ご飯にふりかけたゴマが虫にみえる
- 布団のふくらみを、中に人がいると思い込む
パーキンソン病
- 手足の震えや動作の鈍さ、小刻み歩行などの運動障害が初期からみられる。
- 表情が乏しくなり、前かがみの姿勢でとぼとぼ歩く様子も多くの人にみられる。
- パーキンソン症状が認知症より先に出る人もあれば、同時に出てくる人、遅れて出てくる人など様々。
症状の変動
- 日によって良くなったり、悪くなったりと、症状に大きな波がある。
- 1日の中で症状が変動することもあれば(通常、昼より夕方から夜中にかけて悪くなる)、「先月に比べて今月は調子が悪い」と、月単位で変動することもある。
- しっかりして、認知症ではないように見える時と、同じ人間かと目を疑いたくなるほど調子が悪くなる時がある。
- 普段は何の問題もなく服を着ている人が、調子が悪くなるとパンツを頭からかぶるような間違いをする。
睡眠行動障害
- 睡眠中に寝言を言ったり、体をばたばたと動かしたりする睡眠の障害。
- 大きな声で叫んだり、横に寝ている人を叩いたり、家族は寝不足に悩まされる。
- 立ち上がる程度で、夢遊病のようにあちこち歩き回ることは稀。
- 目を覚ませば症状は消え、たいていは夢の内容として思い出すことができる。
- 睡眠障害として、昼間の過眠が特徴的。夜、十分寝てるにも関わらず、昼間に何時間も眠ってしまう。
転倒
- パーキンソン症状があるために、足が出にくくなり、転倒が増える。
- 症状の変動によってぼーっとすると、ちょっとした物につまずく。
- 視空間認知障害のため、床の色が変わっているとそこに段差があると勘違いして、段差をまたごうとしてバランスをくずすこともある。
- アルツハイマー病の人に比べて10倍も転びやすいといわれている。
自律神経障害
- 血圧や体温、内臓の働きなどを調整する働きをする、自律神経が障害されることから、病気が始まる人がいる。
- なかでも、起立性低血圧(寝転んでいたり、座っている体勢から、立ちあがった時に、急に血圧が下がる症状)による立ちくらみや、失神、頑固な便秘、尿失禁などがよくみられる。
誤認妄想
- 人や場所の誤認に基づく妄想が半数以上にみられる。
- 夫や妻が本物そっくりの偽物である。
- 2人暮らしにもかかわらず、もう1人住んでいると言って、3人分の食事を作るという話や、ここは自分の家ではないからと家を出て行こうとする、テレビの映像を現実の出来事と思い込む、等。
うつ症状
- 気分が落ち込み、悲観的になったり、意欲が低下するなどのうつ症状が高い確率でみられる。
- めまいがする、体がふらつくといった、体の不調を中心に訴える場合もある。
認知機能障害
注意障害、視空間障害、構成障害、実行機能障害などの前頭葉・頭頂葉機能障害に由来する症状を伴う。
記憶障害は、アルツハイマー型に比べて、軽度。
平成28年度精神保健福祉士国家試験に出題
レビー小体型認知症に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1. 米国人によって提唱された疾患である。
2 .レビー小体は主に脊髄に蓄積する。
3 .臨床診断に用いる中核的特徴にパーキンソン症状がある。◯
4 .幻覚症状の中では幻聴が最も多い。
5 .前頭側頭型認知症とも呼ばれる。
第106回看護師国家試験に出題
Lewy<レビー>小体型認知症の初期にみられる症状はどれか。
1.幻視◯
2.失語
3.脱抑制
4.人格変化
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