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第4回公認心理師試験61〜70

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問61 5歳の男児A、幼稚園児。Aが4歳のときに、おやつが準備されるのを待てずに手が出てしまう。1歳下の弟とのきょうだいげんかが激しいといったことを母親が心配し、教育センターの公認心理師に相談するために来所した。Aには、母子家庭の問題や発達的なつまずきはみられなかったため、月に1度の相談で経過をみていたところ、5歳の誕生日を過ぎた頃から、弟のけんかが減った。おやつもすぐに食べずに待てるようになったとのことである。
Aの状態の背景に考えられる心理的発達として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 共同注意
  2. 自己抑制
  3. 脱中心化
  4. メタ認知
  5. アタッチメント
解答

問62 22歳の男性A、大学4年生。公認心理師Bが所属する大学の学生相談室に来室した。Aは、6つの企業の就職面接に応募したが、全て不採用となり、就職活動を中断した。その後、就職の内定を得た友人が受講している授業に出席できなくなり、一人暮らしのアパートにひきこもり気味の生活になっている。Aは、「うまく寝付けなくなって、何事にもやる気が出ず、自分でも将来何がしたいのか分からなくなって絶望している」と訴えている。
BのAへの初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 就職活動を再開するよう励ます。
  2. 抑うつ状態のアセスメントを行う。
  3. 保護者に連絡して、Aへの支援を求める。
  4. 発達障害者のための就労支援施設を紹介する。
  5. 単位を取得するために、授業に出席することを勧める。
解答

問63 公認心理師Aが主演者である学会発表において、実験結果の報告のためのスライドを準備している。実験の背景、目的、結果、考察などをまとめた。Aは他者の先行研究で示された実験結果の一部を参考論文から抜き出し、出所を明らかにすることなく自分のデータとして図を含めてスライドに記述した。
このまま発表する場合、該当する不正行為を1つ選べ。

  1. 盗用
  2. 改ざん
  3. ねつ造
  4. 多重投稿
  5. 利益違反
解答

問64 28歳の女性A。Aが生活する地域に大規模な地震が発生し、直後に被災地外から派遣された公認心理師Bが避難所で支援活動を行なっている。地震発生から約3週間後に、AからBに、「地震の後から眠れない」と相談があった。Aの家は無事だったが、隣家は土砂に巻き込まれ、住人は行方不明になっている。Aはその様子を目撃していた。Aによれば、最近崩れる隣家の様子が繰り返し夢に出てきて眠れず、隣家の方向を向くことができずにいる。同居の家族から見ても焦燥感が強くなり、別人のようだという。
BのAへの対応として、最も優先されるものを1つ選べ。

  1. ジョギングなどの運動を勧める。
  2. 生き残った者の使命について話し合う。
  3. リラックスするために腹式呼吸法を指導する。
  4. 行方不明になった住人が必ず発見されると保証する。
  5. 現地の保健医療スタッフに情報を伝えることへの同意を得る。
解答

問65 70歳の女性A。長男、長男の妻及び孫と暮らしている。Aは、1年ほど前に軽度のAlzheimer型認知症と診断された。Aは、診断後も自宅近所のスポーツジムに一人で出かけていた。1か月ほど前、自宅をリフォームし、収納場所が新たに変わった。それを機に、探し物が増え、スポーツジムで使う物が見つけられなくなったため、出かけるのをやめるようになった。Aは、物の置き場所をどう工夫したらよいか分からず、困っているという。
Aに対して行うべき非薬物的介入として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. ライフヒストリーの回想に焦点を当てた介入
  2. 日常生活機能を補う方法の確立に焦点を当てた介入
  3. 有酸素運動や筋力強化など、複数の運動を組み合わせた介入
  4. 物事の受け取り方や考えの歪みを修正し、ストレス軽減を図る介入
  5. 音楽を聴く、歌うなどの方法によって構成されたプログラムによる介入
解答

問66 67歳の男性A、税理士。重度認知症の母親Bと二人で暮らしている。Aは、Bの介護をしながら税理士の仕事をしている。Aは、1年前から集中力や思考力が低下して、仕事が捗らなくなった。ミスも増えたため、仕事を辞めようかと悩んでいた。物忘れ、不眠、食欲低下についてもかなり心配していた。Aは、現在の状態がBの初期症状と類似しているのではないかと心配し、医療機関を受診した。Aは、手段的日常生活動作〈IADL〉に問題はなく、HDS-Rは29点、老年期うつ検査-15-日本版〈GDS-15-J〉は13点出会った。
診断として疑われるAの状態として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. うつ病
  2. パニック症
  3. 前頭側頭型認知症
  4. Lewy小体型認知症
  5. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉
解答

問67 小学3年生のある学級では、1学期のは始めから学級での様々な活動に対し積極的で自主的に取り組む様子がみられた。そこで、児童のやる気をさらに高めるために、児童が行なった活動に点数をつけて競わせることが試みられた。その結果、2学期になると、次第に点数のつかない活動では、児童の自主的な取組がみられなくなり、3学期になるとさらにその傾向が顕著になった。
この現象を説明するものとして、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 学級風土
  2. 遂行目標
  3. 期待価値理論
  4. ピグマリオン効果
  5. アンダーマイニング効果
解答

問68 45歳の男性A、小学校に勤務しているスクールカウンセラー。Aが勤務する小学校では、「ともに学び、ともに育つ」という教育目標のもとで、「支え合う学級集団づくり」に取り組んでいた。Aは、5年生の担任教師からクラスの児童同士の人間関係の改善や児童相互の理解を豊かにするための授業を実施してほしいと依頼を受けた。そこで、Aは児童がより主体的・対話的で深い学びができるように、アクティブラーニングを取り入れた授業を行うことにした。
Aが行うアクティブラーニングの視点を用いた指導法として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 児童の個性に合うように、複数の方法で教える。
  2. 学習内容が定着するように、内容を数回に分けて行う。
  3. 全員が同じ内容を理解できるように、一斉に授業を行う。
  4. 全員が正しく理解できるように、原理を積極的に解説する。
  5. 具体的に理解できるように、例話の登場人物のセリフを考えさせる。
解答

問69 16歳の男子A、高校1年生。万引きにより逮捕され、少年鑑別所に収容された後、家庭裁判所の審判により保護観察処分となった。Aは、審判終了後すぐに母親Bと共に保護観察所に来た。Aの居住する地域を担当している保護観察官Cが、初回の面接を行うことになった。審判直後であり、家庭裁判所からは、氏名、年齢、非行名、遵守事項に関する意見など、最小限の情報が届いている。
Cの初回面接における対応方針として、最も適切なものを1つ選べ。

  1. 特別遵守事項を設定する。
  2. 担当する保護司が同席できるよう手配する。
  3. 保護処分の決定に対する抗告について説明する。
  4. 関係構築を優先し、家族関係や成育歴についての質問は控える。
  5. 家庭裁判所において既に確認されているため、事件内容についての質問は控える。
解答

問70 製造業A社は、これまで正社員の大半が男性であった。ここ数年の労働力不足を背景に、様々な人材を登用する機会を模索している。女性の管理職の増加を目指したキャリアコンサルティングの実施、外国人社員に伴って来日した配偶者の採用に加え、社内に障害者支援委員会を設置して精神障害者の就労支援を行うなど、個々の違いを認め、尊重し、それらを組織の競争優位性に活かそうとする取組を行なった。その取組をきっかけとして、女性社員、高齢者や国籍の異なる社員なども少しずつ増えて、今では属性の異なった人と協働する機会が増えている。
このA社の取組を全体的に表すものとして、最も適切なものを1つ選べ。

  1. コンプライアンス
  2. キャリアマネジメント
  3. ポジティブアクション
  4. アファーマティブアクション
  5. ダイバーシティマネジメント
解答
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