多重関係 ※頻出

多重関係とは

「公認心理師が複数の専門的関係の中で業務を行っている状況だけではなく、公認心理師が、専門家としての役割とそれ以外の明確かつ意図的に行われた役割の両方の役割をとっている状況を指す。」

第5回公認心理師試験に出題

公認心理師としての実践において倫理的に問題とされる多重関係に該当するものを 2 つ選べ。

  1. 適度に自分の経験を開示する。
  2. クライエントから母親のイメージの投影を受ける。
  3. 心理職の同僚間で相互にコンサルテーションを行う。
  4. 終結を記念してクライエントとレストランで会食する。
  5. 税理士であるクライエントに確定申告を手伝ってもらう。
解答
④、⑤

第2回公認心理師試験に出題

心理的支援を要する者へ多職種チームで対応する際に、公認心理師が留意すべき点として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 要支援者もチームの一員とみなす。
  2. 要支援者の主治医の指示を確認する。
  3. 多重関係に留意しながら関連分野の関係者と連絡を取り合う。
  4. チームに情報を共有するときには、心理学の専門用語を多く用いる。
解答

第1回公認心理師試験(追加試験)に出題

公認心理師の責務と職業倫理とに基づく相談業務の対応として、不適切なものを1つ選べ。

  1. 国内外の様々な指針や研究結果を実践的に取り入れる。
  2. 自分が兼務している別の機関にクライエントを紹介する。
  3. 友人から心理的支援の依頼を受けた場合は、多重関係となるため断る。
  4. クライエントに自分自身でどの機関で援助を受けるか決めるよう助言する。
  5. 初回の面接で自らが不在の際の対応について、クライエントに希望を聞く。
解答

第1回公認心理師試験に出題

心理職の行動として、不適切なものを1つ選べ。

  1. クライエントからの贈り物を断る。
  2. 部下の家族をカウンセリングする。
  3. クライエントに対して人間的な魅力を感じる。
  4. クライエントからデートの誘いを受けた際に断る。
  5. 自身の生徒のカウンセリングを断り、他の専門家を紹介する。
解答

①クライエントからの贈り物を断ることについては、原則的に正しいと言える。贈り物には様々な思いが込められており、「必ず断る」という画一的な対応は望ましくないが、そのクライエントと贈り物に関しての意味を洞察することは重要。現実的には、受け取る場合も多いが、「こういうものは受け取ることができない」ということを伝えることは、何れにしても必要なことである。

②部下の家族をカウンセリングすることは、多重関係(役割)なり、カウンセリングをする上での妨げとなり得るので避けることは無難。

③クライエントに対して人間的な魅力を感じること自体に問題はない。もちろん、クライエントーカウンセラー関係であることを理解し、その関係にふさわしくない行動をとることは倫理的な問題となる。カウンセラー自身がその感情を客観的に捉え、その背景を分析することにより、その感情を利用することもできる。問題となるのは、感情に対して無自覚・無意識であることとや、行動を伴ってしまう場合である。

④クライエントからのデートの誘いを断ることは、問①の贈り物を断ることと同様、正しいと言える。贈り物は、相談室という枠組みのもとで行われることが多いが、デートは面接外での関わりを持つことになる。断ることは当然であるが、なぜ誘われるようなことに至ったかや、その誘いの意図を分析することは重要。

⑤自身の生徒のカウンセリングを断り、他の専門家を紹介することは、あり得ることである。様々なケースが想定されるが、例えば、学校の相談室では扱えないような場合が考えられる。重度の精神疾患(統合失調症など)に罹患しているなどは、医療機関に紹介する必要がある。

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