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問61 34歳の男性、会社員。1年前、バイク事故により頭部を打撲し意識障害がみられたが、3日後に回復した。後遺症として身体的障害はみ られなかった。受傷から9か月後に復職したが、仕事の能率が悪く、再度休職になった。現在の検査所見は、以下のとおりである。
順唱6桁、逆唱5桁、リバーミード行動記憶検査標準プロフィール点9点、WAIS-III:FIQ 82、VIQ 86、PIQ 78、遂行機能障害症候群の行動評価BADS総プロフィール得点20点、SDSうつ性自己評価尺度総得点30点。検査所見により示唆される主たる障害として、最も適切なものを1つ選べ。
- 記憶障害
- 知能障害
- 注意障害
- 抑うつ障害
- 遂行機能障害
解答
①
問62 84歳の女性。5年前に Alzheimer 型認知症と診断された。現在、ミニメンタルステート検査〈MMSE〉が5点で、介護老人保健施設に入所中である。夜中に自室からスタッフルームにやってきて、「息子が待っているので自宅に帰りたい」と言い、廊下を歩きはじめた。このとき、一般的に勧められる職員の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 息子に連絡し、外泊をさせるように依頼する。
- 頓用の睡眠薬を服用させ、徘徊による体力の消耗を避ける。
- 施錠できる安全な部屋に誘導し、保護の目的で扉を施錠する。
- 息子は自宅に不在であることを説明し、自室に戻るよう説得する。
- しばらく一緒に廊下を歩き、「夜遅いのでここに泊まりましょう」と提案する。
解答
⑤
問63 小学校で原因不明の爆発事故が起こり、多数の負傷者がいると通報があった。所轄警察署に勤務する公認心理師は事故発生後、他の署員とともに直ちに事故現場において被害者支援を行った。事故の連絡を受けて駆け付けた保護者への公認心理師の優先される対応として、適切なものを1つ選べ。
- 報道機関の取材に応じる。
- 保護者が希望しない限り、情報提供を控える。
- 学校教職員から保護者に説明する場を設定する。
- 免許証などにより保護者を確認し、部外者の侵入を防ぐ。
- 関係者と協力して児童の状況について情報を集め、保護者に提供する。
解答
⑤
問64 3歳の女児 A。A はネグレクトで児童相談所に保護された。A は非嫡出子として出生した。母親はAの情緒的要求に応じることが乏し く、Aを家に放置することが多かったため、一時保護に至った。保護をして1か月が過ぎた。Aは職員とはコミュニケーションはとれるものの、怪我をするなど困ったときには助けを求めることがない。就寝時に絵本を読みきかせたところ、A は興味を示し、楽しい場面に笑顔を見せた。A に考えられる障害として、最も適切なものを1つ選べ。
- 広汎性発達障害
- 反応性愛着障害
- 重度精神遅滞[知的障害]
- 分離不安症/分離不安障害
- 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉
解答
②
問65 中学2年の担任教師 A。A は、中学校でスクールカウンセリングを担当している公認心理師に次のように相談した。クラスの女子生徒Bが「誰にも言わないでください」と前置きし、「小学校6年生になったころから、母親が夜仕事に出ていくと継父が夜中に布団に入ってくる。夜になるとまた来るのではないかと恐ろしくて眠れない」と話した。Aは性的虐待の可能性が高いと思うが、Bに詳しく聞いていないため確証が得られていない。今後、担任教師としてどのように対応すべきか助言してほしいという。Aに対する公認心理師の助言として、最も適切なものを1つ選べ。
- 母親に電話して事実を確認する。
- Aが中心となって、この問題に取り組む。
- 虐待の可能性があることを、児童相談所に通告する。
- 安心して話していいとBに伝えて、話してくるまで待つ。
- 秘密は必ず守るとBに伝え、これまでの経緯と現状を詳しく尋ねる。
解答
③
問66 中学校の担任教師が担当する5名の生徒について、日常の様子と知能検査の結果を参照して次のように考えている。Aは怠学傾向がみられそもそも勉強に関心が向いていない。Bは知能指数が高いにもかかわらず学力が向上しない。Cの学力が向上しない理由は知能指数の低さにありそうだ。Dは知能指数が低いことに加え、注意散漫で授業に集中できない。Eは知能指数が低いにもかかわらず学力が高い。5名の生徒のうち、アンダーアチーバーが疑われる生徒として、最も適切なものを1つ選べ。
- A
- B
- C
- D
- E
解答
②
問67 14 歳の女子A、中学2年生。A の母親B は、Aの不登校について相談するために、中学校のスクールカウンセラーを訪ねてきた。Aは、朝に体調不良を訴えて2週間ほど欠席が続くようになった。Bが理由を聞いても Aは話したがらず、原因について分からない状態が続いてい ると、Bは家庭での様子を説明した。学習の遅れも心配で、Aに対して登校を強く促す方が良いのか、黙って見守った方が良いのか判断がつかない。「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒で家庭訪問をしてAの気持ちを聴いてほしい」とBから依頼された。このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- A が希望すれば家庭訪問をすると説明する。
- 管理職と相談して家庭訪問について検討する。
- A の様子を聴き、医療機関で検査や治療を受けるよう勧める。
- 「心配しなくて大丈夫です。そのうち解決しますよ」と励まし面談を終了する。
- 理由がはっきりしないのであれば、学校に行くよう促した方が良いと助言する。
解答
②
問68 30歳の男性 A、仮釈放中。A は無職で、引受人の母親と暮らして いる。Aには、遵守事項によって、保護観察所での専門的処遇プログラムへの参加が義務付けられている。第3回目のプログラム開始の2時間前に、Aは保護観察所に電話をかけ「保護観察所に行くための電車賃がなく、本日はプログラムに参加できない。プログラムの不参加によっ て仮釈放が取り消されたとしてもかまわない」と担当保護観察官Bに話した。B が、交通費の支出を母親に依頼できないかAに尋ねたところ、 Aは「母親は家にいるが頼めない。これ以上迷惑をかけられない」と繰り返した。このときのBの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 担当保護司に連絡をとり、Aに交通費を貸与するように依頼する。
- 次回の専門的処遇プログラムに必ず参加する旨の誓約書を送らせる。
- 交通費を確保して次回からの専門的処遇プログラムに参加するように指導する。
- 電話を母親に代わってもらい、交通費を貸与あるいは支出するように依頼する。
- 交通費は更生緊急保護によって支給されるので、本日の専門的処遇プログラムに参加するように指導する。
解答
④
問69 9歳の男児 A、小学校3年生。実父母から身体的虐待を受けて小学校1年のときに児童養護施設に入所した。入所当初は不眠、落ち着きのなさ、粗暴行為が見られたが、現在はほぼ改善し、日々の生活は問題なく過ごせるようになっている。実父母は施設の公認心理師との面接などを通して、暴力に頼ったしつけの問題や、虐待にいたるメカニズムを理解できるようになった。毎週の面会に訪れ、Aとの関係も好転している様子がうかがわれた。小学校3年になって、A と実父母が家庭復帰を希望するようになった。家庭復帰に関して施設が行う支援について、不適切なものを1つ選べ。
- 家庭復帰後の懸念される事態について児童相談所と話し合う。
- 実父母と子どもと一緒に、帰省や外泊の日程やルールなどを検討する。
- 週末帰省中に、再び実父母からの虐待が認められた場合には、家庭復帰については再検討する。
- 実父母が在住する市の要保護児童対策地域協議会でのケース検討会議の開催を、児童相談所を通して市に依頼する。
- 家庭復帰後は、施設措置が解除となり、市の要保護児童対策地域協議会の監督下に入るため、施設からの支援は終了する。
解答
⑤
問70 15歳の女子A、中学3年生。8歳で発達障害と診断されたが、Aの保護者はその診断を受け入れられず、その後Aを通院させていなかった。Aはクラスメイトとのトラブルが続き、半年前から学校への行きしぶりが続いている。Aの保護者は、学校のAに対する対応に不満を持ち、担任教師Bに協力的な姿勢ではなかった。Bの依頼を受けた公認心理師であるスクールカウンセラーが介入することになった。A、A の保護者及び B に対する支援として、不適切なものを1つ選べ。
- Aに適した指導案をBに指示する。
- 学校に対するAの保護者の気持ちを受け止める。
- 学校全体で対応する視点を持つようにBに助言する。
- Aの保護者とBに一般的な発達障害の特性について説明する。
- Aの保護者にAの医療機関への受診を検討するように勧める。
解答
①
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